こんにちは、お茶の水美容形成クリニックです。本日は、当院で行っている豊胸術について、シリコン豊胸術、脂肪注入豊胸術、そして両者を組み合わせたハイブリッド豊胸術という3つの主要な方法に焦点を当て、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説させていただきます。 「豊胸をしたいけれど、どの方法が自分に合っているのか分からない」とお悩みの方にとって、この記事が最適な選択を見つけるための一助となれば幸いです。
1. シリコン豊胸術:確実なサイズアップと進化する自然さ
シリコン豊胸術は、豊胸の歴史の中で長きにわたり行われてきた実績のある方法です。インプラントを挿入することで、確実なサイズアップが見込める点が最大のメリットと言えるでしょう。
使用するインプラントの種類
当院では、主に以下の2種類のインプラントを採用しており、患者様には実際に手に取ってその柔らかさなどを確認していただいております。
• モティバ (Motiva)
◦ 2010年頃から急速にシェアを拡大した非常に人気のあるインプラントです。
◦ その最大の特徴は、非常に自然な動きと柔らかさです。従来のインプラントに比べて格段に柔らかく、仰向けになった時には胸の形に自然に馴染み、立った時には雫型になるなど、体の動きに連動して形が変わります。
◦ 柔らかいだけでなく、6層構造のシリコン膜で強化されており、強度も兼ね備えています。被膜拘縮のリスクが極端に高いという報告もなく、安心して選択できるインプラントの一つです。
• メスモ(Mesmo)
◦ 約40年の歴史を持つドイツ製のインプラントで、その品質は高く評価されています。
◦ 7層構造の膜で強化されており、モティバよりもさらに一層多く、非常に強い強度を持っています。
◦ 触るとモティバより若干硬く、少しザラつきがあるのが特徴です。このザラつきが、シリコンインプラント特有のリスクである被膜拘縮を抑えると言われています。
インプラントの挿入方法(切開位置)
• 脇の下からの挿入
◦ 傷が最も目立ちにくい方法として人気があります。
◦ ただし、インプラントを入れる場所まで距離があるため、再手術の場合や、300cc以上の非常に大きなサイズのインプラントを挿入する場合には、難易度が高くなる可能性があります。
• 乳輪下縁(乳房下縁)からの挿入
◦ 乳房下縁の溝を切開して挿入する方法です。
◦ 大きなサイズのインプラントや再手術の場合に、比較的容易に挿入できるという利点があります。
インプラントの挿入層
インプラントをどの層に入れるかによっても、仕上がりや術後の感触が変わってきます。• 乳腺下(乳腺下および脂肪層)
◦ 乳腺の下や皮下脂肪の下にインプラントを挿入する方法です。
◦ 最近普及しているモティバのような柔らかく強度の高いインプラントの場合、乳腺下でも十分に動きが自然に見えるため、当院でも採用しており、最近最も普及している方法です。• 大胸筋下
◦ 乳腺の下にある大胸筋のさらに下にインプラントを挿入する方法です。
◦ 見た目は自然に見えますが、インプラントの上に筋肉が被さっているため、触ると「少し硬い」という印象を持たれることがあります。また、筋肉の動きによってインプラントがわずかにずれる可能性もあります。• デュアルプレーン(Dual Plane)
◦ インプラントの下半分は乳腺下に、上半分は大胸筋下に挿入するハイブリッドのような方法です。
◦ 非常に痩せ型の方で、ある程度のサイズを希望する場合に選択されることがあります。インプラントの縁が目立ちやすい痩せ型の方の場合、筋肉で上を覆うことで形を分かりにくくし、自然に見せる効果が期待できます。
◦ ただし、筋肉を切開するため痛みが伴うこと、当院ではあまり採用していない方法です。
シリコン豊胸術のメリット・デメリット
• メリット
◦ なんといっても、入れた分だけ確実にサイズが出るという点です。確実性が非常に高く、希望のサイズを確実に実現したい方に適しています。
• デメリット
◦ 脂肪注入豊胸術に比べると、どうしても人工的な感触や見た目が分かりやすい場合があります。特に、元々の胸のサイズが小さい方が大きなサイズのインプラントを入れると、「豊胸した」と分かりやすくなる傾向があります。
