こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
今回は、美容医療の中でも特に注目を集めているクマ治療について、そしてその際に時折耳にする「ミッドフェイスリフト」の必要性について、お茶の水美容形成クリニックの吉井医師の見解を元に深掘りしていきます。
近年、クマ治療は美容医療の人気手術として多くの関心を集めています。患者様の美容に対する意識は年々高まっており、以前はあまり知られていなかったミッドフェイスリフトについても、今では多くの患者様が情報収集をされていると感じます。しかし、このミッドフェイスリフトは、本当に誰もが必要とする手術なのでしょうか?その適用から限界、そして代替案まで、当院統括医師の吉井健吾医師が詳しく解説していきます。
ミッドフェイスリフトとは?どんな人に向いているの?
ミッドフェイスリフトとは、具体的にどのような手術で、どのような方に適しているのでしょうか。
ミッドフェイスリフトは、ハムラクマ治療と組み合わせて行われることが多い手術です。その理由は、単純に同じ傷口から手術を行えるためです。特に、目の下の傷は何度も開けたくないという思いがあり、複数回切開すると外反(まぶたが外側にめくれる状態)のリスクが高まるため、同じ傷からついでにミッドフェイスリフトも行うというケースが多いとされています。
この手術は、本来のハムラやクマ治療よりも剥離範囲を広げるのが特徴です。特に、表側から行う場合は、法令線の上あたりまで剥離範囲を広げます。
ミッドフェイスリフトの主な適用となるのは、以下のようなお悩みを持つ方々です。
• 法令線の上にお肉が乗っかって目立つ方:年齢とともに頬が下垂し、法令線の上にたるんだお肉がもたつき、ほうれい線が強調されて見えるケースです。
• 頬が下垂し、頬前面のボリュームが少ない方:頬のたるみによって、ゴルゴラインが気になる方です。
• 全体的に頬のやつれが気になる方:頬が下垂したことで、顔全体に疲れた印象ややつれた印象を与える方です。
年代的には、40代から50代の方に適用されることが多いとされていますが、一概には言えません。30代の方でも、ゴルゴラインが強く目立ったり、頬のお肉が下垂して法令線の上にもたつきが見られる場合は、適用となることがあります。つまり、年齢だけでなく、お顔の状態に応じた判断が重要となります。
表ハムラ vs 裏ハムラ:ミッドフェイスリフトの効果の違い
ミッドフェイスリフトは、クマ治療の切開方法である「表ハムラ」と「裏ハムラ」のどちらと組み合わせるかによって、効果やリスクが異なります。
• 表側(表ハムラ)からのミッドフェイスリフト
◦ 表側からの手術では、しっかりとした引き上げ効果が期待できます。視野が確保しやすいため、剥離範囲を広げやすく、より広範囲のたるみに対応できる利点があります。
◦ しかし、剥離範囲が広くなる分、術後の固定が不十分だったりすると、外反のリスクが高まる可能性も指摘されています。
• 裏側(裏ハムラ)からのミッドフェイスリフト
◦ 裏側からの手術は、視野が非常に狭いという制約があります。そのため、剥離範囲に限界があり、後戻りがしやすく、引き上がりも限定的になりがちです。
◦ SNSやクリニックのホームページなどで見られる症例写真でも、裏ハムラと組み合わせたミッドフェイスリフトの引き上げ効果は、「やや弱い」「限界がある」と感じるケースも少なくないと思います。
ミッドフェイスリフトの限界と、より効果的な代替案
ミッドフェイスリフトは、特定のケースで有効な手術ですが、万能ではありません。特に、以下のような限界や、より効果的な代替案が存在します。
• 後戻りの可能性
◦ 特に裏側からのミッドフェイスリフトの場合、後戻りしやすいという特徴があります。せっかく手術を受けても、効果が長続きしない可能性も考慮する必要があります。
• ゴルゴラインの凹みへの効果の限界
◦ ゴルゴラインの凹みが強い場合、ミッドフェイスリフトを行っても、凹み自体が残ってしまうことがあります。これは、ミッドフェイスリフトが主に「頬のお肉部分」を引き上げる手術であり、頬のお肉自体が痩せてボリュームが少ない場合は、凹みを完全に解消できないためです。
これらの限界に対して、吉井医師は「注入治療」を主要な代替案として挙げています。
• 脂肪注入
◦ ゴルゴラインの凹みや、頬のくぼみが気になる場合、脂肪注入は非常に有効な手段です。
◦ ミッドフェイスリフトの場合、術後の腫れや傷が落ち着いてから、改めて凹みが気になる部分に注入を検討することもあります。しかし、それならば最初から脂肪注入を行っておいた方が、結果的に早く改善が見られる可能性もあります。
