こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
シリコンバッグを使用した豊胸術は、多くの方が検討される美容手術の一つです。手術の成功だけでなく、理想的な形と自然な仕上がりを実現するためには、術後の正しい過ごし方(ダウンタイムの管理)が極めて重要となります。
本記事では、シリコン豊胸術後の患者様からよく質問される事項や、経験者だからこそ知っている具体的な注意点について、解説、詳しくご紹介します。
--------------------------------------------------------------------------------
1. 術後直後の注意点:痛みと固定バンド
術後すぐのダウンタイムで特に重要な注意点は「痛み」と「固定」の2点です。
痛みについて
手術当日、麻酔が効いている間はそれほど痛みを感じないことが一般的です。しかし、手術が終わった日の深夜から翌日の朝にかけて、術後翌日が痛みのピークとなる方が多いです。この痛みは「激しい筋肉痛」に例えられることが多く、ピークは通常1日~2日程度続きます。
痛みの感じ方には個人差があり、翌日から全く痛みがなく普通に学校生活を送れたという方もいれば、長い方だと5日間ほど自宅で安静に過ごしたという方もいます。多くの場合、痛み止めを服用すれば我慢できないほどの痛みになることはほとんどなく、手術3日目くらいから徐々に落ち着いてくる傾向にあります。
手術1週間後の抜糸(傷の部分の糸取り)の頃には、脇下切開の場合、腕の上げづらさや脇の痛みは残るものの、多くの患者様は問題なく歩ける状態に戻っています。痛みはだいたい1週間で落ち着くことが多いでしょう。
固定バンドの重要性
術後に着用する固定バンドは、最低でも1週間はしっかりと着用していただくことを推奨しています。固定の目的は主に以下の2点です。
1. インプラントの位置ずれ防止 シリコンインプラントは、大胸筋の後ろなどのポケットに挿入されますが、特に脇の下を切開して挿入した場合など、インプラントが上や横にずれてしまうのを防ぐ必要があります。このため、上から下へ圧迫し、下ライン(アンダーバスト)も固定する形で着用します。
2. 内出血や腫れの抑制 固定バンドやテーピングは、血が溜まったり、内出血や腫れがさらにひどくなるのを抑える止血効果もあります。
シャワーを浴びる時以外は、基本的に固定バンドは着用したまま過ごします。また、出血しやすい箇所には、テーピングを3日間ほど行う場合があります。
--------------------------------------------------------------------------------
2. 日常生活への復帰と準備
術後すぐは、腕を上げづらかったり、重いものを持つのが困難になったりするため、事前の準備が重要です。
術後の清潔保持と入浴
• シャワー:術後すぐは、上肢(上半身)はシャワーを浴びられない期間があります。多くのクリニックでは、上肢のシャワーは術後4日目から可能となることが多いです。腰から下、および首から上は手術当日からもシャワー可能です。
• 洗髪:上肢がシャワーを浴びられない期間、自分で髪を洗うのは脇が引きつって痛む可能性があるため、美容院でのシャンプーを予約しておくと大変便利です。また、洗面台で頭を後ろに倒して洗うことも、手術翌日から行うことができます。
• 入浴(湯船):湯船に浸かる入浴は、抜糸後、つまり術後1週間が経過してから可能となります。
経験者によるダウンタイムの知恵(事前に用意すべきもの)
実際に豊胸手術を受けた患者さんから寄せられた、術後のダウンタイムを快適に過ごすための知恵は、非常に参考になります。
• ペットボトルの蓋を緩めておく:手術当日は大胸筋に力が入りにくいため、蓋を少し開けておくと楽に開けられます。
• 生活用品(化粧品など)は手の届くところに下ろしておく:腕を上げづらいため、手の届く範囲に必要なものを置いておきましょう。
• 食事の準備:一人暮らしの方は特に、調理がしんどくなるため、インスタント食品などを購入しておくことが推奨されます。
• 前開きの服を用意する:術後は被り物の脱ぎ着が大変なため、ボタンやジッパーで開けられる前開きの服を絶対用意しておくと過ごしやすいです。
仕事への復帰と運動制限
• 仕事復帰:仕事の内容によります。デスクワークなど体動の少ない事務作業であれば、痛み止めを飲みながら数日(3日~5日)1週間程度が目安です。スポーツ選手のような激しい動きが必要な場合は、1ヶ月の休養が推奨されます。
• 運動:
◦ ウォーキングや軽いストレッチなど、軽度の運動は1~2週間後から可能です。
◦ 筋トレなどの比較的激しい運動は、術後1ヶ月で概ね問題なくなります。
◦ ボルダリングなどの非常に激しい、体全体を使う運動に関しては、3ヶ月ほど控えることが推奨されています。
--------------------------------------------------------------------------------
