こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
近年、クマ治療は多くの方にとって身近な美容医療となりましたが、それに伴い他院での治療後の失敗や修正に関するご相談も増えています。
「クマ治療」と言っても、そのアプローチやクリニックごとの特徴は多岐にわたります。時には「これは失敗だ…」と感じるケースもあれば、「そのやり方なら、こうなるのは仕方ない」と納得できるケースも存在します。今回は、クマ治療の修正を考えている方、これから治療を検討している方のために、失敗の主なパターンやその原因、そして修正方法と、何よりも大切なクリニック選びと術後ケアについて、当院統括医師の吉井健吾医師が詳しく解説していきます。
クマ治療における「失敗」のパターンとクリニックごとの傾向
他院でのクマ治療後に修正の相談にいらっしゃる患者様の状態は、いくつかの特徴的なパターンに分かれます。
1. 「クマ取り押し」クリニックでの施術後のトラブル
◦ 主な悩み: へこみ、影感、シワ感
◦ 解説: 脂肪を取り除く「脱脂」をメインに推奨しているクリニックの場合、目の下の脂肪を取りすぎたり、必要な部分の脂肪が残ってしまったりすることで、かえって目の下が不自然にへこんで見えたり、影ができてしまったりすることがあります。特に若い方と違い、皮膚のハリが失われつつある年代では、脱脂だけではシワが目立つ原因にもなりかねません。
2. 「裏ハムラ押し」クリニックでの施術後のトラブル
◦ 主な悩み: へこみ、小ジワ、そして「全然変わっていない」
◦ 解説: 裏ハムラは、目の裏側から脂肪を移動させてへこみを埋める手術ですが、この方法を前面に押し出すクリニックでは、手術費用が80万円から100万円と高額であるにも関わらず、術後に「ほとんど変化がない」と感じるケースが散見されます。脂肪の移動量が不十分であったり、適切な場所に固定できていない場合などに起こりえます。
3. 「顔全体を一日で」施術するクリニックでのトラブル
◦ 主な悩み: 複数箇所での失敗
◦ 解説: 目元だけでなく、鼻や豊胸など、顔全体の美容整形を一日でまとめて行うようなクリニックで施術を受けた場合、「理想の仕上がりとかけ離れている」というケースも存在します。長時間にわたる手術は、執刀医の集中力低下を招く可能性も否定できません。繊細な目元の手術において、集中力の低下は致命的な結果につながりかねません。
4. 「切開ハムラ(表ハムラ)」での施術後のトラブル
◦ 主な悩み: 外反(がいはん)
◦ 解説: 切開ハムラや表ハムラは、皮膚を切開してたるみや脂肪を調整する手術です。術後に下まぶたが外側にめくれ上がってしまう「外反」が起こることがあります。ただし、この外反に関しては、術後3ヶ月から6ヶ月程度で自然に改善することが多いため、焦らず様子を見る期間が必要です。
5. 大手クリニックでの施術後のトラブル
◦ 主な悩み: 脱脂の取り残し、変わり映えがしない
◦ 解説: 大手クリニックでは、経験の浅いドクターが執刀するケースも稀ではありません。そのため、脱脂が不十分で脂肪が取り残されてしまったり、期待したような変化が得られないといったケースが多い傾向にあります。
当院での修正アプローチ:様々なケースに対応可能
当院では、他院でのクマ治療後の様々な修正に対応しています。吉井医師自身が多岐にわたる術式に対応できる「引き出しの多さ」が強みです。
• へこみへの対応: 脂肪注入が中心となります。目の下のくぼみに自身の脂肪を注入することで、滑らかな仕上がりを目指します。
• シワへの対応: 程度の軽い小ジワであれば脂肪注入で改善する場合もありますが、深いシワや余剰皮膚が多い場合は、切開による余剰皮膚切除、あるいは皮膚まつ毛沿い切開で皮膚をピンと張ることで改善を図ります。
• 脱脂の取り残しや効果不足: 追加の脱脂を行うことで、残った脂肪を除去し、より効果的な改善を目指します。
• これらの治療は単独で行われることもあれば、患者様の状態に合わせて適切に組み合わせて行われることもあります。
実際の修正事例から学ぶ
いくつか当院での修正事例をご紹介します。
症例1:30代女性(中規模クリニックで脱脂後、へこみが気になる)
◦ この方は、脱脂後に目の下のへこみが気になり来院されました。年齢的に脂肪の定着も良いため、シンプルに脂肪注入のみで対応。術後3ヶ月で、へこみは大幅に改善し、滑らかな目元を取り戻しました。
症例2:50代女性(大手クリニックで脱脂後、へこみと小ジワが気になる)
