こんにちは!お茶水美容形成クリニックでございます。
美容医療の分野で注目される「クマ治療」には、多種多様な方法が存在します。単にクマを取り除くだけの「経結膜脱脂術」から、皮膚のたるみまで改善する「表ハムラ」といった手術、さらには過去の手術の修正を行う「他院修正」まで、患者様の状態やニーズに応じて様々な選択肢があります。しかし、これらの治療法の中には、一般的に「高難度」とされるものも存在し、安全かつ効果的な治療を受けるためには、その難易度やリスクを事前に理解し、専門的な知識と経験を持つクリニックを選ぶことが非常に重要です。
このブログ記事では、最も高難度のクマ治療とは何かについて、初回手術と修正手術の両面から深掘りし、それぞれの治療法が持つリスク、そして適切な治療を受けるためのポイントについて詳しく解説していきます。
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1. 初回手術における高難度ケース
クマ治療の初回手術は、これまでクマ治療を受けたことがない方を対象とするものです。この初回手術の中でも、特に難易度が高いとされるのが「表ハムラ」という手術方法です。表ハムラは、余分な皮膚を切除し、下まぶたを引き上げることで、シワやたるみを改善する手術であり、最も高難度の治療の一つとされています。
1.1. 表ハムラの難易度が上がるケース
表ハムラの難易度は、患者様の状態によって大きく異なります。特に以下のケースでは、手術の難易度が高まる傾向にあります。
• 高齢の方: 60代、70代といった高齢になるほど、下まぶたの組織が弱くなり、手術が難しくなります。
• 下まぶたが柔らかい・緩い方: 下まぶたを軽くつまんだ際に、皮膚がべろんと伸びてしまうような方は、表ハムラの難易度が上がるとされています。これは、下まぶたの強度と関連しており、高齢になるほど下まぶたの強度は弱くなります。
1.2. 高難度ケースにおける主なリスク:外反
表ハムラ手術において、特に注意すべきリスクの一つが「外反」です。外反とは、下まぶたが外側にめくれ上がってしまう状態を指します。表ハムラは、余った皮膚を切除し、下まぶたにテンションをかけて引き上げるため、下まぶたの強度が弱い方や高齢の方では、この外反のリスクが高まる可能性があります。ただし、初回手術による外反の場合、多くは1ヶ月から3ヶ月程度の期間で自然に戻ることが多く、周囲からはほとんど気づかれないレベルにまで回復するケースが一般的であるとされています。
1.3. 生活習慣の影響:喫煙
手術の安全性や回復過程には、患者様の生活習慣も大きく影響します。特に「ヘビースモーカー」と呼ばれる喫煙習慣のある方は、手術時の出血量が増えたり、腫れが長引いたりするリスクが高まります。タバコを吸うと末梢血管が収縮し、血流が悪くなりがちですが、この血流の悪化がかえって新しい血管を生やそうとする反応を引き起こし、奇妙な毛細血管が入り込んだり、血管が潰れては再生を繰り返すような状態になります。これにより、異常な出血や腫れが長引く原因となることがあります。
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2. 修正手術(再手術)の極めて高い難易度
クマ治療の中でも、特に「他院修正」と呼ばれる2回目以降の手術は、初回手術に比べて飛躍的に難易度が上がると言われています。その理由は、一度手術を受けていることで、まぶたの内部組織が初回手術時とは大きく異なる状態になっているためです。
2.1. 修正手術が難しい理由
初回手術で内部を触っているため、組織が癒着したり、繊維化したりしていることが多いです。本来あるべき解剖学的な構造が変化しているため、「あるはずのものがなかったり、ないはずのものが存在したりする」という予測不能な状況が起こりえます。また、初回手術で異物が挿入されているケースもあり、これらの要因が修正手術の難易度をさらに高めます。手術時間も、初回手術と比較して長時間に及ぶことが多い傾向にあります。
2.2. 特に高難度とされる修正手術
修正手術の中でも、特に難易度が高いとされるケースが二つ挙げられます。
• 表ハムラのやり直し: 5年~10年前に表ハムラ手術を受け、再びシワやたるみが出てきたため、もう一度切開して修正を行う場合です。初回手術と比較して、外反のリスクが飛躍的に高まります。修正手術では、皮膚を切除できる量に限界があったり、下まぶたの一部を物理的に切り取って縫い合わせることで下垂を防ぐといった、より複雑な操作が必要になることがあります。これは、昔から修正手術の中でも特に難しいとされてきた方法の一つです。
