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フェイスリフトをご検討中の患者様の中には、「高額な費用をかけても、結局元に戻ってしまうのでは?」といった不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、外科的な手術であるフェイスリフトは、費用もダウンタイムも決して小さくありません。しかし、その効果はたるみ治療の中でも非常に強力です。
今回は、お茶の水美容形成クリニックの吉井医師と藤中医師が、フェイスリフトの「後戻り」に関する実際のところや、最新のトレンド、効果を最大化するためのアプローチについて、美容外科医の視点から詳しく解説します。
フェイスリフトは「後戻り」する?そのメカニズムと効果について
「フェイスリフトは、手術直後の状態を10とすると、時間の経過とともに5くらいは戻る可能性がある」と私たちは考えています。この「後戻り」という言葉を聞くと不安に感じるかもしれませんが、これは手術直後の腫れやむくみが完全に引いた後に、組織が自然な状態に落ち着く過程も含まれます。
手術直後は、組織が大きく剥離され、強く引き上げられることで、かなり「パンパンに腫れた状態」になります。これが数週間から数ヶ月かけて徐々に落ち着き、約半年後には自然な仕上がりになるため、「元に戻ってしまった」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、たるみが全く改善されていないわけではありません。
もちろん、元の状態や皮膚の弾力性、年齢によっても「後戻り」の程度には個人差があります。例えば、40代〜50代前半の方であれば、皮膚のコラーゲンやエラスチンがまだ豊富で弾力性があるため、手術による引き上げ効果が長持ちしやすい傾向にあります。一方で、70代後半から80代のような超高齢の方の場合、皮膚自体のテンションが緩んでしまっているため、より後戻りが強く出やすいという側面もあります。
フェイスリフトは、たるみ治療において、糸リフトやHIFUといった非外科的治療に比べて最も強力な効果が期待できる治療法の一つです。適切な術式と医師の技量によって、長期間にわたる若々しい印象を保つことが可能です。
フェイスリフトのトレンド変遷:なぜ新たな術式が生まれるのか?
フェイスリフトの術式には流行り廃りがあり、様々な方法が登場しては消えていく歴史があります。これは、より良い結果を求めて医師たちが日々研究し、改良を重ねているためです。
ディーププレーンフェイスリフト(DPFL)の流行と議論
一時期、「ディーププレーンフェイスリフト」という術式が注目を集めました。これは、皮膚だけでなくその下にあるSMAS(Superficial Musculoaponeurotic System:表情筋と皮膚をつなぐ膜組織)層の深い部分から剥離し、組織全体を引き上げることで、より強力かつ自然なリフトアップ効果を目指すものです。
しかし、美容外科分野で権威のあるPRS(Plastic and Reconstructive Surgery)ジャーナルに「ディーププレーンフェイスリフトと、より浅い層を剥離するSMASリフトとで、効果に大きな差はないのではないか」という内容のシステマティックレビュー※が報告されたことがありました。
※システマティックレビュー:特定の医療テーマに関する複数の研究論文を網羅的に収集・分析し、客観的に評価する研究手法。エビデンスレベル(科学的根拠の信頼性)が高いとされます。
この報告は「ディーププレーンフェイスリフトは意味がない」という誤解を招き、日本の美容外科医の中にも「ディーププレーンはやめよう」という意見が出たほどです。しかし、そもそも論文の内容が常に絶対的に正しいとは限りません。特に臨床レベルでの手術方法の比較は非常に難しく、例えば「同じ人に異なる術式を比較する」ことは不可能であり、左右差も考慮しなければなりません。
また、「ディーププレーンフェイスリフト」と一言で言っても、その術式には非常に多くのバリエーションが存在します。これらの多様な術式を「ディーププレーンフェイスリフト」という一括りにして議論すること自体に、信頼性の欠ける部分があったことも否めません。
高侵襲型「Extended deep plane facelift 」の挑戦と限界
ディーププレーンフェイスリフトの流行の中で、「エクステンデッドディーププレーンフェイスリフト」という、剥離範囲を広げることで、より強力な引き上げ効果を目指す術式も登場しました。一時的には「究極のフェイスリフト」として注目されましたが、最近ではあまり聞かれなくなってきています。
この術式は、皮膚を広く剥離するだけでなく、その下のSMAS層も奥深くまで剥離するため、SMASが非常に薄くなり、引っ張っても期待通りの効果が得られにくいという指摘がありました。また、広範囲な剥離は高難易度であるだけでなく、以下のような患者様への負担が大きくなるという課題がありました。
- ダウンタイムの長期化
- 顔面神経麻痺のリスク上昇
- 手術時間の延長
こうしたことから、「高侵襲な手術が本当に患者様にとってベストなのか」という疑問が生まれ、より負担の少ない術式への回帰が起こり始めました。
最新のトレンド「プレザベーションフェイスリフト」とは?
