1. 眼瞼下垂とは? 手術が必要な理由
眼瞼下垂とは、まぶたを開ける主要な筋肉である眼瞼挙筋(がんけんきょきん)が緩んでしまっている状態を指します。 この眼瞼挙筋は目の奥まで繋がっており、通常はシャッターが開くように「キュッ」と縮むことで目が開きます。しかし、眼瞼下垂になると、筋肉が伸びきって緩んでいるため、「開こうと思っても縮み切らず、開ききらない」状態、つまり半開きのような状態になってしまいます。 今回手術を受けられた30代前半の男性モニター様も、「目が開きにくい」「まぶたが重い」という症状があり、無意識に眉毛をぐっと使って目を開けようとする癖があったため、頭痛や肩こりの症状も発生していました。 眼瞼下垂の手術、特に挙筋前転法は、この筋肉の緩みを修復し、目の開きを良くすることを目的としています。 (上眼瞼下垂手術:眼瞼の皮膚を切除し下層にある筋肉(挙筋)を前転することにより、上まぶたのたるみ・下垂を改善する手術です。 料金:352,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:乱視、再発、左右差等)2. 挙筋前転法の詳細な手術手順(3段階)
挙筋前転法は、大まかに分けて3段階の手順で進行します。第1段階:皮膚切開と瞼板の露出
まず、患者様が希望される、または作りたい二重のライン上に皮膚切開を行います。切開後、皮膚のすぐ下にある眼輪筋という筋肉を切除します。年配の方などで皮膚が余っている場合には、皮膚そのものを切除する処置も行われることがあります。 皮膚と眼輪筋を切った後、最初の目標となるのが、硬い白いコラーゲン繊維の組織である瞼板を見つけ出すことです。第2段階:眼窩隔膜の切開と挙筋腱膜の同定
瞼板が見つかったら、次に眼窩隔膜を見つけ、これを切開します。 眼窩隔膜を切開したからといって、すぐに目的の挙筋腱膜がと出てくるわけではありません。特に眼瞼下垂の程度が強い患者様ほど、眼窩隔膜の裏側には、ミュラー筋や横走靭帯といった筋状の組織が、まるでこびりついているかのように付着しています。 これらの筋状の組織を丁寧に切り取り、きれいに剥離していくことで、中の眼窩脂肪や、最終的なターゲットである挙筋腱膜が見えてきます。第3段階:挙筋の前方移動(前転)
挙筋腱膜を同定したら、ここに専用の糸をかけます。さらに、その糸を瞼板にもかけます。 この糸をキュッと縮めることで、緩んでいた挙筋腱膜全体を前方に引っ張り出し、瞼板に固定する操作を行います。これが、目の開きを改善する挙筋前転法の中心的なプロセスです。3. 効果を最大化する独自の手法と工夫
当院では、自然な仕上がりを目指すための工夫を加えています。1. 外角切開の追加
挙筋腱膜をもっと前に引っ張り出しやすくするため、一般的な手順に加えて外角切開を行っています。 これは、眼窩隔膜を切開し、ある程度腱膜が出てきた後、さらに挙筋の外側部分を縦に切っていく方法です。外側を縦に切開することで、腱膜がもっと大きく出てきやすくなり、挙筋の前方移動(前転)操作が格段に行いやすくなります。2. 自然で美しい二重を作るための緻密な処理
挙筋前転を行った後、単にまぶたを縫い合わせるだけでは、不自然な食い込みや、まぶたの「もこつき」が生じかねません。自然な二重を形成するための工夫を施します。 ① 眼窩隔膜のトリミング 挙筋前転を行うと、眼窩隔膜の一部が余ります。これをそのままにしておくと、変な癒着が起こったり、まぶたがもこついたりする原因となるため、余分な部分を程よい長さに切り取る(トリミングする)必要があります。 ② 眼輪筋の処理 まぶたが厚い患者様の場合、瞼を極力すっきりさせる目的で、目玉側の眼輪筋に厚みがある部分を薄くして切り取ります。モニター様もまぶたが厚い方だったため、この処理が行われました。 ③ 二重ラインの固定 自然な二重を作るため、処理後の組織の端同士を縫い付けて固定します。具体的には、挙筋前転時に余った眼窩隔膜の端と、目玉側の眼輪筋の端を縫い付けます。 この方法で固定することで、「食い込みすぎない、くっきりしすぎない、開いたときに自然に引き込まれるような二重」の形成を心がけております。4. 症例写真解説:術後の経過と開き具合の劇的な改善
ここからは、実際に手術を受けたモニター様の術後の経過について、写真を基に解説します。術直後
手術が完了した直後の状態では、右側が先に終わった段階で、右目が左目よりも開いていることが確認されました。術直後の画像を見ると、腫れが少なく、すぐに目が開きやすくなっていることがわかります。 手術直後のまぶたには、挙筋前転のために内側・真ん中・外側と3箇所にかけられた糸と、下側には二重を作るために縫われた4箇所の糸が見えています。
術後1週間(抜糸時)
術後1週間の抜糸時の写真では、術直後よりもさらにスッキリとしており、左右差もほとんど目立たない状態になっています。 最も注目すべきは、目の開き具合の劇的な改善です。術前は、光の反射の部分(瞳の下側に映る白い光の部分)がまぶたに隠れてしまうほど、まぶたが下がっていました。しかし、術後1週間では、この白い光の反射の部分がくっきりと確認できるようになっており、眼瞼下垂の状態が大きく改善したことが明確にわかります。
術後1ヶ月後
術後1ヶ月後の写真では、腫れも引き、自然な仕上がりと改善した目の開きが確認されています。 これにより、術前の「目を開きにくい」「眉毛を使って無理に開けていた」といった症状から解放され、頭痛や肩こりの原因となっていた負担が軽減されることが期待できます。
5. まとめ:お悩みの方はまずご相談を
まぶたの腫れぼったさ、目の開きづらさ、あるいはそれに伴う頭痛や肩こりといった症状がある方は、眼瞼下垂の可能性が高いです。 眼瞼下垂症手術(挙筋前転法)は、単に目の形を整えるだけでなく、生活の質(QOL)を改善するための重要な治療です。 当院では、目の開きづらさや頭痛といった機能的な症状がある方に対しては、保険適用が可能な場合もあります。また、美容目的で手術を検討される方には、モニター価格での対応も可能です。 お悩みの方は、ぜひ一度ご相談いただき、ご自身の状態に合わせた最適な治療法を見つけることが大切です。 詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kasui.htmlご予約や当院ホームページから
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