こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
「埋没法を何度も試したけれど、やっぱり理想の二重にならない」「瞼のたるみが気になるけれど、どの施術が良いのか分からない」——そうお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では、SNSの普及に伴い、治療の体験談をシェアしている方が多くいらっしゃいます。良い口コミに影響されて「私も眉下切開がいい!」とケースも見受けられます。しかし、それぞれの施術には異なる特徴、適応、そしてリスクが存在します。ご自身の目の状態や理想とする仕上がりをしっかりと理解した上で、適切な選択をすることが非常に重要です。
本日のブログでは、切開二重術と眉下切開、それぞれの施術のメリット・デメリット、手術内容、ダウンタイム、術後の経過、そして注意点まで、当院統括医師の吉井健吾医師が深く掘り下げて説明していきます。
切開二重術(全切開法)について
切開二重術は、その名の通り、二重の予定線に沿って皮膚を切開し、半永久的に二重のラインを作り出す方法です。埋没法が糸で留めるのに対し、切開法は組織自体を処理するため、より確実で持続的な二重を実現できます。
適応となる方
• 「くっきりと、半永久的な二重になりたい」という強い希望がある方。
• 埋没法を何回も試したが、すぐに取れてしまう方。
• 生まれつき、あるいは加齢により瞼がものすごく厚い方。この場合、最初から切開二重術が推奨されることもあります。
手術内容
切開二重術は、患者様一人ひとりの目の形や理想とする二重の幅に合わせてカスタマイズされます。
• 診察時のすり合わせ: 診察の際に、患者様の理想とする二重の幅や形について綿密にすり合わせを行います。
• 皮膚の切除: 切開する皮膚は数ミリ程度とごく少量です。主に、皮膚のすぐ下にある眼輪筋や、瞼の厚みに応じてROOF(眼窩周囲脂肪組織)、眼窩脂肪などを少しずつ削り、バランスを調整します。
• 二重のラインの作り方: 主に2つの方法があります。
1. 皮膚を直接、瞼板(けんばん)に固定する方法: 瞼板とは、瞼の中にあるコラーゲンを多く含む硬い板状の組織です。切開した皮膚を直接この瞼板に固定することで二重のラインを作ります。
▪ メリット: 確実性が高く、二重のラインが決まりやすいという特徴があります。
▪ デメリット: 食い込みがやや強く出がちで、場合によってはわざとらしい二重に見えてしまうこともあります。
2. 眼窩隔膜の端と、瞼の内側の眼輪筋の端を繋げて固定する方法: この方法は、眼窩隔膜の端と、瞼の開閉に関わる眼輪筋(これは瞼の奥にある眼瞼挙筋に連なる)を繋げて固定することで二重を作ります。
▪ メリット: 目を開く筋肉の動きに連動して皮膚が自然に食い込むため、食い込みすぎず、より自然な二重のラインを作りやすいとされます。一つ目の方法よりも自然なラインが出やすい傾向にあります。
術後のダウンタイムと経過
• 腫れ: 手術後2~3日目が最も腫れが強く出ます。
• 抜糸: 術後1週間後に抜糸が必要です。
• 回復: 約1ヶ月後には腫れの90%程度が引きますが、内部の傷はまだ完全に落ち着いていません。
• 最終的な安定: 内部の傷は、硬く縮んだり(拘縮)、微妙な変化を起こします。この変化は3ヶ月から6ヶ月かけて徐々に落ち着き、少し後戻りしたような形になることがあります。完全に仕上がるまでには半年ほどかかると思っておくと良いでしょう。
リスクと注意点
傷跡
切開術であるため、傷跡は残ります。最終的にはかなり目立たなくなりますが、術後1~2ヶ月は赤みが強く出る期間があります。基本的には3ヶ月から6ヶ月かけて綺麗になっていきますので、焦らず気長に待つことが大切です。
後戻り・修正の可能性
傷口の拘縮や後戻りにより、二重のラインが物足りなく感じたり、あるいは予定外の三重になってしまったりする可能性もゼロではありません。その場合は修正が必要となることがあります。
若年層の注意点
特に若い方は、術後1~2ヶ月の傷口の赤さを気にしやすい傾向にあります。一時的に傷口が目立ちやすくなる期間があることを、事前に理解しておく必要があります。
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二重切開術
施術内容:上まぶたを切って、皮膚と瞼板に糸をかけ、二重のラインをつくる手術です。
料金:275,000円~ ※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:赤くなる、しこり、目が開きづらい、左右差等
リスク・副作用:赤くなる、しこり、目が開きづらい、左右差等
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眉下切開について
眉下切開は、比較的シンプルな手術でありながら、自然な仕上がりが期待できる方法です。眉毛の直下で余分な皮膚を切除し、たるんだ瞼を引き上げることで、目をすっきりと見せることができます。
適応となる方
• 「自然に目をはっきりさせたい」「瞼のたるみを取り、若々しい印象を取り戻したい」と考える方。
• 20代の頃ははっきりとした二重だったのに、加齢とともに瞼が重くなった、奥二重気味になったと感じる方。余った皮膚を取ることで、以前のようなすっきりとした目元を取り戻せる可能性があります。
• 劇的な変化ではなく、自然な改善を求める方。
