第1章:老け顔に見える二つの大きな原因
私たちは、加齢に伴い顔の変化を経験しますが、特に「老けて見える」顔には共通した二つの特徴があります。1. 顔の「情報量」が多い
顔の情報量が多いとは、顔に黒い点々や影など、視覚的に目立つ要素が増えることを指します。これにより、全体として「年を取った」印象を与えやすくなります。 【具体的な「情報量」の例】- シミ、そばかす、ニキビ跡: パラパラと点在するシミや、ニキビの跡などが情報量を増やします。
- ヒゲ(特に男性): 昔話に出てくる泥棒のような、濃いヒゲの跡(青髭)は、顔の情報量として黒い点々が増えることになり、実年齢よりも上に見られやすくなります。
- くすみ: 顔全体がくすんでいる状態も、情報量が多いことにつながり、年を取って見える原因の一つです。
2. 顔全体の「ボリュームロス」(しぼみ)
これは、顔の土台である骨格(頭蓋骨)がやせてくること、そしてその上にある脂肪も全体的にしぼんでくることによって起こります。 一般に、年を取ると手足の骨がやせて骨折しやすくなる「骨粗鬆症」が知られていますが、手足の骨だけでなく、頭蓋骨も同様にやせてくるのです。骨と脂肪が全体的にしぼむにもかかわらず、皮膚だけはあまり変わらない、あるいは少し伸びるため、その結果として以下のような現象が起こります。 【ボリュームロスによって生じる老けのサイン】- たるみ: 皮膚が余り、全体的にたるみます。
- マリオネットラインや口横のシワ: これらがだらんと垂れてきます。
- 目の下のたるみ: 目の下の脂肪自体は年齢によって量が大きく変わらないにもかかわらず、その周りの組織(骨や脂肪)がやせ、しぼんでくることで、相対的に目の下の脂肪が突出して見えるようになります。
- やつれ、こけ: 全体的にしぼんでくることで、やつれた印象を与え、年を取って見えます。
第2章:老け顔を改善し、若々しく見せるための対策
老け顔の原因である「情報量の多さ」と「ボリュームロス」を防ぎ、改善するための具体的な対策を、日常のケアと美容医療の両面から見ていきましょう。【対策1】顔の情報量を減らす(シミ・くすみ・ヒゲ対策)
情報量を減らすための対策は、主にスキンケアと美容皮膚科的な治療が中心となります。A. 日常生活で心掛けるスキンケア
老けの原因となるシミやくすみを防ぐための基本は、以下の3点です。- 保湿: 保湿が不十分でカサカサした肌は、小ジワを増やしてしまいます。
- 日焼け予防: 日焼けをするとシミができやすくなります。運転手など、片側だけ日が当たる生活をしていると、片側だけシワができたりする例もあるため、日焼け止め(SPF30以上のものが目安)でしっかりと予防することが重要です。
- こすらない: これが最も大事なポイントです。顔をゴシゴシと擦って洗う癖がある人は、くすみ(肝斑のようなもの)ができやすくなります。また、皮膚が引き伸ばされることで小ジワが増える原因にもなります。洗顔時や目元を触る際など、日頃から「こすらない」ことを徹底しましょう。
B. 美容医療による情報量の改善
日常のケアでカバーできない部分は、美容医療で集中的に改善できます。- シミ・くすみ治療: 内服薬(トラネキサム酸とビタミンCの組み合わせが鉄板で処方されます)や、レーザートーニング、シミをピンポイントで当てるレーザー治療が行われます。
- ヒゲ対策(男性): 髭脱毛は情報量を減らす鉄板の治療です。
- シワ対策: シワにはボトックスが鉄板の治療方法となります。(ピコトーニング:低出力のレーザーをピコ秒という短い時間で照射する治療です。薄いしみ・くすみ・トーンアップ・肝斑治療等に効果的です。 料金:8,800円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:色素沈着、色素脱失、シミの取り残し・再発、炎症、肝斑の増悪、熱傷等 ピコスポット:シミ・アザ等の色素性病変に対して、部分的にレーザーを照射する治療です。 料金:2,200円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:色素沈着、色素脱失、シミの取り残し・再発、炎症、肝斑の増悪、熱傷等 レーザー脱毛:毛根のメラニン色素にレーザー光線を吸収させて、その熱で毛根周囲の組織 にダメージを与え長期間における減毛 (脱毛)を行うことができる治療方法です。 料金:3,300円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:毛嚢炎、熱傷、凍傷、硬毛化等 ボトックス:神経からアセチルコリンが出るのを抑え、筋肉の過剰な動きや過剰な発汗をわらげる治療です。 料金:16,500円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:疼痛、腫れ、内出血、アレルギー、表情に違和感、脱力感、めまい、視力低下、表情の左右差、眼瞼下垂、注射部の内出血、そう痒感等)
