こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
今回は、当院で最も人気の治療の一つである目の下のクマ・へこみに対する「注入治療」について、その種類と特徴を詳しく解説していきます。目の下の悩みは多岐にわたり、一言で「へこみ」と言っても、その範囲や深さによって最適な治療法は異なります。また、クマの種類(青クマ、黒クマなど)によってもアプローチが変わってきます。
注入治療の主な種類 目の下の注入治療には、大きく分けて外科的治療と皮膚科的治療があります。
- 【外科的治療】主に脂肪注入がこれにあたります。
- 【皮膚科的治療】ヒアルロン酸、ベビーコラーゲン、エランセ(コラーゲンブースター)などが一般的です。
- 【肌質改善系】へこみ自体を改善するわけではありませんが、ハリ感や小ジワを改善する目的でスネコスやリジュランといった肌質改善注射もあります。
それぞれの注入剤にはメリット・デメリットがあり、患者様のご要望や状態に合わせて使い分けることが重要です。
1. 自然な仕上がりと長期持続を叶える「脂肪注入」
脂肪注入は、外科的な注入治療の中で最も多く行われる方法です。目の下の出っ張り(眼窩脂肪の突出)を解消するクマ取り手術と組み合わせて行われることも多く、出っ張りの下のへこみや、広範囲にわたる頬のたるみによるへこみにも適しています。
脂肪注入のメリット
- 馴染みやすさ: 自分の脂肪を注入するため、組織への馴染みが非常に良いです。
- 広範囲への注入: 太ももなどから十分な量の脂肪を採取できるため、目のすぐ下から頬にかけて広範囲にわたって注入が可能です。
- 長期持続: 一度定着した脂肪は半永久的に持続すると言われています。術後3ヶ月程度で定着量が決まり、例えば10cc注入した場合、約4~5ccが残り、その残った分は非常に長持ちします。
脂肪注入のデメリットと対策
- 定着率の個人差: 注入した脂肪の一部は吸収されるため、最終的な定着量には個人差があります。年齢、肌質、喫煙習慣、目を擦る癖などが影響することがあります。定着しにくい方でも、1~2回の再注入で十分に効果を実感できることが多いです。
- しこりのリスク: 採取した脂肪をそのまま注入すると、しこりになるリスクがあります。
- 対策: 当院では、採取した脂肪を遠心分離にかけて血液や麻酔液を除去し、さらに特殊なフィルターで細かく砕くことで、非常に滑らかな状態に加工しています。これにより、しこりができるリスクを極力抑えています。
- ダウンタイム: 比較的小さな手術ではありますが、1週間程度のダウンタイムが生じることがあります。
年齢層への適応
一般的に高齢になるほど脂肪は定着しにくいと言われますが、50代から60代前半の方には意外と脂肪注入が向いているケースが多いです。これは、脂肪が圧力に弱く、柔らかい組織に定着しやすい性質があるためです。高齢になると顔周りの組織が柔らかくなるため、脂肪が圧迫されずに残りやすい傾向があると考えられています。
2. 手軽さが魅力の一方で注意が必要な「ヒアルロン酸」
ヒアルロン酸注入は、手軽に行える点が最大の魅力です。
ヒアルロン酸のメリット
- 手軽さ: 注入にかかる時間は10~15分程度で日帰り可能、ダウンタイムもほとんどありません。
- 修正可能性: もし仕上がりが気に入らなかった場合でも、「ヒアルロニダーゼ」という溶解剤で溶かすことができるため、お試し感覚で施術を受けやすいです。
ヒアルロン酸のデメリット
特に目のすぐ下への注入には限界があり、以下の2つの現象に注意が必要です。
- チンダル現象: ヒアルロン酸は透明なため、目のすぐ下の薄い皮膚から、その下にある青い筋肉が透けて見え、不自然な青っぽい色に見えることがあります。これが「チンダル現象」です。
- むくみ・不自然さ: ヒアルロン酸は時間の経過とともにスポンジのように水分を吸収し、むくんでくる傾向があります。特に皮膚の薄い目の下では、ヒアルロン酸が浮いて見え、不自然さが増すことがあります。