手術内容
眉下切開は、眉毛のラインに沿って行われるため、傷跡が目立ちにくいのが特徴です。
• 切開部位: 眉毛のラインに沿って、または眉毛に少し切り込むような形で切開します。
• 皮膚の切除: 患者様のお目元の状態に応じて適切な幅をデザインし、切開します。余分な皮膚を取り除き、引き伸ばして縫合するという、非常にシンプルな手順です。
• 脂肪・筋肉の処理: クリニックによっては皮膚の下の眼輪筋や眼窩脂肪を切除することもありますが、当院ではシンプルに皮膚のみを切除することがほとんどです。これは、筋肉や脂肪を取りすぎると凹みが生じるなど、予期せぬ結果につながり、修正が難しくなる可能性があるためです。
• 縫合: 縫合は、内部に溶ける糸を使用し、表側に縫い目が残らないよう、細かい糸で丁寧に縫い合わせます。表側は1週間後に抜糸する糸で縫合します。アートメイクをしている方であれば、傷跡はさらに目立ちにくくなります。
• 内部の経過: 内部の糸によって、術後1ヶ月から数ヶ月間、少しポコつきや硬さを感じることがありますが、これらは時間とともに自然に解消されていきます。
術後のダウンタイムと経過
• 腫れ: 切開二重術と同様に、2~3日後が腫れのピークで、1週間後には落ち着いてきます。
• 内出血: 重力の影響で内出血が下に降りてくるため、術後1週間程度は目の下が黄色くなることがありますが、コンシーラーなどで隠せる範囲であることがほとんどです。
• 最終的な安定: 切除した皮膚は時間が経つと多少「後戻り」(皮膚が馴染んで緩むこと)するため、術直後は「少しやりすぎかな」と感じるくらい、やや突っ張った状態が理想とされます。この突っ張り感や縦皺のようなものは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と時間が経つにつれて皮膚が馴染んでいき、ちょうど良い状態に落ち着きます。
• 傷跡: 眉下切開の傷跡は、最終的には眉毛のラインに隠れるようになり、かなり目立たなくなります。しかし、術後1~2ヶ月は赤みが出やすい期間ですので、この点も理解しておく必要があります。
リスクと注意点
• 眉毛と目の距離: 眉毛と目の間の幅が狭すぎる方は、手術によってさらに幅が狭くなるため、この手術にはあまり向いていません。
• 眉毛の見た目: 眉毛のラインに沿って切開するため、眉毛の一部を切除することがあり、眉毛が細くなる可能性があります。元々眉毛が細いことを気にしている方は、さらに気になってしまう可能性があります。
• 劇的な変化は期待できない: 眉下切開は、劇的な変化を期待する方には不向きです。あくまで自然な改善を目的とした手術であり、「あまり変わっていない」と感じる方もいるかもしれません。
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眉下切開
施術内容:眉毛の下で皮膚を切除することにより、上まぶたのたるみを改善する手術です。
料金:275,000円~ ※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:出血、腫れ、糸の露出、感染、後戻り等
リスク・副作用:出血、腫れ、糸の露出、感染、後戻り等
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結局、どちらを選ぶべきか?
ここまで切開二重術と眉下切開について詳しく説明してきましたが、結局のところ、どちらの施術を選ぶべきなのでしょうか?これは患者様のご要望と現在の目の状態によって大きく異なります。
• 「くっきりと、明確な二重のラインを半永久的に作りたい」「瞼の厚みを根本から改善したい」という方には、切開二重術が適しています。特に、埋没法で何度も二重が取れてしまう方や、瞼が非常に厚い方は、切開二重術を検討する価値があります。
• 「自然に目をはっきりさせたい」「瞼のたるみを取り、以前の二重を取り戻したい」「目を大きく見せたいが、不自然な変化は避けたい」という方には、眉下切開が適しています。特に、加齢により瞼が重くなったと感じる方、以前ははっきりした二重だったが奥二重気味になってきた方など、目元をすっきりとさせたい場合に効果的です。
最も重要なことは、インターネットやSNSの情報だけに流されず、ご自身の理想とする目元と現在の目の状態を正確に把握することです。どちらの手術もメリットとデメリット、そして向いている人・向いていない人が存在します。
まとめ
今回は切開二重術と眉下切開について、詳細に解説しました。それぞれの施術が持つ特性を理解し、ご自身の目標に合った選択をすることが、満足のいく結果を得るための第一歩です。
どのような施術を選ぶにしても、最も重要なのは、経験豊富な医師による丁寧なカウンセリングです。当院では、患者様一人ひとりの瞼の状態、骨格、そして「どのような目元になりたいか」という具体的なご要望をじっくりと伺った上で、最適な施術プランをご提案しています。
安易な情報に惑わされず、経験豊富な医師の意見を聞き、リスクやダウンタイムについても十分理解した上で、納得のいく選択をしてください。このブログ記事が、あなたの理想の目元を実現するための一助となれば幸いです。
二重形成術について、詳しくはこちらをご覧ください:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/double-eye.html