• 裏ハムラにミッドフェイスリフトを加えた修正: 近年普及してきた裏ハムラですが、この手術にミッドフェイスリフトが併用されている場合の修正は、特に難しいとされています。ミッドフェイスリフトにはいくつかの種類がありますが、裏ハムラと併用されている場合、下まぶたの脂肪と頬の脂肪が癒着していることが多く、どこまでが眼窩脂肪なのか判別が困難な状態になっていることがあります。また、非常に強い癒着が見られることが多く、これが修正手術の難易度を格段に引き上げる要因となります。
このように、初回手術で複雑な手技が用いられているほど、2回目以降の修正手術はさらに難しくなる傾向にあります。
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3. クマ治療の最適なタイミングと長期的なメンテナンスの重要性
クマ治療は、適切なタイミングで受けることと、その後の継続的なメンテナンスが、長期的な効果を維持するために非常に重要です。
3.1. 若年での初回手術のメリット
一般的に、30代~40代までの間に一度クマ治療を検討することをおすすめします。若年で治療を行うことで、比較的軽度の手術で改善が見込めるケースが多く、身体への負担も少なく済む傾向にあります。もちろん、その後も加齢に伴ってシワやたるみが出てくる可能性はありますが、初回の手術で土台を整えておくことで、その後の老化の進行を遅らせ、一つ一つの治療の負担を軽くできるというメリットがあります。例えば、10年後に現れるはずのたるみを20年後まで先延ばしできる可能性もあります。
もし、高齢になるまでクマを放置し、シワやたるみが進行してから一気に治療を行おうとすると、前述したような高リスク・高難度の「表ハムラ」のような重い手術が必要となり、患者様への負担も大きくなる可能性があります。
3.2. 治療後の継続的なメンテナンス
手術を受けたらそれで終わり、というわけではありません。クマ治療の効果を長持ちさせ、若々しい印象を維持するためには、日々のホームケアや定期的なメンテナンスが不可欠です
• ホームケア: 保湿、日焼け予防は非常に重要です。そして最も大切なのは「目をこすらない」ことです。目をこすると、色素沈着だけでなく、たるみやシワの原因にもなるため、目の周りは優しく、愛護的に扱うことが重要です。
• クリニックでのメンテナンス: 手術後にヒアルロン酸を注入したり、皮膚の引き締め効果のある「ハイフシャワー」や「フラクショナルレーザー」といったレーザー治療を定期的に受けることも有効です。美容院に行くような感覚で、定期的にクリニックを訪れることをおすすめします。
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4. 専門的なクリニック選びの重要性
クマ治療、特に高難度とされる手術や修正手術を検討する際には、クリニック選びが非常に重要です。
4.1. 経験豊富な専門医の選択
高リスクな状態の患者様が、経験の少ないドクターや、クマ治療を専門としていないクリニックに行った場合、治療が難しいと断られる可能性もゼロではありません。しかし、多くの症例をこなし、クマ治療を専門的に行っているクリニックであれば、そういったハイリスクなケースに対しても、豊富な経験に基づいて適切な治療法を提案し、対応することが可能です。
4.2. 患者様との丁寧なすり合わせ
どのような治療法を選択するにしても、たとえ専門クリニックであっても、比較的小さな手術に比べてリスクが上がる可能性はあります。そのため、患者様一人ひとりの状態や希望をしっかりとヒアリングし、リスクと効果について丁寧にすり合わせながら、最適な治療方法を共に決定していくことが不可欠です。不安な点や疑問点は、遠慮なく医師に相談し、納得のいくまで話し合うことが、安全で満足のいく結果につながる第一歩となります。
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まとめ
クマ治療は、その種類や患者様の状態によって難易度が大きく異なります。特に、高齢の方の表ハムラ手術や、過去に複雑な手術を受けている場合の修正手術は「高難度」とされます。
若いうちに一度治療を行い、その後も継続的なメンテナンスを怠らないことで、加齢による影響を最小限に抑え、長期的に若々しい印象を保つことができる可能性が高まります。
もしクマ治療でお悩みであれば、ご自身の状態を正確に把握し、豊富な経験と専門知識を持つクリニックで、医師と十分に相談しながら、最適な治療プランを見つけることを強くお勧めします。安心して治療に臨むためにも、まずは信頼できる専門医にご相談ください。