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こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
目の下のクマやたるみは、年齢とともに多くの人が抱える悩みの一つです。これらの悩みを根本から解消するために、近年注目を集めているのが「切開ハムラ法」、通称「表ハムラ」と呼ばれる手術です。
この表ハムラは、単なる脂肪取りや脂肪移動に留まらず、目元のシワやたるみまで一気に改善できる、難易度の高いながらも非常に効果的な治療法です。今回は、この表ハムラ法の詳細な適用、手術内容、そして気になるダウンタイムやリスクについて、徹底的に解説します。
(表ハムラ:睫毛下を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させて、凹みのある個所に固定し直します。シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。
料金:506,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等)
1. 表ハムラ法とは?:脂肪、へこみ、シワを同時に改善する唯一の方法
クマ治療の中でも「切開ハムラ法(表ハムラ)」は、目元の「シワ」「脂肪の出っ張り」「へこみ」の全てを一度に改善することを目的とした大掛かりな手術です。
表ハムラ法のメカニズム
従来のクマ治療では、皮膚を一切切らずに脂肪の処理を行います。しかし、目元にすでにシワがある方が脂肪を抜くと、皮膚のたるみが強調され、かえってシワが増えて気になるという結果になりがちです。
表ハムラ法では、この問題を解決するために以下の手順を踏みます。
①切開・アプローチ: 睫毛の生え際から目尻のシワのあたりまで皮膚を切開します。
②脂肪の移動/除去: 目の下の出っ張りの原因となっている脂肪を、へこんでいる部分(ティアトラフ)に移動させて埋め込み、表面を滑らかにします。
③皮膚の引き上げ: 切開した皮膚をピンと引っ張り上げ、余分な皮膚を切除して縫合します。
この手法により、脂肪の出っ張り・へこみが改善するだけでなく、シワがピンと張られ、目元全体が引き締まった印象になります。結果として、わざとらしさがなく、10年から15年前の自然な目元の印象を取り戻すことが期待できます。
難易度の高い繊細な手術
表ハムラ法は、皮膚を引っ張り上げる際の「さじ加減」と「塩梅」が非常に重要であり、経験やセンスが必要とされる、難易度の高い手術です。引っ張りすぎると「垂れ目」になったり(外反)、戻らなくなったりするリスクもあるため、しっかりとした効果を出すためには高度な技術が求められます。
2. 適用となる患者層と手術時間
表ハムラ法の主な適用
この手術の主な適用となるのは、一般的に50歳以上の方とされています。特に、目元の脂肪の出っ張りやへこみだけでなく、シワが目立ってきている方が表ハムラの良い適応となります。
ただし、年齢はあくまで目安であり個人差があります。皮膚の柔らかさや、アトピーなどで目を擦る癖がある方、人種的な要素などにより、40代前半や半ばでシワが目立ち始め、表ハムラが適用になるケースもあります。
また、当院では高齢の方の症例も多く、60代、70代はもちろん、80代の方に対しても手術を実施しています。特に高齢になるほど、皮膚を引っ張り上げる際に「アッカンベー」の状態になりやすくなるため、皮膚の引き上げ具合を控えめにするなど、繊細な調整が必要です。
手術時間と麻酔
表ハムラ法は、目元の手術の中では最も大掛かりな手術の一つであり、手術時間は60分から90分程度と長めです。
患者様が手術中に体力的につらくならないよう、当院では点滴による静脈麻酔を用いて、眠っている間に手術が完了する状態で実施します。
3. ダウンタイムと特有のリスク(外反・結膜浮腫)
ダウンタイムの経過
手術後のダウンタイムは以下の通りです。
期間 | 症状 | 詳細 |