エクステンデッドディーププレーンフェイスリフトのような高侵襲な術式から、患者様への負担を軽減しつつ効果を追求する「低侵襲」への揺り戻しとして、近年注目されているのが「プレザベーションフェイスリフト」です。
従来のディーププレーンフェイスリフトが、皮膚をベラッと剥がし、その下のSMAS層もベラッと剥がしてそれぞれを引き上げるのに対し、プレザベーションフェイスリフトは、皮膚とSMAS層をできるだけ分離させず、一体にして引き上げることをコンセプトとしています。
この術式は、以下のような理論上のメリットがあると考えられています。
- 出血の抑制:組織の剥離が少ないため、出血を抑えられます。
- 回復時間の短縮:出血が少ない分、ダウンタイムも比較的短くなる可能性があります。
- 痺れの軽減:神経損傷のリスクが低減され、術後の痺れが少なくなる可能性があります。
- 血流の温存:皮膚への血流が保たれることで、皮膚の健康状態が維持されやすいと考えられます。
実際に当院も、このプレザベーションフェイスリフトの概念をいち早く取り入れ、施術を行っています。組織の間の剥離を最小限に抑えることで、出血やダウンタイムの軽減を目指しています。
ただし、プレザベーションフェイスリフトは比較的新しい概念であり、長期的な効果や安全性については、さらなる検証が必要であるというのが、現時点での専門家の共通認識です。しかし、海外では著名な医師が積極的に発信していることもあり、短時間で施術できるという医師側のメリットもあり、流行の兆しを見せています。
より確実な効果を追求するなら:複合的なアプローチ
フェイスリフトの効果を最大限に引き出し、より洗練されたフェイスラインを形成するためには、単一の術式に留まらず、複合的なアプローチが有効です。
当院のフェイスリフトと「ペリカンリフト」の組み合わせ
当院では、フェイスラインの引き締め効果をさらに高めるために、フェイスリフトと同時に「ペリカンリフト」を組み合わせることを推奨しています。
ペリカンリフトは、顎下から首にかけてのたるみやラインの改善に特化した術式です。具体的には、以下の処置を組み合わせることで、首と顎の境界をシャープにし、フェイスリフトで引き上げたラインをより際立たせます。
- 広頚筋(こうけいきん)の処理:首の縦ジワの原因となる筋肉を引き締めます。
- 顎下腺(がくかせん)や唾液腺(だえきせん)の部分切除:顎下の膨らみの原因となる腺組織を減量します。
- 頸筋下の筋肉の切除:より深部のボリュームを減らし、シャープなラインを形成します。
プレザベーションフェイスリフトのコンセプトである「皮膚の血流温存」を重視するため、当院では脂肪吸引を積極的に行うことはありません。あくまで、筋肉や腺組織の処理によって、根本的なボリューム減量と引き締めを目指します。
海外のフェイスリフト事情と組み合わせ治療
海外、特に美容医療の最先端とされる欧米のクリニックでは、フェイスリフトは「トータルアンチエイジング」の一環として行われることが一般的です。
例えば、ビバリーヒルズなどの高級クリニックでは、フェイスリフト単体で2000万円を超える費用がかかることも珍しくありません。この費用には、フェイスリフトだけでなく、脂肪注入によるボリュームアップや、目周りのたるみ取り(裏ハムラ法※やこめかみリフト※など)も含まれることが多く、一日をかけて全身の若返りを行うイメージです。
※裏ハムラ法:下まぶたの裏側からアプローチし、たるみの原因となる眼窩脂肪を移動・固定して目の下の凹凸を改善する術式。
※こめかみリフト:こめかみ部分の皮膚を切開・剥離し、引き上げることで、眉尻や目尻のたるみを改善する術式。
ただし、日本人と白人では骨格や皮膚の厚み、筋肉の構造が異なるため、術式をそのまま適用することはできません。例えば、白人では下まぶたの皮膚を大きく切除することがありますが、日本人の場合、目の下の皮膚のテンションが弱いため、同じように切除すると、かえって突っ張り感や後戻りが出やすい傾向にあります。そのため、日本人に適した細やかな調整が必要です。
結局、どのフェイスリフトが効果的?
