こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
美容外科手術は、外見の悩みを劇的に改善し、自信を取り戻す素晴らしい機会を提供してくれます。特にアンチエイジングを目的とした切開を伴う手術は、非切開の施術では得られない大きな変化が期待できるため、40代、50代、60代と年齢を重ねるにつれて選択される方が多くなります。しかし、その一方で、「せっかく勇気を出して手術を受けたのに、傷跡が気になって後悔している」という声もあります。
切開を伴う美容外科手術では、皮膚を切る以上、傷跡のリスクは常に存在します。しかし、どのような手術で傷跡が目立ちやすいのか、その原因と対策を知ることで、後悔しない選択をすることは可能です。 今回は、傷跡が目立ちやすいとされる代表的な3つの美容外科手術と、その特徴、傷跡が目立つ原因、そして後悔しないための具体的な対策について、当院統括医師の吉井健吾医師が詳しく解説していきます。
傷跡が目立ちやすいとされる手術3選
1. 人中短縮(じんちゅうたんしゅく)
人中短縮は、鼻の下の皮膚を切開し、人中の長さを短くすることで、顔の印象を若々しく整える手術です。顔の中心部に位置する人中の変化は、全体の印象に大きく影響を与えますが、それゆえに傷跡が目立ちやすい施術としても知られています。
傷跡が目立ちやすい原因
• 顔の「中央部」に位置する: 人中は顔のまさに中央に位置するため、どんな小さな傷跡でも非常に目立ちやすい部位です。
• 「若い方」ほど目立ちやすい傾向: 特に20代から30代の若い世代では、術後3ヶ月から6ヶ月経過しても傷が赤く、硬く、ケロイドのように盛り上がることがよくあります。これは、若い肌にハリがあるために傷に常に物理的な「テンション」がかかりやすく、その結果、傷跡が赤く太くなりやすいことに起因します。
• 「口の動き」や「メイクによる刺激」: 若い方は口の動きが活発であるため、日常的に傷跡に負荷がかかりやすいです。さらに、傷跡を隠そうとしてメイクで擦ったり引っ張ったりする刺激が加わることで、傷跡がさらに目立つようになることがあります。
後悔しないためのポイント・適応
• 本来は「中高年向け」の手術: 実は、人中短縮はもともと、加齢によって皮膚が柔らかくなり鼻の下が伸びてきた50代や60代以上の方に向けて開発された手術とされています。皮膚が柔らかい方は、切開しても傷にテンションがかかりにくいため、赤く盛り上がるリスクが低い傾向にあります。
• 若い方は「部分的な切開」も検討: 若い方でも、鼻の真ん中部分だけを少し切開して引き上げる「部分的な方法」であれば、傷跡のリスクを抑えつつ効果を得られる可能性があります。
• 治療法: もし傷跡が赤く盛り上がってしまった場合は、ステロイドの一種である「ケナコルト注射」を傷の線状に打つことで、盛り上がりを抑える治療が行われることがあります。これは効果が期待できる一方で、比較的痛みを伴う治療でもあります。
• 「美容の上級者向け」であることの認識: 顔の中央部に傷ができる人中短縮は、美容整形に慣れている「美容の上級者向け」の手術とも言われます。美容整形が初めての方は、事前に十分な情報収集と検討が必要です。
2. 小鼻縮小(こばなしゅくしょう)
小鼻縮小は、鼻の横の皮膚を切除することで、小鼻の広がりを抑え、すっきりとした印象の鼻にする手術です。シンプルな施術に見えて奥が深いとされており、傷跡の残し方が仕上がりを大きく左右します。
傷跡が目立ちやすい原因
• 「切開範囲」の長さ: 小鼻がドームのように大きく広がっている方は、小鼻の付け根から内側まで(「内外側法」と呼ばれる方法)大きく切開して縮める必要があるため、傷が長くなり、目立ちやすくなります。
• 「白く盛り上がる」「化粧溜まり」: 外側まで切開した内外側法の場合、半年から1年経って傷跡が落ち着いても、白く盛り上がってしまったり、そこに化粧が溜まって目立つことが気になる方もいます。
後悔しないためのポイント・適応
• 「内側法」の検討: 小鼻の広がりが軽度な場合は、小鼻の内側だけを切開する「内側法」で十分な効果が得られることが多く、正面から見た際の傷跡はあまり目立たなくなります。
• 「中間的な切り方」の選択: 小鼻の広がりがあるものの傷跡が気になる場合は、内外側法であっても外側の根元まで切らずに、中間くらいで留める切り方も検討することで、傷跡を小さく抑えることが可能です。
• 「傷跡ボトックス」による予防: 当院では、小鼻縮小の傷を縫合した後、傷の周囲にボトックスを注射することで、傷が赤く盛り上がるのを防ぐ効果を期待しています。
