こんにちは!お茶の水美容形成クリニックです。
当院にはアンチエイジングを目的とする患者様が多くいらっしゃいますが、特にたるみ治療は高いニーズがあります。たるみ治療には、ポテンツァのダイヤモンドチップやHIFU(ハイフ)といった気軽な治療から、耳の前をしっかり切って引き上げる大掛かりなフェイスリフト手術まで、多岐にわたる選択肢が存在します。
「どの治療を選んだら良いのか」「価格はどれくらいか」「実際の手術内容はどうなのか」といった疑問をお持ちの患者様も多いかと思います。美容皮膚科の治療から、たるみの劇的な改善が期待できるフェイスリフト手術まで、その種類、適用、そして考慮すべきリスクについて詳しく解説します。
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ポテンツァ内容:表皮に熱損傷を起こすことなく、真皮層に直接熱エネルギーを与え、皮膚のコラーゲン産生を促すことで、お肌の再生していく治療です。
リスク・副作用:発赤、腫脹、内出血、熱感、アレルギー、毛嚢炎、瘡蓋、感染、色素沈着、肝斑悪化等
料金:39,600円~※料金は変更となる可能性がございます。
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ハイフ内容:超音波の熱を、お肌表面にダメージを与えることなく、狙った組織に集中照射して効果を得る治療です。たるみ治療や浅い層へのアプローチにより肌質改善に効果的です。
リスク・副作用:発赤、浮腫、熱傷、内出血、異常感覚等
料金:22,000円~※料金は変更となる可能性がございます。
II. 美容皮膚科によるたるみ治療:肌と脂肪へのアプローチ
顔には様々な層(皮膚、脂肪組織、筋膜、筋肉、骨)がありますが、美容皮膚科で行うたるみ治療は、基本的に顔の表層である皮膚とその下にある脂肪組織の2層に働きかけるものが主流です。もちろん、顔の全ての層に働きかけた方が効果は高いとされています。
1. 皮膚(表層)に働きかける治療
皮膚の引き締めを目的とする治療の代表的なものは、一般にRF(ラジオ波)治療と呼ばれているものです。
• ポテンツァ・ダイヤモンドチップ:肌全体に電気を流し、熱によって皮膚をキュッと縮める治療です。
• その他のRF治療:古くからあるのはサーマクール【当院取り扱いなし】で、RF治療の代表格とされてきました。最近では韓国製のボルニューマ【当院取り扱いなし】も登場しています。
• 他の治療:ピコフラクショナルやフォトフェイシャルでも肌の引き締め効果はありますが、どちらかというと毛穴や小じわ治療といった、より弱いレベルの効果にとどまることが多いです。また、水光注射でマイクロボトックスを打つことでも、少しずつ皮膚を引き締める効果が期待できます。
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フォトフェイシャル内容:IPL(Intense Pulsed Light)という光をお顔全体に照射することで、シミ、くすみ、赤ら顔、小じわ、毛穴開き等を改善する治療です。お悩みに応じてフェルターを選択します。
リスク・副作用:紅斑、腫れ、色素沈着、色素脱失、痒み、毛包周囲の赤み、紫斑、熱傷、肝斑の悪化
料金:13,750円~
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ピコフラクショナル内容:お顔全体にレーザーをフラクショナル照射することで、シワや毛穴、ニキビ痕の改善に効果的です。
リスク・副作用:色素沈着、色素脱失、シミの取り残し・再発、炎症、肝斑の増悪、熱傷等
料金:顔22,000円~
2. 脂肪組織(皮下)に働きかける治療
皮膚の下の脂肪組織に働きかける治療で最も有名なのはHIFU(高密度焦点式超音波)です。
• HIFUの仕組み:超音波を皮下の脂肪組織に集中させ、熱(焼肉を焼くと肉が縮むのと同じ原理)でギュッと組織を縮めます。
• 当院の導入例:当院では、比較的新しい第4世代のHIFUであるウルトラフォーマー3を導入しています。これはアメリカ製の元祖HIFU(ウルセラ)に比べるとマイルドですが、痛みはあってもよく効く機種として知られています。
3. 美容皮膚科と外科の中間に位置する治療
糸リフト(スレッドリフト)は、美容皮膚科と美容外科の中間的な位置づけとなることもあります。
• 種類と作用:当院ではテスリフトやミントリフトなどを導入しています。トゲトゲの糸を皮下の脂肪組織に挿入し、意図的に傷つけることで、治癒過程で組織が硬く引き締まる効果(タイトになる効果)を期待します。これは筋トレで筋肉を傷つけ、回復過程で硬くなる原理と同じです。
• 効果の考え方:糸リフトは「たるみ治療」というよりも、むしろ「たるみ予防」として考えていただく方が適切です。引き上がる力は数ヶ月程度と比較的短いのが特徴です。