ディーププレーンフェイスリフト、プレザベーションフェイスリフト、あるいはシンプルな皮膚の引き上げのみを行うフェイスリフトなど、様々な術式がありますが、それぞれに一定の効果が期待できます。
最も重要なのは、患者様一人ひとりのたるみの状態、皮膚の厚みや弾力性、骨格、そして期待する効果に合わせて術式を経験豊富な医師が選択し、精度の高い手術を行うことです。
たるみ治療の選択肢は増えていますが、HIFU(高密度焦点式超音波)や糸リフトといった非外科的・低侵襲な治療と比較して、フェイスリフトは最も協力なリフトアップ効果と、長期的な持続効果が期待できる治療法であることに変わりはありません。
手術方法のトレンドは常に変化し続けていますが、基本的なたるみへのアプローチや、患者様にご満足いただくための医師の技術と経験が、何よりも重要であると私たちは考えています。どの術式がご自身に適しているかについては、ぜひ専門医にご相談ください。
フェイスリフトは、単に顔のたるみを取るだけでなく、自信と若々しさを取り戻すための大切な一歩です。当院では、患者様のお悩みやご希望を丁寧に伺い、最新の知見と確かな技術で、お一人おひとりに適切な治療プランをご提案いたします。安心してご相談いただけるよう、スタッフ一同、心よりお待ちしております。
料金
| 施術内容 | 料金(税込) |
|---|---|
| 前額リフト | 550,000円 |
| こめかみリフト | 550,000円 |
| MACSリフト | 550,000円 |
| 拡大MACSリフト | 770,000円 |
| ミニリフト | 550,000円 |
| ミドルフェイスリフト | 825,000円 |
| フルフェイスリフト | 1,210,000円 |
| Extended Deep Plane Facelift | 1,760,000円 |
| ネックリフト | 660,000円 |
| ペリカンリフト | 550,000円 |
| ミッドフェイスリフト 表ハムラのオプション | +220,000円 |
※表示価格は税込です。最新・詳細の料金は下記の料金ページをご確認ください。
美容皮膚科・各種施術の料金
リスク・副作用
主なリスク・副作用:出血、腫れ、感染、傷跡、瘢痕、顔面の知覚鈍麻、たるみの後戻り等
※本記事の施術は自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があり、
すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
リスク・副作用や費用の詳細は、医師の診察時に必ずご確認ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q. フェイスリフトは時間が経つと「後戻り」すると聞きましたが、本当ですか?
A. 手術直後の状態から、腫れやむくみが完全に引いて組織が自然な状態に落ち着く過程で「後戻り」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これはたるみが全く改善されていないわけではありません。元の状態や年齢、皮膚の弾力性によって個人差がありますが、適切な術式と医師の技量によって長期的な若々しい印象が期待できます。
Q. フェイスリフトの効果はどのくらい持続しますか?また、HIFUや糸リフトとの違いも教えてください。
A. フェイスリフトの効果の持続期間には個人差がありますが、たるみ治療の中では最も強力なリフトアップ効果と、長期的な持続効果が期待できる治療法の一つです。HIFU(高密度焦点式超音波)や糸リフトといった非外科的・低侵襲な治療と比較して、フェイスリフトはより根本的なたるみの改善を目指すことができます。
Q. フェイスリフトには様々な術式があると聞きました。どのような種類があり、自分に合った術式はどのように選べば良いでしょうか?
A. ディーププレーンフェイスリフトや、近年注目されているプレザベーションフェイスリフトなど、様々な術式が存在し、それぞれアプローチ方法が異なります。患者様一人ひとりのたるみの状態、皮膚の厚みや弾力性、骨格、そして期待する効果に合わせて、経験豊富な医師が最適な術式を選択し、精度の高い手術を行うことが最も重要です。ぜひ専門医にご相談ください。
Q. フェイスリフト手術に伴うダウンタイムやリスクについて教えてください。
A. 手術の術式や範囲によっては、ダウンタイムの長期化や顔面神経麻痺のリスク上昇が指摘されるケースもあります。近年では、患者様への負担軽減を目指した「低侵襲」な術式も注目されており、出血の抑制や回復時間の短縮、痺れの軽減を目指すアプローチもあります。当院では、患者様にご納得いただけるよう、施術前に詳細な説明を心がけています。
Q. 当院では、フェイスリフトに関してどのようなアプローチを行っていますか?
A. 当院では、患者様への負担を軽減しつつ効果を追求する「プレザベーションフェイスリフト」の概念を重視し、組織の間の剥離を最小限に抑えることで、出血やダウンタイムの軽減を目指しています。また、フェイスラインの引き締め効果をさらに高めるために、「ペリカンリフト」を組み合わせるなど、複合的なアプローチをご提案することで、より洗練されたフェイスライン形成を目指しています。
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監修医
藤中 玲(医師)/日本形成外科学会 マイクロサージャリー学会
形成外科医として、これまで顕微鏡を用いた再建手術や顔面領域の手術を中心に、地域病院における一般形成外科・皮膚科診療にも幅広く携わってまいりました。多様な診療経験を通じて、保険診療と美容医療の双方を適切に組み合わせることの重要性を実感しております。丁寧なコミュニケーションを大切にしながら、安心してお任せいただける医療と、質の高い手術成績の提供に努めてまいります。