3. 下着、マッサージ、インディバについて
長期的な経過において、下着の選び方や、バッグをより自然な状態にするためのケアについてもご説明します。
下着(ブラジャー)の注意点
術後すぐは固定バンドを使用するため、ブラジャーはまだ必要ありません。
術後の最初の1ヶ月間は、ワイヤーなしのブラジャー(ノンワイヤー)や、パッド付きのキャミソールなど、ゆったりとした下着の着用をお願いすることが多いです。ワイヤー入りの下着は、ワイヤーがアンダーバストの皮膚に当たってつぶれるような形になり、インプラントにダメージを与えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
術後すぐはむくみでサイズが正確でないこともあるため、新しいブラジャーは、固定バンドを外した後、1ヶ月ほど経過して形がはっきりしてから、サイズを測って購入するのが安心です。
マッサージの必要性
シリコンバッグ豊胸後のマッサージについては、現在、医師間で意見が分かれる部分があります。最近のインプラント材によっては、マッサージは必要ではないと言われることもあります。
マッサージを行う目的は、インプラントが入っている「ポケット」を意図的に大きく作り、被膜拘縮(シリコンを包む膜が硬くなったり縮んだりして痛みが出たりする症状)を起きにくくすることです。
しかし、ポケットを大きくしすぎると、インプラントが中で動きすぎ、横に垂れたり移動したりするデメリットも生じます。特に、モティバのような被膜拘縮のリスクが非常に低いと言われている新しいインプラントを使用する場合、ポケットを広げるメリットは少ないと考える医師もいます。
マッサージを行う場合、少なくとも1ヶ月間は継続し、その後は術後1ヶ月や3ヶ月の診察時に硬さに応じて継続の指示が出されることが多いです。文献的には、マッサージについては「やってもやらなくてもよい」「特にエビデンスはない」とされる見解もあります。患者様の負担軽減を考えると、必ずしも必要でなければあえてしなくても良い、という考え方もあります。
インディバ(高周波温熱療法)の活用
インディバは、術後の組織の回復を助けるために、患者様から相談されることの多い治療です。インディバを行うことで、血流が良くなり、術後の組織の回復を促し、胸が早く柔らかくなる効果が期待できます。
インディバは、脂肪吸引後などにも定番の治療として知られており、経験上、組織が非常に柔らかくなったという報告もあります。シリコンバッグ豊胸術に関しても、インプラントに対する効果は定かではないものの、「やって損はない」と考えられています。
開始時期については、早い方では術後1週間から利用を勧めるサロンもありますが、医師によっては術後1ヶ月からを推奨することもあります。興味がある場合は、クリニックと相談の上、インディバサロンへ行ってみると良いでしょう。
--------------------------------------------------------------------------------
4. まとめと重要な注意点
シリコン豊胸術後の過ごし方について、重要な点を再度まとめます。
項目 |
目安となる期間 |
詳細な注意点 |
|
痛み |
ピークは術後1~2日、3~5日で楽になる |
痛み止めで管理可能。 |
|
固定バンド |
最低1週間 |
インプラントの移動防止、内出血・腫れの抑制。シャワー時以外は着用。 |
|
シャワー |
4日目から(上半身) |
湯船への入浴は抜糸後(1週間後)。 |
|
仕事復帰 |
デスクワーク:3~5日、体を動かす:1週間~2週間 |
仕事内容によって大きく異なる。 |
|
軽い運動 |
1~2週間後から |
ウォーキング、ストレッチなど。 |
|
激しい運動 |
1ヶ月後から |
筋力トレーニングなど。 |
|
非常に激しい運動 |
3ヶ月後から |
ボルダリングなど。 |
|
下着 |
最初の1ヶ月間はワイヤーなし |
ワイヤーがインプラントにダメージを与える可能性がある。ブラジャーは1ヶ月後に購入が安心。 |
|
マッサージ |
1ヶ月間(硬さに応じて継続) |
必須ではないが、被膜拘縮予防の目的で行われる。 |
|
インディバ |
1週間~1ヶ月後から |
血流改善、早期の柔らかさ回復が期待できる。 |
シリコン豊胸症例
シリコン豊胸:乳腺と脂肪組織の代わりに豊胸インプラントを挿入することでバストを大きくする手術
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:出血、腫れ、感染、拘縮、ひきつれ、左右差、瘢痕、乳房の知覚低下、インプラントの破損 等
お身体の脂肪吸引:内容:体の特定の部位から余分な脂肪を取り除く手術です。食事や運動だけでは改善が難しい部分の輪郭を整えるのに使用されることがあります。
リスク・副作用:あざ、感染、色素沈着、腫れ、セルライト悪化等
シリコン豊胸についてはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/breast.html