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糸リフト内容:神経からアセチルコリンが出るのを抑え、筋肉の過剰な動きや過剰な発汗をわらげる治療です。
リスク・副作用:疼痛、腫れ、内出血、アレルギー、表情に違和感、脱力感、めまい、視力低下、表情の左右差、眼瞼下垂、注射部の内出血、そう痒感等
料金:33,000円~※料金は変更となる可能性がございます。
III. フェイスリフト手術:劇的なたるみ改善
フェイスリフト手術は、美容皮膚科のたるみ治療に比べ、たるみが劇的に改善することが期待できます。これは、たるみの原因となっている余った皮膚を物理的に切除し、縮めることができるためです。
フェイスリフトには様々な種類がありますが、いずれの手術においても、余った皮膚を物理的に引き締めることに加え、さらに深い層から引き上げる工夫が施されます。
1. SMAS層とは何か
ミドルフェイスリフト以上の手術では、しばしばSMAS(スマス)層の処理が行われます。SMASとは、皮膚、脂肪組織のさらに下にある、筋肉の上側にある筋膜のような膜のことです。
皮膚だけではなく、このSMAS層も挙上(引き上げ)することで、より引き上げ効果が強まります。これは、皮膚の下を剥離するだけでなく、SMAS層の下も剥離することで、魚の二枚おろしや三枚おろしのような状態を作り出し、より深い層から効果を高めて引き上げる手法です。このSMASをできるだけ厚く剥離して引き上げた方が、引き上がり効果が良いとされています。
IV. フェイスリフト手術の種類と適用
フェイスリフト手術は、切開する部位や剥離する層、範囲によって種類が異なります。
1. 上顔面のたるみ・しわへのアプローチ
前額リフト
• 適応:おでこのしわ、あるいは眼瞼切開ではまだ目が重いと感じる方。眉間のしわや鼻根部のしわを浅くしたい方にも適用されます。
• 術式:生え際に沿って皮膚を切開する方法と、頭皮を切る方法があります。頭皮を切る方法は効果が弱まったり、髪の毛が薄くなったように見えたりする可能性があるため、当院では生え際で皮膚を切除する方法を採用する場合が多いです。
• リスク:一時的におでこの感覚が鈍くなる(感覚の麻痺)可能性がありますが、これは近く神経(眼窩上神経、滑車上神経)が影響を受けるためで、通常は戻ってきます。表情筋(前頭筋)を傷つけない限り、長期的な知覚障害は出にくいです。
・料金:495,000円~※料金は変更となる可能性がございます
こめかみリフト
• 適応:目尻の小じわ、目尻側の皮膚のかぶり、目の横のたるみを改善したい方。テコの原理でこの部分を引き上げることで、物理的に皮膚が伸ばされます。
• 術式:生え際、または頭皮に沿って切開します。頭皮内に傷を作ると目立たない反面、効果はやや弱まる傾向があります。
• リスク:顔面神経の側頭枝に注意が必要です。この神経を傷つけると、おでこを動かすことができなくなり、眉毛がピタッと止まった状態になり、目が重く感じる可能性があります。この神経は筋膜の上側を走っているため、筋膜の下で剥離・挙上します。
・料金:495,000円~※料金は変更となる可能性がございます
2. 中顔面・下顔面のたるみへのアプローチ
ミニリフト
• 術式:耳の前をちょこっと切開し、余った皮膚だけを取り縮める手術です。
• 効果:多少のハリが出る程度のレベルであり、しっかりとしたリフトアップ効果は期待しにくいです。
・料金:495,000円~※料金は変更となる可能性がございます
ミドルフェイスリフト
• 適応:ブルドッグのように頬がたるんでいる方、マリオネットライン(口元のしわ)が気になる方、フェイスラインのモタつきを改善したい方。
• 術式:もみあげ、耳の前、耳の後ろまで切開し、頬全体を引き上げます。皮下剥離に加えてSMAS剥離と挙上を行うのが一般的で、より高い引き上げ効果を狙います。
• 注意点:法令線(ほうれい線)は距離が遠すぎるため、ミドルフェイスリフトだけではあまり変わりません。法令線を改善したい場合は、上部の脂肪吸引や脂肪注入・ヒアルロン酸注入といった注入治療を併用する必要があります。
• リスク:顔面神経麻痺が最も懸念されます。顔面神経の親玉は耳の前にありますが、通常は切らない深い位置にあります。麻痺が出るとすれば、そこから枝分かれした神経の一部が傷ついたり、SMASを引き上げて固定する際に糸で一緒に締め付けられることによって起こる可能性があります。部分的な麻痺は基本的に戻ってきます。まれに血腫や感染のリスクもあります。血腫予防のため、術後1~2日程度ドレーン(血を抜くための管)を入れます。
・料金:605,000円~ ※料金は変更となる可能性がございます
3. 広範囲・首のたるみへのアプローチ
フルフェイスリフト(ネックリフト併用)
• 適応:たるみが強く、ミドルフェイスリフトだけでは首のしわやモタつきが残ってしまう方。
