フェイスラインがもたつく3つの主な原因
フェイスラインがぼやけてしまう原因は一つではありません。原因を正確に把握し、それを一つずつ改善していくことが、シャープな輪郭への近道となります。 もたつきの主な原因は、表層から深層にかけて以下の3つが挙げられます。1. 皮膚のたるみ(皮膚余り)
年齢を重ねるにつれて、皮膚が垂れ下がってきます。これは頬だけでなく、首元にも及び、下顎のラインが不明瞭になり、もたついた印象を与えます。特に30代、40代、50代と年齢が上がるにつれて顕著になります。2. 脂肪組織の垂れ下がり・蓄積
皮膚のすぐ下にある脂肪組織がもたついたり、垂れ下がったりすることも大きな原因です。 (A)若い方のケース:元々頬の肉が多い方や、単純な肥満によって顔がふっくらしているケースです。 (B)加齢によるケース:加齢に伴い、元々高い位置にあった頬の肉が、まるで雪崩のように重力に負けて下に下がってきます。これは脂肪が増えているというよりは、位置がずれている状態であり、この垂れ下がりによってマリオネットラインのシワや口元のポニョ(ふくらみ)が目立ちやすくなります。3. 骨格の変化(骨の萎縮)
意外に思われるかもしれませんが、これが非常に重要な原因です。加齢に伴い、手足だけでなく頭蓋骨も骨密度が減少し(骨粗鬆症)、骨が萎縮してきます。特に頬骨や顎周りの骨が痩せてくると、それまで骨によって突っ張られていた皮膚や脂肪の組織が支えを失い、さらに下へズレ落ちてしまいます。結果として、皮膚が余ったように見えたり、脂肪が垂れ下がったように見えたりするのです。全ての年代で有効な土台作り:HIFU/RFと糸リフトの正しい活用法
フェイスラインの改善のために、まず共通して検討すべき治療として「HIFU(ハイフ)」「RF(高周波)」「糸リフト」が挙げられます。これらはやらないよりは絶対に良い治療であり、万人に共通して推奨される土台作りです。 ただし、効果を最大限に引き出すためには、闇雲に多量に行うのではなく、適切な量と適切な間隔で継続することが非常に大切です。- HIFU/RF(高周波):年に2回から3回程度。
- 糸リフト:年に1回程度。
糸リフトの適応を見極める
糸リフトは流行していますが、体形効果が悪いケースや、クリニック側のアップセル目的として多く入れすぎるケースも存在します。糸リフトだけで高い効果を得やすいのは、主に以下の条件を満たす方です。- 比較的若年の方:皮膚にまだ厚みがあり、ハリがある状態。
- 脂肪量が多すぎず少なすぎない方:糸リフトは基本的に脂肪組織に作用するため、顔が極端にふっくらしていて脂肪が多すぎる場合、片側3〜4本程度の糸では十分な効果実感が得られにくいことがあります。逆に、脂肪が少なすぎて皮膚がペラペラで皮膚余りが目立つ方も、糸リフト単独では限界があります。
年代別・原因別アプローチ:シャープなラインを作る核心的治療
土台となる治療(HIFU/RF/糸リフト)を継続しつつ、さらにフェイスラインを劇的に改善するには、年代ごとの主たる原因に合わせた治療が必要です。1. 弱年層・脂肪過多の方へのアプローチ:脂肪吸引と糸リフトの同時施術
若い方のフェイスラインのもたつきが主に顔の脂肪によるものである場合、脂肪吸引が最も適しています。特に頬や顎下の脂肪を吸引することで、理想的な結果が得られます。 この際、糸リフトを併用することが非常に推奨されます。 脂肪吸引と糸リフトの組み合わせのメリット 脂肪吸引は、皮膚と筋肉の間にある脂肪を抜く行為です。これにより、皮膚とその下の組織の間がペラペラになるため、棘のある(コグの)糸を挿入することで、皮膚がピチッと下の組織に密着しやすくなり、タイトなハリが出ます。また、脂肪吸引後は組織が硬く(カチカチに)なり、しばらく糸リフトが入れづらくなるため、効率を考えると同時に行ってしまうのが理想的です。 (脂肪吸引:顎下/頬部/メーラーファット/ジョールファットから脂肪吸引を行う手術です。 料金:165,000円~※料金は変更となる可能がございます リスク・副作用:左右差、凸凹、拘縮、引きつれ、感染、血管損傷や血管塞栓等)2. 中高年層・皮膚余りがある方へのアプローチ:フェイスリフト
中高年の方の場合、最も問題となるのが皮膚の余り(皮膚余剰)です。 この場合、脂肪吸引だけを行うと、脂肪を抜いたことでかえって皮膚の余りが強調され、ブルドッグのようなたるみがさらに悪化してしまう可能性があります。 そのため、中高年の方でフェイスラインをくっきりさせたい場合は、切る治療を考えるべきです。フェイスリフト手術を行いながら脂肪吸引を併用することが、フェイスラインを最もくっきり出す方法です。- フルフェイスリフト:首元までタイトに引き上げたい場合に推奨されます。
手術に抵抗がある方へ:骨格の変化を補う注入治療(ヒアルロン酸・ボトックス)
侵襲性の高い手術に抵抗がある場合、非外科的なアプローチで、フェイスラインの原因の一つである「骨格の萎縮」を補う治療法があります。これは、フェイスラインを物理的に持ち上げるというよりは、輪郭のラインを整える腹荷的な治療です。骨格の萎縮を補うヒアルロン酸注入
加齢により顎周りの骨が痩せ、顎が少し後退(対してくる)している方が多いです。また、たるみによってマリオネットラインの凹凸が目立ちます。- 顎周りへの注入:顎先にヒアルロン酸を注入して少し出すことで、フェイスラインがシャープに整います。
- マリオネットラインへの注入:マリオネットラインの「谷」の部分にヒアルロン酸を注入することで、たるみ自体は変わらなくてもラインがなだらかに見え、もたつきが目立たなくなります。
顎下へのボトックスと組み合わせるメリット
顎の先端にある筋肉(オトガイ筋)にボトックスを注射することで、顎にできる梅干し状のシワ(梅干しジワ)を解消できます。ボトックスは筋肉の動きを止める役割があります。 このボトックスとヒアルロン酸の組み合わせには、以下の相乗効果があります。- ヒアルロン酸の持続性の向上:筋肉の動きが止まるため、注入したヒアルロン酸が長持ちしやすくなります。
- フェイスラインの改善:顎先の筋肉がリラックスすることで、上向きになっていた顎がやや下向きにシュッと下がり、フェイスラインがさらに引き締まって見えます。
まとめ:原因に応じた適切な治療が最重要
すっきりとしたフェイスラインを実現するためには、流行りや単一の治療法に頼るのではなく、たるみ、脂肪、骨格という三つの原因を正しく診断し、適切な治療を組み合わせることが最も重要です。- 万人に共通の土台:HIFU、RF、適切な頻度での糸リフト。
- 弱年層:脂肪吸引 + 糸リフト。
- 中高年層:皮膚余りが顕著な場合はフェイスリフト手術(必要に応じて脂肪吸引併用)。
- 非侵襲的な代替案:ヒアルロン酸とボトックスを組み合わせた注入治療で骨格を整える。
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