こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
目元の悩み、特に下まぶたのクマやたるみは、年齢を問わず美容医療の相談が多い領域です。外科的な治療法も多岐にわたり、当院でも様々な種類の治療法を扱っています。
下まぶたのクマやたるみに対する外科的治療には、主に以下のような方法があります。
1. クマ取り(経結膜脱脂など)
2. 裏ハムラ法
3. 表ハムラ法
4. これらの手術に脂肪注入を組み合わせたもの
5. 下まぶたの余剰皮膚切除
これらのうち、特に表ハムラ法や下まぶたの余剰皮膚切除といった「切る」手術については、20代の方に対しては、よほどの状態である場合を除いて、推奨を控えるという方針をとっています。
表ハムラ法と下まぶたの余剰皮膚切除の治療内容
まず、推奨が慎重になるこれらの治療法がどのような手術なのかを説明します。
1. 表ハムラ法
表ハムラ法は、下まぶたのまつ毛の生え際に沿って皮膚を切開し、表側からアプローチする方法です。
手術の目的は、目の下のたるみや出っ張り(脂肪の膨らみ)を平坦にすることです。具体的には、出っ張っている脂肪を凹んでいる部分に移動させて固定します。
表ハムラ:睫毛下を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させて、凹みのある個所に固定し直します。シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。
料金:506,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
2. 下まぶたの余剰皮膚切除
下まぶたの余剰皮膚切除は、ハムラ法のように脂肪を動かす操作は行わず、下まつ毛沿いの皮膚だけを切開し、余分な皮膚を切り取って引っ張り上げることで、皮膚のシワやたるみを改善する手術です。
20代に表ハムラ法や余剰皮膚切除を推奨しない具体的な理由
当院の経験上、下まぶたのたるみ治療を数多く担当させていただきましたが、20代の方に対して表ハムラ法や余剰皮膚切除を適用したケースは、非常にまれです。これまでの実績で、本当に一例ぐらいではないかという印象です。通常はこれらの手術をお勧めしていません。
20代の患者様、特に女性に対してこれらの「切る」手術を推奨しない主な理由としては、以下の点が挙げられます。
理由1:涙袋を犠牲にするリスク
表ハムラ法や下まぶたの余剰皮膚切除では、下まつ毛の生え際を切開します。これは、涙袋のちょうど真下を切ることになり、実質的に涙袋を丸々切ることにつながります。
その結果、涙袋が一時的、あるいは、場合によっては永続的に小さくなってしまう可能性があります。若年層の患者様の場合、涙袋は目元の魅力を構成する重要な要素であるため、涙袋が小さくなったことが、かえって美容上の不満として気になってしまうケースが多いのです。
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下眼瞼余剰皮膚切除:まつげに沿って皮膚切開をすることで、余っている皮膚を切除し、下瞼のシワ、皮膚のたるみを改善することが可能です。
料金:330,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:出血、腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、下斜筋の損傷等
理由2:ダウンタイムの長さと傷跡
皮膚を切開する手術であるため、傷跡は必ず伴います。
傷跡は時間とともに目立たなくなっていくとはいえ、ダウンタイムがあります。抜糸から1週間程度はまだ赤みが残っていることが多く、さらに1〜2ヶ月の単位で見ても、まだ少し赤みが残ることがあります。
この1〜2ヶ月という期間は、若い方にとってはダウンタイムが長く、精神的にもしんどいと感じられる可能性があります。
20代の小ジワ・ちりめんジワへの最適なアプローチ
表ハムラ法や下まぶたの余剰皮膚切除は、40代や50代で、皮膚に溝が深く刻まれてしまったような強いシワに対してはお勧めできます。しかし、20代の方のちりめんジワのレベルであれば、外科的な介入はそこまで必要ないというのが我々の本音です。
20代の軽度な小ジワに対しては、以下の非外科的治療を継続的に行うことで、かなりの改善が見込まれます。
1. タイトニング系のレーザー治療
皮膚を引き締める(タイトニング)ことを目的としたレーザー治療を推奨しています。
• ピコフラクショナルレーザー:肌の質感改善やハリに効果が期待できます。
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内容:お顔全体にレーザーをフラクショナル照射することで、シワや毛穴、ニキビ痕の改善に効果的です。
リスク・副作用:色素沈着、色素脱失、シミの取り残し・再発、炎症、肝斑の増悪、熱傷等
料金:全顔22,000円~※料金は変更となる可能性がございます
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• ハイフシャワー:継続的なタイトニング効果をもたらします。
これらのレーザー治療は、月に一度程度、継続的に受けていただくことで、皮膚のタイトニングが進み、シワが改善に向かいます。
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内容:超音波の熱を、お肌表面にダメージを与えることなく、狙った組織に集中照射して効果を得る治療です。たるみ治療や浅い層へのアプローチにより肌質改善に効果的です。
リスク・副作用:発赤、浮腫、熱傷、内出血、異常感覚等
料金:22,000円~※料金は変更となる可能性がございます
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2. ハリを出す注射
皮膚のハリを回復させるための注射も有効な手段です。
• スネコス注射など、ハリを出す作用を持つ注射を定期的に継続することで、皮膚のハリが改善し、小ジワの緩和が期待できます。
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内容:注射器を用いて注入します。 加齢に伴う組織量の不足を補う、シワ等に直接もしくは周囲に注入すること等で、症状を改善させる効果を期待します。
リスク・副作用:痛み、腫れ、赤み、感染、アレルギー、皮膚の血行障害、視力障害等
料金:1本44,000円~※料金は変更となる可能性がございます
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3. クマ取り後のシワ:まずは時間経過を待つ
クマ取り(脱脂など)の手術後、「シワが強くなった」という相談を受けることがありますが、相談される方の多くは、手術からあまり時間が経っていないことが多いです。
脂肪が取れた直後は、これまで脂肪によって皮膚が突っ張っていた状態から、凹んだせいで一時的にシワが目立つことがありえます。
しかし、若い方の皮膚組織は非常に回復力が高く、通常1〜3ヶ月程度で皮膚が自然に縮んで戻ってきます。
したがって、クマ取り後にシワが出たとしても、ほとんどの場合、時間の問題でかなり良く改善するため、まずは焦らずに経過を待つことが最も確実な解決方法であると言えます。
まとめ:20代のクマ治療は慎重に
今回の解説の通り、20代の下まぶたのクマ・たるみ治療のファーストチョイスは、裏ハムラ法、クマ取り(脱脂)、あるいは脂肪注入といった、皮膚を切開しない、またはリスクが比較的低い方法となります。
表ハムラ法や下まぶたの余剰皮膚切除は、涙袋への影響やダウンタイムの長さ、傷跡のリスクといった点から、20代には極めて稀にしか推奨されない治療法であることをご理解いただければ幸いです。小ジワのレベルであれば、まずは非外科的治療を試みることをお勧めします。
ご自身の状態に最も適した治療を選択するためにも、目元の構造や年齢による変化を理解している専門医に相談し、十分なカウンセリングを受けることが重要です。
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経結膜脱脂:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。
料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
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クマ取り&脂肪注入:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。大腿内側または腹部から脂肪を採取し、目の下/ゴルゴラインに注入しハリを出しシワの改善を行います。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
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裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させ、凹みのある個所に固定し直します。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
クマ治療について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html