• 治療法: 盛り上がってしまった傷跡に対しては、CO2レーザーなどで削り、目立たなくする治療が行われることがあります。
3. フェイスリフト
フェイスリフトは、加齢による顔のたるんだ皮膚を物理的に引っ張り上げ、引き締めることで若々しい印象を取り戻す手術です。たるみの程度や求める効果によって様々な種類がありますが、特に「フルフェイスリフト」は傷跡が長くなる傾向にあります。
傷跡が目立ちやすい原因
• 「切開線」の長さ: フルフェイスリフトは、もみあげから耳の前のライン、そして耳の後ろからうなじのあたりまで切開線が伸びるため、傷跡が非常に長くなります。
• 「引っ張り」によるテンション: 皮膚を引っ張って固定する手術であるため、縫合部に常に物理的なテンションがかかり、傷が赤く盛り上がりやすくなります。
• 特に「耳の後ろからうなじ」の傷跡: もみあげや耳の前の傷跡は比較的落ち着きやすい傾向にありますが、耳の後ろからうなじにかけて横に切る部分は、赤く盛り上がったり、引きつれたりしてケロイドのようになることが多く、見た目だけでなく「引きつれ感」としても気になる方が多いです。髪が長い方であれば隠せることもありますが、引きつれによる違和感は残ることがあります。
後悔しないためのポイント・適応
• 「術後の適切なケア」の重要性: 傷跡が引っ張られたり擦られたりすると、赤く盛り上がる傾向があるため、術後のケアが非常に重要です。特に髪の毛に隠れない耳の前や耳の後ろの部分は、約1ヶ月から2ヶ月間、テープで上から押さえつけるように貼っておくことで、傷が赤く太く硬くなるリスクを最小限に抑えることができます。
• 「傷跡ボトックス」の活用: 小鼻縮小と同様に、傷跡の周囲にボトックスを細かく注射することで、傷の盛り上がりを予防する効果が期待できます。手術と同時に、あるいは抜糸のタイミングで行われることが多いです。手術と同時に行う場合は静脈麻酔で眠っている間に行われるため、痛みを感じずに済むというメリットがあります。
• 「ミニマムなフェイスリフト」の選択肢: フルフェイスリフトはハードルが高いと感じる方や、傷跡を最小限に抑えたい方には、「マックスリフト(もみあげの中から耳の前までが皮膚切開の範囲)」や「ミニフェイスリフト」といった、切開線がもみあげから耳の前までで完結する比較的短い手術も選択肢としてあります。これにより、切開部分を少なく抑え、傷跡のリスクを軽減できます。
比較的傷跡が目立ちにくい施術の例:眉下切開
多くの切開を伴う手術の中で、比較的傷跡が目立ちにくいとされるのが「眉下切開」です。これは眉毛の下のラインに沿って切開を行う手術で、たるんだ上まぶたの皮膚を切除し、目元をすっきりさせます。
• 傷跡が目立ちにくい理由: 眉毛の生え際に沿って切開するため、傷跡が眉毛の中に隠れやすく、非常に自然な仕上がりになる傾向があります。
• 回復とカバー: 術後1ヶ月は赤みが見られることがありますが、3ヶ月から6ヶ月でだいぶ馴染んできます。もし傷跡が気になったとしても、術後半年ほど経ってからアートメイクを眉毛に入れることで、さらに目立たなくすることが可能です。
美容外科手術で後悔しないために
切開を伴う美容外科手術は、非切開の施術に比べて劇的な変化をもたらす一方で、傷跡という避けられないリスクも存在します。特に、今回ご紹介した人中短縮のように顔の「中央部」に傷ができる手術は、美容の上級者向けとも言われるほど慎重な検討が必要です。
美容整形が初めてという方は、いきなり顔の中央部に傷が残るような手術に踏み切るのではなく、まずはヒアルロン酸やボトックスといった非切開の施術で対応してみるのも一つの選択肢です。
最も大切なのは、ご自身の肌質や年齢、生活習慣、そしてどのような仕上がりを求めているのかを深く理解し、それに基づいて信頼できる医師と十分にカウンセリングを重ねることです。医師は、期待される効果と同時に、考えられるリスク(特に傷跡のリスク)やその対策について詳しく説明してくれるはずです。術後の適切なケアも、美しい仕上がりへと導く上で欠かせません。
美容外科手術は、ご自身の未来を変える可能性を秘めた医療行為です。傷跡のリスクを正しく理解し、適切な情報とケアによって、理想の美しさを手に入れてください。お悩みを解消するべく、しっかりとカウンセリングさせていただきますので、ぜひご相談にお越しいただけますと幸いです。
吉井医師のご紹介はこちらをご覧ください:https://www.ochanomizubiyou.com/staff.html