---|---|---|
術後1〜2日 | 腫れがピーク | 最も腫れが出やすい時期です。 |
術後1週間 | 抜糸 | 黄色っぽい内出血やむくみが残っていることが多いです。 |
術後1ヶ月 | 落ち着き始める | 下まぶたの手術のため、内出血は重力に従って下側に溜まりますが、マスクなどで隠せる範囲であることがほとんどです。 |
表ハムラ法特有の主なリスク
皮膚をピンと引き上げる手術であるため、表ハムラ特有の一時的なリスクが伴います。
外反
外反とは、皮膚を引っ張り上げるテンションが下方向にかかることで、一時的に下まぶたが垂れ目になる状態です。
・発生時期: 手術後、2週間から1ヶ月の時期が最も硬く(拘縮)、縮こまりやすいため、一時的に下がりやすくなります。
・回復: この状態は基本的には一時的です。傷が柔らかくなるにつれて元に戻り、ほぼ全ての方が術後1ヶ月から3ヶ月の間で自然に回復します。長引く場合でも3ヶ月から6ヶ月の間で戻ることが確認されています。
・当院では、外反を防ぐための特別な処理を加えているため、外反することは少ないものの、発生した場合でも自然経過を待つのが最も良い治療法とされています。
結膜下浮腫
下まぶたが引っ張られることで、白目の部分(結膜)に摩擦のような刺激が加わり、白目がうるうるしたり、ゼリー状に液体が溜まったりすることがあります。これも外反が収まるにつれて治ってくるケースが大半です。重度の場合には、細い針で水を出したり、炎症を抑えるステロイド点眼液で治療することもあります。
4. 涙袋への影響と同時手術
涙袋は残るのか?
表ハムラ法を検討する方の中には、「涙袋がなくなるのではないか」と懸念される方がいます。
涙袋の真上を切開するため、確かに一時的に少し小さくなることはあるかもしれませんが、涙袋は筋肉組織であるため、形としては基本的には戻ってきます。当院では、筋肉を重ねるような特殊な処理を加えることで、極力涙袋を温存させるよう努めています。
また、そもそも脂肪が出ている方の場合、脂肪に埋もれて涙袋が目立たない状態になっていることが多いため、手術後にへこみが改善し、かえって涙袋が目立ってくるケースもあります。
同時手術の検討
目元を完全にすっきりさせるために、表ハムラ法と上まぶたの手術を同時に行う患者様も多くいます。下まぶただけがピンと張った状態になり、上まぶたにシワが残っていると不自然に見えることがあるためです。
上まぶたの治療としては、「眉下切開(眉下リフト)」や、目の下の傷からアプローチできる「ミッドフェイスリフト」(頬のたるみを糸で引き上げる手術)が同時に行われることがあります。
(眉下切開:眉毛の下で皮膚を切除することにより、上まぶたのたるみを改善する手術です。
料金:275,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:出血、腫れ、糸の露出、感染、後戻り 等)
(ミッドフェイスリフト:皮膚を切開し、余分な筋膜や皮膚を切除することでお顔のたるみが改善されます。
料金:+165,000円(表ハムラのオプション)~※料金は変更となる可能性がございます。切開範囲によっても異なります。
リスク・副作用:出血、腫れ、感染、傷跡、瘢痕、顔面の知覚鈍麻、たるみの後戻り 等)
5. まとめ:症例が物語る確かな効果
表ハムラ法は、目元のシワ、脂肪の出っ張り、へこみの全てを改善できる、非常に効果の高い手術です。特に皮膚のたるみやシワが目立ち始めた50代以降(あるいはシワが気になる40代)にとって、目元を劇的に若返らせる選択肢となり得ます。
当院では、難易度の高い表ハムラ法において、40代から70代、80代に至るまで非常に多くの症例を実施しており、経験に基づいた確かな技術で、術後の外反などのリスクを最小限に抑えつつ、滑らかで自然な目元を実現しています。
クマ治療はトレンドや技術のアップデートが常にあります。ご自身の目元の状態に合わせて、最適な治療法を選ぶためには、豊富な症例実績を持つクリニックでのご相談をおすすめします。