こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
「目の下のクマ取り」に興味がある方、あるいは既に治療を受けられた方の中には、「せっかく治療したのに、またクマが再発するんじゃ…?」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、中には「裏ハムラは100%再発する」といった情報を見聞きし、心配になった方もいるかもしれません。今回は、そんなクマ治療の「再発」について、そして治療後のメンテナンス方法について、当院統括医師の吉井健吾医師が詳しく解説していきます。
1. 100%再発しないクマ治療は存在するのか?
結論から申し上げると、「100%再発しないクマ治療」というのは「ない」と言えるでしょう。しかし、これには「どの期間で見るか」という視点が非常に重要になります。
短期的な視点(1年以内、数年以内)
手術後1年以内や数年といった短期間で見た場合、適切な方法でしっかり施術が行われていれば、どんな手術であっても再発することは基本的に稀です。これは、経結膜脱脂、裏ハムラ、クマ取りと脂肪注入のどの方法でも同じことが言えます。要は、「ちゃんとやっているか、いないか」が重要だということですね。
長期的な視点(20年、30年後)
では、20年、30年といった非常に長いスパンで見た場合はどうでしょうか?残念ながら、この先何十年も再発しないと断言することはできません。なぜなら、加齢に伴う変化は避けられないからです。
時間の経過とともに、脂肪が出てきたり、皮膚がたるんだり、頬骨の部分が痩せてくることで、たとえ目の下の部分が大きく出ていなくても、頬が痩せることで相対的にクマが目立つようになることがあります。これらの加齢変化は、個人の生活習慣や遺伝によっても異なり、誰がいつ、どのように変化するかは予測が難しいのです。そのため、患者さんに対して「10年20年先、絶対に大丈夫です」と言い切るのは、最も誠実な答え方とは言えないでしょう。
「どの手術が再発しやすいか」という議論の難しさ
美容医療の現場では、「裏ハムラの方が再発しやすい」「いや、クマ取りと脂肪注入の方が再発しやすい」といった様々な意見が聞かれます。しかし、正確に比較するデータを得ることは非常に困難だとされています。
なぜなら、厳密な比較をするためには、同じ人に異なる手術をランダムに実施し、その再発率を何百件も検証する必要があるため、現実的に不可能なのです。また、手術を行う医師側にも「裏ハムラを推したい」「クマ取りを推したい」といった思いがあるため、無意識のうちに自分の得意な手術をしっかり行い、そうでない手術を中途半端に仕上げてしまう可能性もゼロではありません。
このため、「どちらの術式が再発しやすいか」という議論自体がナンセンスであるとされています。大切なのは、どの術式を選んだとしても、医師がその術式を熟知し、適切かつ丁寧に行うことです。
2. クマ治療後のメンテナンスで「再発を先延ばし」にする!
「じゃあ結局、手術をしてもまた再発するなら意味がないのでは?」と思われるかもしれませんね。しかし、ご安心ください。適切なメンテナンスを行うことで、再発を大幅に先延ばしにすることが可能です。
手術はあくまで「一度リセットする」ためのもの。特に目元は皮膚が弱くデリケートな部位ですから、何もしなければ加齢による変化がすぐに現れてしまいます。クマの再発だけでなく、皮膚のたるみやシワといった新たな悩みが浮上することもあります。
では、具体的にどのようなメンテナンスを行えば良いのでしょうか?
お家でできるセルフケアの3つのポイント
日々の生活の中で、ご自身で心がけていただけることは以下の3つです。
- 【適度な保湿】
- 乾燥はシワの原因になります。目の周りの皮膚は薄く乾燥しやすいため、常に適度な保湿を心がけましょう。
- 【日焼け予防】
- 紫外線は、皮膚の老化だけでなく、目の奥の脂肪を覆っている「眼窩隔膜(がんかかくまく)」を弱くする原因になると言われています。眼窩隔膜が弱くなると、脂肪が再び前に出てきやすくなるため、紫外線対策は非常に重要です。日焼け止めやUVカットの眼鏡などを活用しましょう。
- 【目をこすらない】
- これは最も重要なポイントかもしれません。目をこすることは、皮膚を伸ばしてシワを作る原因になります。また、脂肪を支える眼窩隔膜も、こすることで伸びて緩んでしまい、結果的に脂肪が再び出てくる原因となります。
- 特に、脂肪注入を行った後は、術後1ヶ月間は注入した脂肪が潰れてしまう可能性があるため、絶対にこすらないように注意が必要です。ダウンタイムが明けて脂肪が定着した後も、習慣的に目をこするのは避けるべきです。
これらの3つのポイントは、ご自宅で手軽に実践できる大切なケアです。
クリニックでできるメンテナンス治療
ご自宅でのケアに加えて、美容クリニックで定期的なメンテナンス治療を受けることで、目元の皮膚をより「タイト」に保ち、加齢による変化を遅らせることができます。特に、皮膚を引き締める美容皮膚科的な治療は、相乗効果が高いとされています。
- 【皮膚引き締め治療】
- ピコフラクショナルレーザー:皮膚の表面を整え、引き締める効果が期待できます。
- HIFUシャワー(浅層ハイフ):皮膚の浅い層に熱を加え、たるみを引き締めます。
- ポテンツァ:マイクロニードルと高周波を組み合わせ、肌の再生を促し、タイトニング効果を高めます。 これらの治療を目の周りに行うことで、皮膚のハリを保つことができます。
- 【注入剤による治療】
- スネコスやリジュラン:これらは、直接注射で皮膚に有効成分を注入することで、肌のハリや弾力を改善する治療です。患者さんにとっては注射の痛みが伴うため、やや使い勝手が悪いと感じる方もいるかもしれませんが、何もしないよりは効果が期待できます。
これらのレーザー治療や注入剤によるメンテナンスケアは、術後3ヶ月頃から始めていただくのがちょうど良いとされています。
まとめ
目の下のクマ治療は、短期的には適切な施術によって高い効果が期待できますが、20年、30年といった長期的な視点では、加齢に伴う変化により再発のように見える症状が現れる可能性があります。しかし、これは治療が無意味だということではありません。
治療はあくまでスタートラインであり、その後も継続的なメンテナンスを行うことで、若々しい目元を長く保ち、加齢による変化を大幅に先延ばしにすることができます。
今回ご紹介した「保湿」「日焼け予防」「こすらない」という自宅でのケアに加え、クリニックでの定期的な皮膚引き締め治療や注入治療を組み合わせることで、理想の目元を維持していくことが可能です。
クマ治療は「やりっぱなし」ではなく、「治療後も美しさを育んでいく」という意識が大切なのですね。
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