2. 脂肪注入豊胸術:究極の自然さと触り心地
脂肪注入豊胸術は、ご自身の体から吸引した脂肪を胸に注入する方法です。「究極の自然さ」を求める方に最適な選択肢と言えるでしょう。
手術の概要
基本的な流れは非常にシンプルです。 患者様のご希望の箇所(太もも、お腹など)から脂肪を吸引し、それを精製して、不純物を取り除いた純粋な脂肪細胞だけを胸に注入します。
特徴と限界
• 最も自然な見た目と触り心地:ご自身の組織を使用するため、柔らかさや触り心地に無理がなく、最も自然な仕上がりが期待できます。
• サイズアップの限界:ただし、シリコン豊胸術のように極端なサイズアップは難しいとされています。注入した脂肪は圧迫に弱いため、一度に大量に注入すると脂肪細胞が死んでしまうリスクがあります。一般的には、1回あたり約200ccが適切な注入量とされており、これにより1カップから2カップ程度のサイズアップが見込めます。
• 脂肪吸引箇所の制限:痩せ型の方など、十分な脂肪が採取できない場合は施術が難しいこともあります。当院では、太ももだけでなくお腹など、複数の箇所から脂肪を採取することも可能です。
手術の詳細
• 麻酔方法:基本的に静脈麻酔で行われ、患者様が眠っている間に手術が完了します。
• 脂肪吸引:太ももや腹部などから脂肪を吸引します。吸引時には薄い麻酔液を注入し、脂肪を揉みほぐしてから吸引します。
• 脂肪の精製と注入:吸引した脂肪は遠心分離機にかけて不純物を取り除き、残った脂肪細胞だけを胸に注入します。注入は脇の下から2~3mm程度の小さな傷で行うため、傷跡はほとんど目立ちません。
• 注入層の多様性:脂肪は、大胸筋の中、大胸筋上部の脂肪層、乳腺下、皮下の脂肪層など、様々な層に少しずつ均等に注入していきます。これは、一度に固まりで注入するとしこりになったり、脂肪細胞が壊死したりするリスクがあるためです。
脂肪注入豊胸術のメリット・デメリット
• メリット
◦ 自然な柔らかさと形が期待できる点が最大の魅力です。シリコンインプラントに比べ、圧倒的に自然な感触が得られます。
• デメリット
◦ 注入した脂肪が体に吸収され、時間が経つと少しずつ減少する可能性があります。一般的に、術後3ヶ月から半年程度で最終的な定着量が決まります。急激な体重減少があった場合なども、定着した脂肪がさらに減る可能性があります。
◦ また、不適切な注入方法や一度に大量注入した場合に、しこり(脂肪壊死や石灰化)ができるリスクがゼロではありません。
3. ハイブリッド豊胸術:サイズと自然さの融合
ハイブリッド豊胸術は、シリコンインプラントと脂肪注入豊胸術の両方を組み合わせる方法です。それぞれの利点を活かし、より理想的な仕上がりを目指します。
手術の概要
基本的に、シリコンインプラントでメインのサイズアップを図ります。その上で、脂肪注入を併用することで、シリコンインプラントの縁(ヘリ)が目立ちやすい部分に脂肪を乗せたり、周囲に脂肪を注入して形をより自然に整えたりする目的で使用されます。もちろん、脂肪注入した分のサイズアップ効果も期待できます。
ハイブリッド豊胸術のメリット・デメリット
• メリット
◦ シリコンインプラントの確実なサイズアップと、脂肪注入による自然な形や触り心地、インプラントの縁の目立ちにくさという、両方の良い点を享受できるのが最大のメリットです。サイズ感と自然さのバランスを追求したい方に適しています。
• デメリット
◦ シリコン豊胸術と脂肪注入豊胸術、両方のデメリットを併せ持つリスクがあります。
◦ 具体的には、シリコンインプラントによる被膜拘縮のリスク、そして脂肪注入によるしこりや吸収のリスクがゼロではありません。
まとめ
今回は、豊胸術の主な種類であるシリコン豊胸術、脂肪注入豊胸術、そしてハイブリッド豊胸術について詳しく解説させていただきました。それぞれの方法には異なる特徴があり、メリットとデメリットが存在します。
ご自身の希望するサイズ、仕上がりの自然さ、体質、そしてリスクの許容度などを考慮し、最適な豊胸術を選択することが非常に重要です。当院では、患者様一人ひとりに合わせたカウンセリングを行い、最適な選択肢をご提案させていただきます。
1 個
御茶ノ水の美容皮膚科・まぶたの治療ならお茶の水美容形成クリニック
日付: 2025年8月22日 カテゴリ:形成外科手術