- 持続期間とメンテナンス: 長期的に効果を維持したい場合は、チンダル現象やむくみが目立つ前に、半年~1年ごとに溶解剤で溶かして再注入を繰り返す必要があります。
医師の間でも目の下へのヒアルロン酸注入については意見が分かれがちですが、ダウンタイムを避けたい方や、まずは試してみたいという方には良い選択肢となることもあります。
3. 自然な色合いで微調整にも活躍する「ベビーコラーゲン」
ベビーコラーゲンは、ヒアルロン酸よりも古くからある人由来のコラーゲン注入剤です。最近再び注目を集めています。
ベビーコラーゲンのメリット
- 馴染みやすさとチンダル現象の回避: 白色をしているため、透明なヒアルロン酸と異なりチンダル現象が起きません。青クマも肌色っぽく遮られるため、非常に馴染みやすい自然な仕上がりが期待できます。
- 安全性: 人由来のコラーゲンであるため、アレルギー反応のリスクが低いです。
- 小ジワ改善: 余ったコラーゲンを細かい針で小ジワに沿って浅く注入することで、小ジワの改善にも効果が期待できます。この効果は比較的長持ちすると言われています。
ベビーコラーゲンのデメリット
- 持続期間の短さ: 基本的に効果の持続期間は3ヶ月~6ヶ月程度と短いです。
- 大量注入に不向き: 大量に注入してもすぐに流れやすい性質があります。
適応
目のすぐ下の、比較的軽度な「八の字」状のへこみや、クマ取り手術後のわずかなへこみの微調整に適しています。近年、製造・供給が再開されたことや、他の注入剤のデメリットが明らかになる中で、不可逆的なリスクが少ないコラーゲンが再評価されています。
4. 長期持続と馴染みやすさを両立する「エランセ(コラーゲンブースター)」
エランセは、「コラーゲンブースター」とも呼ばれる注入剤で、外科手術で用いられる溶ける糸を液状化したものです。
エランセのメリット
- 馴染みやすい白色: ベビーコラーゲンと同様に白色をしているため、目の下への注入でも馴染みやすく、チンダル現象の心配がありません。
- 長期持続: コラーゲンとは異なり、2年~3年と長期間効果が持続します。
エランセのデメリットと対策
- しこりのリスク: 大量を一度に注入すると、しこりができやすい傾向があります。
- 対策: 当院では、一度に大量に注入せず、片側0.1cc前後と少量ずつ注入するようにしています。
- アレルギー反応のリスク: エランセは体内に元々存在しない異物であるため、アレルギー反応を起こす可能性があります。
- 対策: 最初にごく少量(予防接種のように)注入し、2週間後にアレルギー反応がないことを確認してから本格的な注入を行います。
- 修正の難しさ: しこりができた場合、ヒアルロン酸のように溶解剤で溶かすことができません。ステロイド注射(ケナコルト)で小さくするか、脂肪注入と同様に外科的に除去する必要があります。
治療の選択は「あなた」のニーズに合わせて
これまでご紹介したように、目の下の注入治療には様々な種類があり、それぞれに特性があります。
- 半永久的な効果と確実な改善を求めるなら: 脂肪注入がおすすめです。
- 手軽さや試しやすいさを重視するなら: ヒアルロン酸が良いでしょう。
- ダウンタイムを避けつつ、軽度なへこみを自然に改善したいなら: ベビーコラーゲンが適しています。
- 外科的治療は避けたいけれど、長期的な効果を期待するなら: エランセも選択肢の一つです。
患者様一人ひとりの目の下の状態、年齢、生活習慣、そして「どのような仕上がりを望むか」「どこまでダウンタイムを許容できるか」といったご要望をしっかりとカウンセリングで伺い、最適な治療法をご提案させていただきます。
どんな治療も「やりよう」次第で美しく仕上がりますし、逆に適切に行わなければリスクが目立ってしまいます。当院では、それぞれの注入剤の特性を最大限に活かし、安全かつ効果的な治療を追求しています。
目の下のクマやへこみでお悩みの方は、ぜひ一度LINEからご相談ください。
詳しくはこちらをご覧ください:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html