こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
フェイスリフト手術は、たるみ治療の中で最も効果の強い手術の一つですが、人生において何回まで受けられるのか、あるいは以前に受けた手術(他院でのフェイスリフトや糸リフトなど)が再手術にどのような影響を与えるのか、疑問を持たれる方は少なくありません。
今回は、他院修正の部類に入る2回目のフェイスリフト手術の症例を詳しく解説し、再手術の難易度を決定する要素や、残存する糸リフトへの対応、そして効果を最大限に引き出すための手術技法についてご説明します。
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1. 修正手術の難易度を左右する要因
「フェイスリフトは何回まで可能か」という質問に対しては、「内容による」というのが答えです。例えば、皮膚だけを引き上げるようなリフト(マックスリフトや、専門的なドクターから見て「なんちゃってフェイスリフト」と呼ばれるもの)であれば、組織の損傷が少ないため、繰り返し実施できるケースが多いです。
一方で、本格的なフェイスリフトであるSMAS(スマス)までしっかり挙上する深い層までの手術は、効果が強くしっかりと出ますが、組織が一度大きく操作されているため、2回目以降の手術は一般的に難しくなる傾向があります。
今回の症例の患者様は60代で、約20年前に他院で1回目のフェイスリフトを経験され、さらに約1年前に糸リフトを受けていました。この方の修正手術が比較的やりやすかった理由としては、以下の要素が考えられます。

フェイスリフト:皮膚を切開し、余分な筋膜や皮膚を切除することでお顔のたるみが改善されます。
料金:495,000円~※料金は変更となる可能性がございます。切開範囲によっても異なります。
リスク・副作用:出血、腫れ、感染、傷跡、瘢痕、顔面の知覚鈍麻、たるみの後戻り 等
1. 前回の手術からの経過時間:前回のフェイスリフトから約20年という長い時間が経過していたため、傷がしっかりと治り、組織が柔らかい状態に戻っていました。直近で手術を受けているほど、傷が硬く、やりにくくなります。
2. 前回の術式:20年前の手術において、SMAS化(SMAS層を操作すること)や皮下剥離に関して目立った傷跡が見られなかったため、前回の手術が比較的簡単なフェイスリフト(皮膚剥離のみなど)だった可能性が考えられます。
2. 糸リフトが再手術に与える影響
今回の患者様は、2回目のフェイスリフトの約1年前に糸リフトを受けていました。
糸リフトに関しては、一般的に一般的な入れ方をしている限り、フェイスリフト手術の際に極端にやり難くなるわけではありません。糸リフトによって組織が溶けてカチカチになったり、別の組織に置き換わって硬くなったりするレベルにはならないことがほとんどです。
ただし、糸自体は残っている場合があり、今回の症例でも青い糸が残存していました。この残存した糸は、顔を切って引き上げる際に、組織を「つっかえ棒」や「邪魔な要素」のように引っかけてしまい、引き上げを妨げる要因となることがあります。
フェイスリフトの手術中に皮下剥離を行うと、この残存する糸が見えるため、引き上げをスムーズにするために、糸リフトを引っこ抜いて除去する必要があります。
【注意点】 極端なケースとして、通常の回数(片側3〜4本)を大幅に超えて、片側6本や7本といった大量の糸を、通常のペース(1年に1回)よりも頻繁に(半年毎など)受けていると、顔が非常にタイトになってしまい、フェイスリフトがしにくくなる可能性があります。しかし、通常の使用法であれば、フェイスリフトの1年前に糸リフトを実施していても、手術を極端に困難にするレベルにはならないと考えられます。ただし、フェイスリフトの直前(例:1ヶ月前)に糸リフトを行うのは避けた方が良いでしょう(半年以上の期間を空けることが望ましい)。
糸リフト内容:メスを使うことなく、吸収性の糸をこめかみ辺りなどから挿入することで、お顔のたるみ改善・予防、全体的な引き締めが期待できます。
リスク・副作用:内出血、腫れ、疼痛、ひきつれ、ツッパリ感、感染、左右差、凸凹等
料金:33,000円~※料金は変更となる可能性がございます。
3. 本症例で行われた手術技法(ミドルフェイスリフトとSMAS挙上)
今回の症例では、ミドルフェイスリフトという方法で行われました。切開はもみ上げから耳の前を通り、耳の後ろまで行われます。
手術の主な目的は、頬面(きょうめん)、マリオネットライン、フェイスラインのたるみを引き上げることでした。この患者様は首元(ネック)のたるみをあまり気にされていなかったことや、ダウンタイム、予算の観点から、フルフェイスリフトではなくミドルフェイスリフトが選択されました。
引き上げ効果を最大限に引き出すために、単に皮膚だけを挙上するのではなく、SMAS層(皮膚と筋肉の間にある組織)をしっかりと引き上げる操作が加えられました。これは、皮膚の下の脂肪や筋肉の上側の組織を操作し、「魚の二枚おろし、三枚おろし」のような形にして、二重に引き上げ効果を出す方法です。
SMASを固定した後、皮膚を固定し、余った皮膚(およそ2cm程度の幅)を切除してシワやたるみを伸ばします。この操作により、マリオネットラインやフェイスラインが斜め上側に引き上げられ、顎先もツンと出たようなシャープな印象を得ることができました。

4. 術後の経過と効果
術後には、血抜きのためのドレーンが1日だけ入ります。これは手術の翌日に抜去します。 その後、1週間後に抜糸のために来院いただきます。
抜糸の際には腫れは引いてきていますが、術後約1週間はフェイスバンドを巻いて過ごしていただきます(シャワーを浴びる時以外)。ドレーンを抜いた後はシャワーは可能です。
術後1ヶ月の画像では、フェイスリフト本来の効果である頬前面やマリオネットライン、フェイスラインの引き上げがしっかりと現れており、患者様も以前の手術に比べてしっかり効果が出ていると喜ばれていました。フェイスラインがくっきりとシャープに出ていることが確認されています。
5. フェイスリフト効果を持続させるためのメンテナンス
切る手術(フェイスリフト)はたるみ治療の中で最も強い効果を持ちますが、それでも加齢に伴い少しずつたるみは再び現れます。一般的に、効果は永続的ではなく、10年進めると5割程度は後戻りするとされています。
せっかく手術で得られた効果を極力維持させるためには、手術後のメンテナンスが重要です。
フェイスリフトを実施した後も、たるみのケアとして、ハイフ(HIFU)やRF(高周波)などの引き締め治療を定期的に受けていただくことが推奨されます。
また、傷が落ち着いた術後1年程度経過してから、メンテナンスとして糸リフトを加えるという方法も、フェイスリフトの効果を持続させたり、たるみ治療における相乗効果を生み出すために有効であると考えられます。手術をやりっぱなしにするのではなく、継続的なケアを行うことが、フェイスリフトの効果を長く持続させるための鍵となります。
IPL治療:内容:IPL(Intense Pulsed Light)という光をお顔全体に照射することで、シミ、くすみ、赤ら顔、小じわ、毛穴開き等を改善する治療です。お悩みに応じてフェルターを選択します。
リスク・副作用:紅斑、腫れ、色素沈着、色素脱失、痒み、毛包周囲の赤み、紫斑、熱傷、肝斑の悪化
料金13,750円~※料金は変更となる可能性がございます。
ハイフ:内容:超音波の熱を、お肌表面にダメージを与えることなく、狙った組織に集中照射して効果を得る治療です。たるみ治療や浅い層へのアプローチにより肌質改善に効果的です。
リスク・副作用:発赤、浮腫、熱傷、内出血、異常感覚等