◦ 吉井医師のクリニックでは、ミッドフェイスリフトよりも脂肪注入を行う頻度の方が高いとのことです。
• 脂肪吸引
◦ 唯一ミッドフェイスリフトが有効とされるケースとして、「法令線より上側のお肉のもたつき」を浅くするために引き上げる、という点が挙げられます。
◦ しかし、このもたつきに対しても、お肉を吸引して削ってあげるという方法も十分に代替案として考えられます。
つまり、多くのケースにおいて、ミッドフェイスリフトの効果を脂肪注入や脂肪吸引で代替できる可能性が高く、特にゴルゴラインの凹みに対しては注入治療の方が直接的かつ効果的なアプローチとなり得ると考えられます。
ミッドフェイスリフトに伴うリスクとダウンタイム
どんな手術にもリスクは伴いますが、ミッドフェイスリフトでは特に以下の点に注意が必要です。
• 剥離範囲の拡大に伴うリスク
◦ ミッドフェイスリフトは剥離範囲が広くなるため、それに伴い癒着(組織がくっつくこと)や拘縮(つっぱり感)、感覚が鈍くなるといった症状が現れる可能性があります。
◦ これらの症状が治まるまでに時間がかかる、つまりダウンタイムが長引く傾向にあることも理解しておく必要があります。これは表側・裏側のどちらからの手術でも同様です。
• 外反のリスク(特に表側からの手術の場合)
◦ 表側からのミッドフェイスリフトでは、術後の固定が非常に重要になります。もし固定が緩んでしまったりすると、剥離範囲が広い分、通常の表ハムラよりも派手に外反してしまう可能性もゼロではありません。
ミッドフェイスリフトは「アップセル」なのか?
美容医療の業界では、特定の施術を顧客に推奨する際に「アップセル」の側面があるのではないか、と警戒されることがあります。ミッドフェイスリフトも、その一つとして見られることがあります。
• 過去のアップセル事例
◦ かつて、クマ取りと脂肪注入が流行していた時期には、「クマ取りと脂肪注入のつもりで行ったら、顔全体の脂肪注入まで提案され、気づけば100万円くらいになっていた」という口コミが聞かれました。これは、施術部位を増やすことで客単価を上げる、典型的なアップセルの手法でした。
• ハムラ治療の普及と新たなアップセル
◦ 近年、脂肪注入や脂肪吸引を避けたいという理由から「ハムラ法」が人気を集めています。しかし、ハムラ法は単独ではアップセルにつながりにくいため、クリニックによっては別のアップセル方法を模索する動きも見られるようです。
◦ その一つが、ミッドフェイスリフトをハムラと組み合わせるという提案です。また、最近では「涙袋形成」をクマ治療と同時に勧めるクリニックも増えていると言われています。しかし、クマ取りをすると涙袋が目立つようになるため、わざわざ涙袋を作る必要がないケースもある、と吉井医師は疑問を呈しています。
• 「全員に当然のように勧める」場合は注意が必要
◦ 吉井医師は、個々の症例や患者様の状態に応じて必要と判断された場合にミッドフェイスリフトを提案するのは良いことだと考えています。
◦ しかし、「ほとんど全員に当然のようにミッドフェイスリフトを付け加える」ようなクリニックの方針が見られる場合、それはアップセルの一種である可能性が高い、と警告しています。特に、クマ治療しか行わないクリニックで、ミッドフェイスリフトが唯一のアップセル手段となっているような場合は、注意が必要です。
まとめ
クマ治療におけるミッドフェイスリフトは、特定の症状や年代の方には有効な選択肢となり得ます。特に、法令線上のたるみや、頬のたるみによって生じるゴルゴラインに悩む方にとっては、検討する価値のある手術です。
しかし、裏側からの手術では効果が限定的であること、後戻りのリスクがあること、そして脂肪注入や脂肪吸引といった代替案でも、同様かそれ以上の効果が期待できるケースが多いことも忘れてはなりません。
手術にはダウンタイムの延長や、外反などのリスクも伴います。そのため、ご自身の状態に本当にミッドフェイスリフトが必要なのか、代替案はないのかを、信頼できる医師と十分に話し合い、納得した上で治療を選択することが非常に重要です。
患者様の美容医療への知識と意識が高まっている今、医師任せにするだけでなく、ご自身でしっかり情報収集を行い、疑問点は積極的に質問することが、後悔のない治療選択につながるでしょう。
この情報が、皆様の賢い美容医療選択の一助となれば幸いです。
ミッドフェイスリフトについて、詳しくはこちらをご覧ください:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/tarumi_bottom.html