こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
目の下のたるみやクマの治療は、当院でも特に人気の高い外科治療の一つです。しかし、「クマ取り」や「裏ハムラ」など、さまざまな施術名があり、ご自身にとって最適な方法がどれかわからないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
目の下のたるみ・クマ治療における主な6種類の外科的アプローチと、近年注目されている裏ハムラ法の具体的な仕組み、そしてそれぞれの適用条件や違いについて、詳しく解説していきます。
目の下のたるみ・クマ治療の主な6種類の施術法
目の下のたるみ・クマに対する外科的アプローチは、大きく分けて6種類が考えられます。これらの術式は、患者様の目の下の状態、たるみの程度、皮膚のシワの有無によって選択されます。
1. クマ取り(経結膜脱脂術)
クマ取りは、目の下に突出している脂肪を単純に取り除くシンプルな手術です。
• 施術時間: 20~30分程度。
• ダウンタイム: 短い傾向にあり、通常は1週間程度で済むことが多いです(術後しばらくは腫れが見られることがあります)。
• 適応: あまりダウンタイムを取らず、シンプルに手術をされたい方に選ばれます。
経結膜脱脂:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。
料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
2. 裏ハムラ法
裏ハムラは、単に脂肪を取るだけでなく、目の下の膨らみの原因となっている脂肪(眼窩脂肪)を、目元のすぐ下のへこみ(溝)に移動させて埋め込む手術です。
• 施術時間: 約60分。
• ダウンタイム: クマ取りに比べるとやや長く、1週間から10日程度です。
• 適応: 目の下の膨らみだけでなく、その直下のへこみも同時に改善したい方で、へこみが軽度から中等度の方に向いています。
裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させ、凹みのある個所に固定し直します。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等

3. 表ハムラ法
表ハムラは、皮膚を直接、睫毛下を切開し、シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。• 適応: 主に40代後半以上で、目の下の出っ張りやへこみに加え、皮膚のシワもかなり多い方に適しています。
• 内容: 脂肪の移動に加えて、皮膚を切って引っ張ることで皮膚のシワも同時に取り除きます。
• 施術時間: 90分から2時間程度。
• ダウンタイム: 1週間から2週間程度で、術後1週間後に抜糸が必要です。
表ハムラ:睫毛下を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させて、凹みのある個所に固定し直します。シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。
料金:506,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等

脂肪注入の併用
上記の1~3の施術に、脂肪注入を加える方法です。脂肪注入は、特に目のすぐ下のさらに下、ほっぺたにかけて、やつれやへこみがある方が適しています。
• クマ取り+脂肪注入: 手術時間は40~50分程度、ダウンタイムは1週間から10日程度です。
• 注意点: 脂肪注入は、青クマ対策で目元直下に行うこともありますが、吸収率が高い点に限界がある場合があります。
クマ取り&脂肪注入:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。大腿内側または腹部から脂肪を採取し、目の下/ゴルゴラインに注入しハリを出しシワの改善を行います。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等。

裏ハムラ法に求められるバランスと限界
裏ハムラ法は最近非常に流行していますが、その適用には適切なバランス感覚が必要です。
裏ハムラ法のメカニズムと適応
裏ハムラ法では、目の下の脂肪の出っ張り(膨らみ)をクマ取りのように根こそぎ取るのではなく、骨のヘリ(縁)のあたりにくっつけるように配置し、目の下のへこみを改善します。
しかし、へこみが強すぎる場合、特に内側のへこみがきつすぎる場合など、「脂肪の出っ張りよりもへこみの方が強い」状態だと、脂肪を移動させてもへこみが残ってしまう可能性があります。そのため、裏ハムラは中等度から軽度のへこみの方が適応となることが多いです。
また、裏ハムラ法で目の下の脂肪を移動させても、その脂肪がほっぺた(頬部)のへこみまで届くことはありません。ほっぺたにかけてのへこみがある場合は、脂肪注入やヒアルロン酸注入を検討することになります。
理論上の裏ハムラ法の利点
裏ハムラは、脂肪を取り去るのではなく、移動させる術式であるため、クマ取りと比較して理屈上いくつかの利点があると言われています。
1. 奥目・落ち込みのリスクの低減: クマ取りのように脂肪を根こそぎ取ってしまうと、目が落ち込んだり奥目気味になったりする可能性が指摘されていますが、裏ハムラは脂肪を元の位置に極力戻すような配置をするため、このリスクは低いと考えられています。
2. 再発リスクの低減: 目の下のクマの再発は、脂肪が増えるというよりは、眼球を包んでいる眼窩隔膜(がんかかくまく)が弱くなり、脂肪がプリッと出てくることが原因となるケースが多いです。裏ハムラ法では、この眼窩隔膜をピンと張った状態で目元の溝(へこみ)に固定するため、クマ取りよりも再発が起こりにくいと理論上言われています。
施術の決定は総合的な判断が必要です
目の下のたるみ・クマ治療において、どの術式が「絶対的に良い」と言い切れるものではありません。施術の選択は、患者様の目元の具体的な状態を拝見した上で、ダウンタイムの希望、コスト、どこまで改善したいかというニーズ(要望)を総合的に踏まえて最終的に決定されます。
例えば、皮膚のシワが多い方が裏ハムラを選択された場合、膨らみやへこみは改善しても、小ジワが残る可能性もあります。逆に、短期間で手軽に改善したい方にはクマ取りが適している場合もあります。
ご自身にどのような施術が適用されるか正確に判断するためには、専門的な診察にお越しいただき、現在の目元の状態を確認することが最も重要です。
クマ治療について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html