◦ 50代の女性で、脱脂に50万円を費やしたものの、へこみと小ジワが改善しないと悩んでいました。小ジワの程度が比較的軽かったため、まずは脂肪注入のみで様子を見ることに。2ヶ月後にはシワが軽減し、へこみも滑らかになりました。
症例3:40代後半男性(脱脂後、シワが気になる)
◦ 脱脂後にシワが気になり、レーザー治療などの皮膚科的治療を繰り返すのが嫌で、切開を希望されました。シワの程度は軽めでしたが、ご本人の強い希望により皮膚切開を実施。術後半年で傷跡も落ち着き、シワがピンと張った状態になりました。
症例4:50代女性(大手クリニックで脱脂後数年、シワとへこみが気になる)
◦ 数年前に脱脂をされたものの、加齢とともにシワが増え、へこみも気になり始めたケースです。下まぶたのシワが深く多かったため皮膚切開を加え、目元のへこみに対しては脂肪注入を組み合わせた治療を行いました。術後には目元のシワが大幅に減り、へこみも滑らかに改善しました。
失敗を避ける、あるいは修正を成功させるためのアドバイス
クマ治療を検討している方、あるいは既に治療を受け、修正を考えている方に、最も重要なアドバイスをお伝えします。
1. 何よりも「クリニック選び」が重要
• 医師のキャリアと経験: これまで数多くの症例を経験してきたドクターを選ぶことが大切です。
• 症例写真の徹底確認: 特に術後の状態をよく確認してください。Instagramやホームページに定期的に上がっている症例写真で、ご自身の現在の目元と似た術前の状態の患者様が、ご自身の好みの術後の状態になっているかを慎重に見極めましょう。光の加減やメイクの有無など、条件が異なる場合もありますが、一番大切なのは「術後の症例がご自身の好みかどうか」です。
• 下まぶたの手術は繊細: 目元の手術は、鼻や胸の手術と異なり非常に繊細で、微妙な変化が大きく印象を変えます。そのため、美容医療に携わるドクターであっても、下まぶたの手術を行っていない医師にはその状態を正確に判断することが難しい場合があるほどです。「思っていたのと違う」という結果にならないためにも、事前の情報収集とクリニックの見極めが不可欠です。
2. 術後ケアは決して怠らない
手術が無事に終わっても、その後の術後ケアが結果を大きく左右します。
• 目元を触らない、揉まない: これが最も大切です。
◦ 脂肪注入の場合: 注入した脂肪は非常にデリケートです。ゴシゴシ擦ったり揉んだりすると、脂肪が潰れて定着しなかったり、吸収されてなくなってしまう可能性があります。
◦ 裏ハムラの場合: 脂肪を移動させて固定している糸が、安定していない初期の段階で擦ったりすると、糸が切れて元の状態に戻ってしまうことがあります。
• 術後のケアを怠ると、「手術をしたクリニックの責任だ」と言い切れなくなってしまう可能性もあります。患者様ご自身で意識して目元を触らないように努めることが、成功への鍵となります。
3. ダウンタイムと心のケア
手術後は、「ダウンタイム鬱」と呼ばれる精神的な落ち込みを感じる方が少なくありません。
• 「新しい顔」への慣れ: 腫れやむくみが強く出ることもありますが、それだけでなく、単純に新しい自分自身の顔に慣れていないという理由から不安になることもあります。
• まずは3ヶ月待つ: 基本的には、術後3ヶ月程度は様子を見るのがベストです。腫れやむくみが落ち着き、組織が安定するまでにその程度の期間を要するためです。
• セカンドオピニオンも検討: 不安で精神的に動揺してしまう場合は、相談だけでもクリニックを訪れることは非常に有効です。他のクリニックのドクターも同様の意見であれば、ご自身の中で納得し、安心することにもつながります。
まとめ
クマ治療は、適切に行われれば劇的な若返り効果をもたらしますが、その一方で、クリニック選びや術後ケアを誤ると、修正が必要になる可能性もはらんでいます。
好みの仕上がりになる症例写真を数多く提示しているクリニックを選び、術後は医師の指示に従い、目元を大切に扱うことが、理想の目元を手に入れるための何よりも重要なポイントです。もし今、クマ治療後の状態に不安を感じているのであれば、一人で抱え込まず、専門の医師に相談することをお勧めします。
この情報が、皆様のクマ治療に対する理解を深め、より良い選択に繋がることを願っています。お悩みを解消するべく、しっかりとカウンセリングを行いますのでぜひご相談にお越しいただけますと幸いです。
吉井医師の紹介はこちらをご覧ください:https://www.ochanomizubiyou.com/staff.html