第1章:クマ治療の主要な4つのアプローチと当院の選択傾向
当院で患者様に提案するクマ治療には、大きく分けて4つの方法があります。- ①シンプルなくま取り(結膜脱脂術):結膜側(裏側)から切開し、目の下の余剰な脂肪を取る方法です。 (経結膜脱脂:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。 料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等)
- ②くま取りに脂肪注入を加える(くまとり脂肪注入):脂肪を取った上で、さらに脂肪注入を行う方法です。これにより、目の下のふくらみだけでなく、特にその下にあるほっぺたのやせや色合いの改善も期待できます。 (クマ取り&脂肪注入:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。大腿内側または腹部から脂肪を採取し、目の下/ゴルゴラインに注入しハリを出しシワの改善を行います。 料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等)
- ③裏ハムラ法:裏側から操作し、目の下の脂肪をただ取るのではなく、目のすぐ下のへこみに移動させて固定することで、出っ張り(膨らみ)とへこみ(溝)を同時に改善します。 (裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させ、凹みのある個所に固定し直します。 料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等)
- ④表ハムラ法:まつ毛の生え際沿いを切開し、出っ張りやへこみを改善すると同時に、シワも伸ばすことができる方法です。主に50代、60代以上の方に推奨されます。 (表ハムラ:睫毛下を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させて、凹みのある個所に固定し直します。シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。 料金:506,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等)
第2章:術式による仕上がりの違いを症例から読み解く
クマ治療を選ぶ上で重要なのは、単に「クマをなくす」だけでなく、「どのような目元にしたいか」という仕上がりの好みです。くまとり、純粋な裏ハムラ、そしてハイブリッドな裏ハムラでは、顔の「作り」が少しずつ変わってきます。1. シンプルなくま取り(結膜脱脂術)の仕上がり
シンプルなくま取りは、「とにかく出ている脂肪をすっきりさせたい」方や、ダウンタイムやコストを比較的手軽に済ませたい方に適しています。 症例写真を見ると、この術式の特徴がよく分かります。シンプルなくまとりを行った患者様の目元は、涙袋のすぐ下の脂肪がキュッとへこんだ状態になります。これは、目のすぐ下の膨らみが除去された結果です。この仕上がりは、目元がエキゾチックに見えるため、このような形を好まれる患者様もいらっしゃいます。
2. 純粋な裏ハムラ法の仕上がり
裏ハムラ法は、くま取りよりもダウンタイムやコストはかかりますが、目の下の溝(へこみ)の部分の脂肪の移動と固定を行うため、へこみ方がより滑らかになるという特徴があります。また、へこみが強い人や色素沈着(着)が強めの人は、くま取りだけでへこますと影感が出て余計に目立つ可能性があるため、へこみ方をなるべくなだらかにしたい場合に裏ハムラが推奨されます。 純粋な裏ハムラは、脂肪をほとんど取ることなく、へこみの部分にくっつけて埋めてくる操作が中心です。症例写真で見ると、涙袋のすぐ下がキュッとへこむというよりは、脂肪が移動して埋まった結果、平らに、なだらかに出っ張っているような形になります。平坦な仕上がりを求める方には、純粋な裏ハムラが選択されることがあります。
3. ハイブリッドな裏ハムラ(くまとり要素の追加)の仕上がり
実際の臨床現場では、患者様から「裏ハムラで滑らかにしつつも、涙袋は出したい」というご要望をいただくことがあります。このような場合、純粋な裏ハムラの操作だけでは涙袋のすぐ下が平らになりすぎるため、脂肪を抜く「くまとり要素」を少し強く加えることがあります。 この「ハイブリッド」なアプローチでは、脂肪を抜いて涙袋のすぐ下をキュッとへこませつつ、余った脂肪をへこみにくっつける裏ハムラの操作を同時に行います。これにより、へこみ方を極力なだらかにしながらも、涙袋のすぐ下をへこませてエキゾチックな印象を持たせることが可能です。

第3章:広範囲な改善を目指すくまとり脂肪注入の優位性
前述の通り、当院ではくまとり脂肪注入の件数が最も多くなっています。 これは、目の下のクマに悩む方の多くが、目の下の膨らみだけでなく、さらにその下にあるほっぺたのやせ(ボリュームロス)を同時に抱えているためです。目の下が膨らみ、その下の頬がやせている状態は、脂肪がより出て見え、クマが目立つ典型的なパターンです。 くまとり脂肪注入のメリットは以下の通りです。- ①広範囲の改善:出ている脂肪を取り(くま取り)、その上でやせている部分(頬など)に脂肪注入を行いボリュームを回復させます。
- ②色素沈着や青クマへの対応:脂肪注入を加えることで、目のすぐ下の青クマや色素沈着の色合いも少し良くなる効果が期待できます。色素沈着が強めの患者様に対しては、裏ハムラかくまとり脂肪注入をお勧めすることが多くなっています。
- ③最高の仕上がり:どの手術にもブレ幅はありますが、仮に100%全ての操作が完璧に決まった場合、クマもへこみも改善され、広範囲に脂肪注入もできるくまとり脂肪注入が、最も綺麗に仕上がると考えられます。
第4章:術式名に囚われず、クリニック選びを最優先に
クマ治療の選択肢が増え、それぞれの術式がハイブリッド化しつつある今、患者様は「どの方法が一番良いのか」と迷うかもしれません。 しかし、特定の術式名(例えば裏ハムラ)が世界的に主流であると主張するドクターもいますが、「裏ハムラ」という言葉自体を使っている国は日本しかありません。韓国で使われる「眼窩脂肪移動術」でさえ、純粋な裏ハムラに近いものから、ほとんどくまとり脂肪注入のようなものまで、様々な手法が含まれています。 したがって、患者様が深く考え込むべきは「一番綺麗になるには、どこのクリニックに行ったらいいか」ということです。 理想的なクリニック選びの基準は以下の通りです。- ・症例写真が定期的に掲載されているクリニック。
- ・様々な治療法(くま取り、裏ハムラ、脂肪注入など)に対応でき、患者様の顔の作りや要望に合わせて最適な方法を提案できるクリニック。
クマ治療について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html