【対策2】ボリュームロスを防ぎ、ふっくら感を維持する(しぼみ・たるみ対策)
ボリュームロスは、骨や筋肉、脂肪に関わるため、日々の生活習慣や表情の使い方が重要になります。A. 日常生活で心掛けること
- 適度な日光浴と健康的な生活: 極端な日焼けは避けるべきですが、逆に、家にこもりきりで日に当たらない状態になると、ビタミンDが生成されず骨粗鬆症になりやすくなり、結果として「骨がやつれてくる」というボリュームロスの原因につながります。老けて見える以前に身体に良くないため、適度にまんべんなく外に出て健康的な生活を送ることが大切です。
- 表情筋のトレーニング: 表情筋を日頃から動かすトレーニングは、ボリュームロスを防ぐ上で有効かもしれません。発生練習、スピーキングの講習、コーラス部などで口を大きく動かす練習を常日頃行っている人は、表情筋が活発に動いているため、頬のお肉がしっかり残りやすい傾向があります。
- 口角を上げる意識: 表情筋のトレーニングにより、口角が下がらず上がっている状態を保てます。口角がヘの字に曲がっていると、マリオネットラインも出やすく、年を取って見えやすいため、口角が上がって頬のお肉がしっかり出ている状態を保つことが、若々しさに繋がります。
- 食事と噛み方:
- 肌全体のハリを保つために、タンパク質を適度にとるなど、バランスの良い食事が重要です。
- 物を食べる時に、片側だけを使うのではなく、左右対称に、同じ頻度で噛むように意識しましょう。片側だけを使って噛むと、その側の咬筋などが発達し、左右非対称の顔の原因になります。
B. 美容医療によるボリュームロスの改善
日常のケアやトレーニングでは補えないボリュームやたるみに対しては、注入系や引き上げ系の治療が有効です。- 注入系の治療(コケ・やつれ対策): 頬やこめかみなど、コケてやつれている部分に、ヒアルロン酸注入や脂肪注入を行うことで、顔全体をふっくらとさせ、ボリュームを回復させます。
- リフトアップ系の治療(たるみ対策): 皮膚が余ってだらんとたるんでいる場合には、フェイスリフト(切開して引き延ばす治療)で肌をピンと引き上げてあげます。たるみの程度が軽度な場合は、HIFU(ハイフ)や糸リフト(スレッドリフト)といった治療も選択肢となります。(ヒアルロン酸:ボリュームの減少等で影ができる原因部位に注入することで、しわやたるみを改善、目を大きく見せたり、唇をふくよかにしたり、鼻を高くする等、パーツ形成もできる治療です。 料金:44,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:痛み、腫れ、赤み、感染、アレルギー、皮膚の血行障害、視力障害等 脂肪注入:太腿、腹部、等から脂肪を吸引し、お顔(顔面/目の下/ゴルゴライン/おでこ/こめかみ)にコンデンスリッチまたはナノリッチに加工した脂肪を注入する手術です。 料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:内出血、腫れ、感染、凸凹、しこり、拘縮、引きつれ、神経障害等 フェイスリフト:皮膚を切開し、余分な筋膜や皮膚を切除することでお顔のたるみが改善されます。 料金:495,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:出血、腫れ、感染、傷跡、瘢痕、顔面の知覚鈍麻、たるみの後戻り等 ハイフ:超音波の熱を、お肌表面にダメージを与えることなく、狙った組織に集中照射して効果を得る治療です。たるみ治療や浅い層へのアプローチにより肌質改善に効果的です。 料金:18,700円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:発赤、浮腫、熱傷、内出血、異常感覚等 糸リフト:メスを使うことなく、吸収性の糸をこめかみ辺りなどから挿入することで、お顔のたるみ改善・予防、全体的な引き締めが期待できます。 料金:33,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:内出血、腫れ、疼痛、ひきつれ、ツッパリ感、感染、左右差、凸凹等)
第3章:まとめと若見えへのロードマップ
老け顔に見える主な原因は、顔の情報量の多さと顔全体のボリュームロス(しぼみ)の二つに集約されます。 若々しさを保つためには、まずは日常の生活習慣のケアが非常に重要です。- 情報量対策としては、保湿、UV対策、そして何よりも「こすらない」ことを徹底しましょう。
- ボリュームロス対策としては、適度な運動や日光浴、表情筋のトレーニング、バランスの良い食事を心がけましょう。
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