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こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
近年、美容医療の中でも特に注目を集めている「クマ治療」。中でも「脱脂手術」は、少ない手間で目元をすっきりと改善できる非常に優れた手術として広く行われてきました。しかし、SNSや動画共有プラットフォームにおいて、「脂肪を取られすぎてしまった」という「過剰脱脂」の失敗例が頻繁に話題に上がるようになり、クマ治療全体に対して大きな波紋を広げています。
この「過剰脱脂」問題は、単なる手術の失敗例に留まらず、クマ治療全体のイメージと人気、ひいては市場そのものにまで、深刻な影響を与えかねないという懸念が示されています。
本記事では、この過剰脱脂問題がクマ治療に与える影響を深掘りするとともに、患者様が安心して治療を受けるために知っておくべき、リスクとクリニック選びのポイントを解説します。
1. クマ治療の「良きイメージ」を揺るがす過剰脱脂問題
SNS上では、「脂肪を取りすぎてしまい、かえってへこんでしまった」という過剰脱脂の事例や、「まだ脂肪が残っている」といった不満が未だに多く見受けられます。この状況に対し、美容医療を提供する側からは、「脱脂の手術そのものが悪い」という印象が患者さんに定着してしまうのではないかという強い危機感が持たれています。
本来、脱脂手術は、昔から広く行われ、少ない手数で目元をきれいにできるという意味で「いい手術」であると評価されています。理想的な美容医療とは、魔法のようにわずかな手数で劇的な変化をもたらすものとされますが、脱脂はその理想に近い手術の一つです。
しかし、失敗例が拡散されることで、「脱脂という手術自体がダメだ」という変なイメージが定着し、脱脂の良い面が見えなくなってしまうことが危惧されています。
クマ治療市場と患者心理への影響
このイメージ悪化は、単に脱脂手術に対する懸念を生むだけでなく、クマ治療自体の市場(人気)を低下させてしまうという、より広範な影響を及ぼす可能性が指摘されています。
クマ治療を検討している患者様の心理にも影響が出ています。
・治療への回避傾向:脱脂が良いのか、ハムラ法が良いのかという議論が続く中、コメント欄などでは、「クマ治療は怖いから、フェイスリフトを先にやってしまおう」といった、クマ治療を避けるような考えを持つ患者様も現れています。
・リスクへの過剰な焦点:今回の過剰脱脂問題も含め、患者様が治療のリスクにフォーカスを当ててしまう機会が多くなっています。SNSで「過剰脱脂」が話題になることで、必要以上に治療を心配したり、過剰に恐怖心を抱いたりする状況が生まれています。
心理的な「負のスパイラル」の危険性
さらに深刻なのは、治療後の心理的な影響です。
もし、見た目的に仕上がりに満足できなかった場合、そこに「目の奥が痛い」といった症状(めったに起こらないリスクではあるが、裏ハムラ法でも脱脂でも起こりうる)が加わると、「失敗されたのではないか」「何か悪いことをされたのではないか」という心理的な負のスパイラルに陥ることがあります。
結果として、へこみやシワが余計に気になり、ずっと鏡を見てしまうなど、心理的に好ましくない状態になる可能性があります。これは脱脂だけでなく、ハムラ法を受けた患者様にも起こりうることが確認されています。
2. なぜ過剰脱脂は起こるのか?適用と技術の重要性
そもそも、脱脂手術はなぜ失敗し、過剰脱脂が起こってしまうのでしょうか。
① シンプルな手術ゆえの難しさ
脱脂は比較的シンプルな手術であるため、多くのクリニックや医師が実施することができます。しかし、シンプルであるがゆえに、経験の浅い医師が執刀した場合に「取られすぎ」や「残りすぎ」といった問題が発生しやすく、修正を必要とするケースが増加している一因と考えられます。
また、ドクターのポリシーや技量によって脱脂の仕方は異なり、取り過ぎが問題になるクリニックもあれば、逆に再発を恐れて取らなすぎになるクリニックもあります。在籍ドクターが多く、たくさんの手術件数をこなすクリニックでは、単純に手術の数が多い分、失敗される方の数も多くなってしまうという現実があります。
② 適応を無視した治療計画
クマ治療において最も大切なのは、「適応」です。
脱脂は素晴らしい手術ですが、それだけで対応できる患者様は限られています。
・脱脂だけで綺麗に仕上がるケース:特に若年層で、色素沈着や小じわが少ない方、または40代くらいまでの男性で小じわを気にしない方などが適応となります。または、ダウンタイムを気にせず、完璧を求めず今よりすっきりすれば良い方は脱脂だけを行うケースもあります。
・他の治療が必要なケース:50代、60代で既にシワがあるような患者様は、脱脂だけでは目元のシワがかなり目立ってしまうため、裏ハムラや脂肪注入など、より複雑な手術が必要となります。