• 術式:ミドルフェイスリフトの切開線(耳の前から後ろ)に加え、さらに耳の後ろからうなじにかけて横断するように切開し、首まで引き上げる手術です(ネックリフトの併用)。
• 効果:頬だけでなく首まで引き上げるため、最も高いフェイスラインの改善効果が期待できます。手術時間は脂肪吸引などを併用すると7~8時間程度かかることがあります。
• リスク:顔面神経麻痺に加え、耳の後ろを通る知覚神経を傷つけると、頭の横の感覚が分からなくなる可能性があります。この神経は比較的浅いところを走っているため、耳の後ろは皮膚を薄く剥がしながら引き上げます。
ペリカンリフト(中央部の首のたるみ改善)
• 適用:フルフェイスリフトを行っても、首の中央部(顎下)のモタつきが残ってしまう場合。サイドから引っ張るだけでは中央に力が及びにくいためです。
• 術式:顎下をU字型に切開し、余った皮膚を切除して首のしわを改善します。同時に顎下脂肪吸引を併用したり、顎下の筋肉(後頸筋)を縫い縮めたり(後頸筋縛り)、部分的に筋肉を切除して引き締める処置を加えることで、首をタイトにします。
・料金:1,405,000円~ ※料金は変更となる可能性がございます
Extended Deep Plane Facelift
• 適応:主にフルフェイスリフトの際に、法令線までもしっかりと改善させたい場合。
• 術式:従来のフェイスリフトよりも剥離範囲を広げ(エクステンデッド=拡張)、法令線や口元近くまで深く剥離を行います。これにはSMAS層をより広範囲に切開し引き上げることが必要となります。
• 注意点:剥離範囲が広いため、将来的に再手術(やり直し)をする際に、初回のフェイスリフトよりも難しくなる可能性があります。
・料金:1,595,000円~※料金は変更となる可能性がございます
4. 目元からアプローチする治療
ミッドフェイスリフト(表ハムラのオプション)
• 適応:目元から頬のたるみ(頬コケ、頬前面の衰え)が顕著で、法令線の上にお肉が溜まってきている方。
• 術式:耳の前ではなく、まつ毛の下を切開して行います。法令線の少し上ぐらいまで剥離し、頬(ほっぺた)の位置を骨膜下で引き上げて高くします。
• 併用:目の下のたるみ取り手術(表ハムラまたは裏ハムラ)と同時に行うことが多いです。まつ毛の下で物理的に皮膚を切除する表ハムラの方が、より高い効果が期待できます。
・料金:165,000円~ ※料金は変更となる可能性がございます
V. ダウンタイムとリスクの詳細
どのフェイスリフト手術も、効果は大きいですが、術後のダウンタイムとリスクを理解しておくことが重要です。
1. ダウンタイムの経過
• 術後の処置:血腫予防のため、手術で切開した部位にドレーン(血抜きの管)が挿入されます。術後1日目か2日目頃に抜去します。
• 抜糸:術後1週間後に抜糸を行います。
• 内出血と腫れ:抜糸の時期には青紫色の内出血が残っている場合があります。内出血は1~2週間程度で大きく収まりますが、その後もむくみ(腫れ)の状態が続きます。
• 見た目:腫れが引くまでは、顔がむくんでいる程度にしか見えず、むしろハリが出ているように見えることもあります。
• 回復期間:むくみは1ヶ月程度で90%以上が引き、3ヶ月経過すれば完全に引いている状態になります。1ヶ月の時点では、パッと見て手術をしたことが分からない程度になっていることが多いです。
2. 手術における主なリスク
フェイスリフトにおける主要なリスクは以下の通りです。
1. 顔面神経麻痺(運動神経の損傷):ミドルフェイスリフトやフルフェイスリフトの際に、顔の表情筋を動かす顔面神経の枝(側頭枝など)が損傷したり、引き上げ固定の際に糸で締め付けられたりすることで発生する可能性があります。麻痺が出ても、部分的なものであれば基本的に回復が期待できます。
2. 感覚麻痺(知覚神経の損傷):全額リフトではおでこの感覚が鈍くなる可能性が、フルフェイスリフトでは耳の後ろを通る知覚神経が傷つき、頭の横の感覚がなくなる可能性があります。これも多くは一時的なものですが、耳の後ろの知覚神経は比較的浅い層にあるため注意が必要です。
3. 血腫(血液の貯留):顔の剥離層は出血しやすいため、血腫がリスクとして考えられます。術後のドレーン挿入はこのリスクを予防する目的があります。
4. 感染:まれに感染のリスクがあります。
VI. まとめ
特にフェイスリフトは、余剰皮膚の切除とSMAS層の挙上によって、他の治療では得られない大きなリフトアップ効果をもたらします。どの治療がご自身のたるみの状態、および期待する効果に合っているのか、またリスクやダウンタイムを十分に考慮し、医師と相談して治療計画を立てることが重要です。
フェイスリフトについて詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/facelift.html