こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
近年、「クマ取り」の施術として「裏ハムラ法」と「脂肪注入」を組み合わせるクリニックが増えていますが、実はこの同時施術が「99%ぼったくり」であると指摘されるケースがあることをご存じでしょうか?
「クマが気になるから、良いとされる施術をすべて受けたい」と考えるのは自然なことですが、中には必要性の低い高額な施術を勧められている可能性もあります。今回は、吉井医師が解説する「裏ハムラ+脂肪注入」の実態と、なぜ同時施術が「ぼったくり」とまで言われるのか、その理由を詳しく紐解いていきましょう。
裏ハムラ、脂肪注入とは?
まず、それぞれの施術について簡単に説明します。
- 【裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)】
- 目の下のふくらみの原因となっている眼窩脂肪を、へこんでいる部分に移動させることで、目の下のクマやたるみを改善する施術です。余分な脂肪を取り除く「脱脂」とは異なり、脂肪を有効活用するのが特徴です。
- (料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等) - 【脂肪注入】
- 自身の太ももなどから採取した脂肪を、クマによってへこんで見える部分や、肌のハリを失った部分に注入し、ボリュームアップや肌質改善を図る施術です。
- (料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:内出血、腫れ、感染、凸凹、しこり、拘縮、引きつれ、神経障害等) この二つを組み合わせることで、目の下のふくらみとへこみを同時に解決し、さらに肌のハリや色味の改善を目指す、というアプローチです。主に以下のような目的で脂肪注入が行われます。 ①ほっぺたのやつれ(ボリューム不足)の改善:目の下のへこみが頬のやつれと連動して影を深く見せるため、頬にボリュームを出すことで顔全体のバランスを整えます。これは比較的深い層、骨のすぐ上に注入されます。
- ②青クマ(色味)の改善:皮膚から眼輪筋(筋肉)が透けて見えることで青っぽく見えるクマに対し、皮膚と筋肉の間に薄く脂肪を挟むことで、色味を目立たなくします。
- ③小じわ対策:皮膚のすぐ下に脂肪を注入することで、肌にハリを与え、小じわの改善にもつながります。
特に「ほっぺたのやつれ」への注入は脂肪の定着率が高く(約10入れたら4~5割程度)、一方「色味改善・小じわ対策」として皮膚直下に薄く注入する部分は定着率が低い(約10入れたら2割程度)とされていますが、それでも肌のハリや色合いの改善効果は期待できます。
なぜ、同時に行うことが「ぼったくり」と言われるのか?
それでは、本題です。なぜ「裏ハムラ+脂肪注入」の同時施術が、ほとんどの場合において推奨されない、あるいは「ぼったくり」と言われるのでしょうか。これには複数の理由があります。
1. 法外な高額費用設定
まず、何よりも指摘されるのが費用の高さです。クリニックによっては、この同時施術だけで100万~150万円もの費用を提示するところもあります。クマ取りの施術の中でも最も高額になりがちであり、なかには「クマ取りだけでそんなに取るの!?」と驚くような料金設定のクリニックも存在するようです。
2. 裏ハムラ法のメリットとの矛盾
裏ハムラ法を希望する方の多くは、「脂肪を取りたくない」「余分なものを入れたくない」という考えから、脱脂ではなく裏ハムラを選ぶ傾向にあります。しかし、そこに脂肪注入を組み合わせるとなると、「結局脂肪を入れるなら、裏ハムラの良い点が打ち消されてしまうのでは?」という矛盾が生じます。
3. 脂肪注入の費用対効果の悪さ
同時施術では、脂肪注入の費用対効果が著しく悪くなりがちです。
- ・注入の正確性の低下:裏ハムラ法では、目の下の脂肪を剥離・移動させるため、脂肪注入のスペースが限られたり、正確な注入が難しくなったりします。特に、脂肪の定着率が良いとされる「ほっぺたのやつれ」への深い層の注入が、裏ハムラの操作によって干渉され、正確性が失われる可能性があります。
- ・低い定着率の部位への偏り:同時施術の場合、干渉が少ない「色味改善・小じわ対策」のための浅い層への注入に偏りがちですが、この部位は前述の通り脂肪の定着率が低い(約2割)です。せっかく高額な費用を払って脂肪注入を行うのに、定着率が低い部位にしか正確に注入できないのであれば、その投資に見合う効果が得られにくいと言えます。
単独では小じわが残りやすいと予測されるなど、ごく限られたケースにおいては同時施術が選択肢となることもあります。しかし、そういった「明らかに同時施術がベスト」と言える患者さんは非常に少ないのが実情です。
4. 裏ハムラ単独でも得られる間接的な改善効果
実は、裏ハムラ法だけでも、脂肪注入で期待される「色味の改善」や「小じわの改善」が間接的に得られることがあります。
裏ハムラによって目の下の凹凸が改善されると、光の当たり方が変わり、影が狭く見えたり、肌色が明るく見えたりする効果が期待できます。筋肉の色が透けて見えている状態(青クマ)自体が変わるわけではないものの、見た目の印象が大きく改善されるため、多くの人が裏ハムラ単独で満足するケースも少なくありません。
5. 適切なタイミングでの段階的なアプローチが推奨される
吉井医師は、まず裏ハムラ法を単独で行い、術後の状態を3ヶ月~半年ほど様子を見ることを推奨しています。
もし、裏ハムラ法だけでは色味や小じわが気になるようであれば、その後に改めて脂肪注入やベビーコラーゲンなどの注入治療を検討するのが賢明です。この段階的なアプローチであれば、裏ハムラの腫れが落ち着いた状態で、より正確かつ効果的に脂肪注入を行うことができ、脂肪の定着率も高まりやすくなります。特に、定着率の良い「ほっぺたのやつれ」への注入も問題なく行えるため、費用対効果も向上します。
ヒアルロン酸注入の場合は同時施術が可能なことも
ちなみに、頬のやつれを改善するためにヒアルロン酸注入を裏ハムラと同時に行うことは、脂肪注入とは異なり「アリ」な場合が多いとされています。これは、ヒアルロン酸が「点」で注入されるため、裏ハムラの操作と干渉しにくいからです。脂肪注入のように広範囲に注入するのとは方法が異なるため、同時施術の適応が変わるわけです。
結論:賢い選択をするために
もしあなたが「裏ハムラ+脂肪注入」を勧められ、100万~150万円といった高額な見積もりを提示された場合、すぐに契約せず、一度立ち止まって冷静に考えることが非常に重要です。
- ・セカンドオピニオンを求める:他のクリニックの意見も聞いてみましょう。
- ・裏ハムラ単独での効果を検討する:まずは裏ハムラ法単独での施術を検討し、必要であれば後から脂肪注入を行うという段階的なアプローチを考えてみましょう。
- ・費用を比較する:裏ハムラ単独であれば40万~50万円程度で済む可能性もありますし、クマ取り脂肪注入も同様の価格帯で提供されることもあります。
安易に高額な同時施術に飛びつかず、ご自身の状態に本当に合った、費用対効果の高い選択をすることが、満足のいく結果を得るための鍵となるでしょう。
この情報が、あなたの美容整形における賢い選択の一助となれば幸いです。