理想は脱脂のようなシンプルな手術で完了することですが、脱脂よりも脂肪注入やハムラ法を加えた方が綺麗に仕上がると判断される場合は、そちらが勧められます。
裏ハムラ法は、脱脂に比べ見た目が滑らかになるという利点がありますが、手術時間が長く、切開範囲が広くなるため、ダウンタイムや外反などのリスクは脱脂に比べて少し高くなるとされています。
3. 失敗しないためのクリニック選び:複数の「引き出し」が鍵
過剰脱脂の波紋が広がる中で、患者様が安心して治療を進めるために最も重要になるのは、「ドクターの引き出しの多さ」と「リスク理解のすり合わせ」です。
全ての選択肢を持つドクターを選ぶべき理由
クマ治療には、脱脂、裏ハムラ、表ハムラ、脂肪注入、ヒアルロン酸など、様々なアプローチがあります。
・選択肢が少ないリスク:「脱脂しかやりません」「裏ハムラしかやりません」というように、選択肢が一つしかないドクターにかかると、その一つの手法を無理やり全ての患者様に当てはめようとするため、「へこみが気になる」「シワが気になる」「あまり変わっていない」といった結果につながり、失敗するリスクが上がると考えられています。
・引き出しの重要性:クマ治療の専門医として、全ての治療法を提案できるクリニックは、患者様の真の適応に合わせて最適な手法を選べるため、仕上がりもリスク管理も向上します。また、万が一、望まない結果になった場合でも、多様な「引き出し」があれば、適切なフォロー(修正)を入れることが可能です。
治療の限界とリスクを理解する
クマ治療に限らず、美容医療において最も重要なのは、ドクターと患者様の間で、手術のリスクと、その手術がどこまでの効果をもたらすのかという「限界」をしっかりと話し合い、理解をすり合わせることです。
脱脂自体は昔からある、広く受け入れられている良い手術であり、多くの人が脱脂で目元を綺麗にできるという事実は変わりません。過剰脱脂の問題が騒がれているからといって、過剰に心配しすぎる必要はありません。
しかし、SNSなどで「過剰脱脂」という話題が出ている今だからこそ、クマ治療を検討する際は、より一層、脱脂だけでなくハムラ法や脂肪注入など、全ての治療法に対応できる専門性の高いクリニックを選び、ご自身のクマの状態と、どのようなリスクがあるのかを十分に理解した上で、治療に臨むことが大切です。
| 経結膜脱脂:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。 料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等 |
| クマ取り&脂肪注入:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。大腿内側または腹部から脂肪を採取し、目の下/ゴルゴラインに注入しハリを出しシワの改善を行います。 料金:330,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等 |
| 表ハムラ:睫毛下を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させて、凹みのある個所に固定し直します。シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。 料金:451,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等 |
| 裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させ、凹みのある個所に固定し直します。 料金:330,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等 |
| ヒアルロン酸注入:内容:ボリュームの減少等で影ができる原因部位に注入することで、しわやたるみを改善、目を大きく見せたり、唇をふくよかにしたり、鼻を高くする等、パーツ形成もできる治療です。料金:68,200円※料金は変更となる可能性がございます。 リスク・副作用:痛み、腫れ、赤み、感染、アレルギー、皮膚の血行障害、視力障害等 |
最後に:
クマ治療のイメージを回復させ、患者様が安心して治療を受けられるようにするためには、過剰脱脂のような失敗を減らし、医師が適応を見極め、適切な治療法を提案し続けることが不可欠です。脱脂は決して「欠陥手術」ではありません。しかし、全ての治療法には一長一短があることを理解し、最も適した方法を選ぶことが、理想の結果への最短ルートとなります。
詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html
