こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
目の下のクマは、顔の印象を大きく左右する悩みの種です。一口にクマ治療と言っても、その方法は多岐にわたり、クリニックや医師によって推奨するアプローチが異なります。特に「目の下のクマ取りに脂肪注入は必要か?」という問いに対しては、様々な意見が交わされており、中には脂肪注入自体を否定する声も聞かれます。
今回は、目の下のクマ取り治療における脂肪注入の役割とその重要性について、形成外科医の視点から詳しく解説していきます。脂肪注入に対する誤解を解き、その利点と理論を深く理解することで、ご自身に最適な治療法を見つける一助となれば幸いです。
クマ取り治療における脂肪注入の具体的な役割と当院のアプローチ
クマ治療は、主に裏ハムラ法(目の裏側から脂肪を移動させる方法)をメインとする医師もいれば、クマ取り(余分な脂肪を除去)と脂肪注入を組み合わせる方法をメインとする医師もいます。中には、クマ治療は裏ハムラ法しかしない、あるいはクマ取りしかしないといった極端な方針の医師も存在します。当院では、それぞれの治療方法には一長一短があり、メリットもあれば限界もあるため、患者様の状態に応じて使い分けることが重要だと考えています。
当院において、クマ取りと脂肪注入を組み合わせる場合、脂肪注入の主な目的は、へこみの改善にあります。特に、ほっぺたの前面に生じるへこみに対して脂肪注入を行っています。また、目のすぐ下のへこみに対しても、少量ではありますが脂肪を注入することがあります。
さらに、青クマが強い方の場合にも、脂肪注入が有効な場合があります。ナノリッチと呼ばれる方法で、目のすぐ下の皮膚と筋肉の間に細かく少量の脂肪を注入することで、その黄色い脂肪が、透けて見えている青い筋肉の色を遮蔽し、色合いを改善する効果が期待できます。この際、脂肪の定着率には限界があり、注入した脂肪がすべて定着するわけではありませんが、全く注入しないよりも、色合いが良くなる傾向があるため、治療に加えることがあります。
クマ取り単独治療と脂肪注入併用治療の比較
クマ取り治療において、脂肪注入を併用することの大きな利点は、より滑らかな仕上がりが期待できる点にあります。目の下のへこみやすい部分に脂肪を注入することで、クマ取りで余分な脂肪を除去した後の皮膚のたるみや凹凸感を軽減し、自然な目元を形成しやすくなります。脂肪注入した脂肪は、全てが定着するわけではありませんが、少しでも定着することで、クマ取り単独の場合と比較して、より目元が滑らかに見える効果が期待できます。
脂肪注入に対する否定的な意見とその反論
目の下のクマ治療における脂肪注入に対しては、否定的な意見を持つ医師やクリニックも存在します。大きく分けて、以下の2つのパターンに分類できます。
1. 顔への脂肪注入そのものを全否定する意見。
2. 顔への脂肪注入は否定しないものの、特に目の下への注入は良くないと主張する意見。
これらの意見に対して、形成外科医としての見地から反論を述べさせていただきます。
1. 顔への脂肪注入そのものを否定する意見への反論
形成外科の経験を持つ医師からすれば、顔への脂肪注入そのものを否定する見解は、少々疑問符がつくものです。私自身も、顔面神経麻痺や顔面変形を専門とする病院で長く勤務していましたが、形成外科の大学病院では、病気によって顔が変形してしまった患者様に対し、ごく普通に、美容目的での注入量の数倍もの脂肪を注入する治療が行われています。このような治療において、脂肪注入が問題視されたことはありません。
大学病院などの医療現場で、病的な変形を治療するために長年使用されてきた実績のある治療法自体を、そもそも論として否定するのは、妥当ではないと言えるでしょう。
2. 目の下への脂肪注入を否定する意見への反論
目の下への脂肪注入を否定する医師は、「定着率が悪く、注入してもすぐに吸収されてしまう」「笑った時に不自然に盛り上がる」「長年経過するとどうなるか分からない」「変なしこりが残る可能性がある」といった点を根拠に挙げることが多いようです。また、「解剖学的に目の下には脂肪がないため、注入しても定着しない」という意見もあります。
しかし、これらの主張には以下のような反論が可能です。
• 合併症のリスク: 脂肪注入の合併症リスクは、確率論的に見れば、裏ハムラ法などで起こりうる合併症(見え方の違和感、外反など)と大きく変わらないとされています。他の手術にもリスクがあることを考慮すれば、脂肪注入だけを特別視する根拠にはならないと考えられます。
• 矛盾する主張: 「脂肪がくっつきにくい」と主張する一方で、「くっつきすぎるとしこりになる」という矛盾した意見が出ることがあります。これは、注入技術の重要性を示唆しているとも言えるでしょう。
• 解剖学的な根拠: 「目のすぐ下の皮膚と筋肉の間には脂肪がないからくっつかない」という意見もありますが、これは正確ではありません。脂肪が定着するためには血流が必要であり、皮膚移植と同じ原理で、血流がある場所であればどこでも脂肪は定着し得ます。目のすぐ下の皮膚と筋肉の間には、脂肪は少ないながらも血流があるため、脂肪注入が定着しないということはありません。
「くっつきにくい」場所であるからこそ、脂肪注入の技術が非常に重要になります。特に、目の下のようなデリケートな部位では、注入する脂肪の量や深さ、均一性が仕上がりに大きく影響します。形成外科医だけでなく、大手美容クリニックなどでクマ取りと脂肪注入の症例数を多くこなしている医師の中には、この注入の加減が非常に上手な方も多く、その技術が人気の要因となっています。
脂肪注入の技術と定着率の実際
目のすぐ下の領域への脂肪注入は、特に控えめに注入することが重要です。なぜなら、この部位は定着しにくい一方で、もし過剰に注入されてしまうと、しこりとして目立ちやすい場所でもあるからです。そのため、まずは少量だけ注入し、もし十分に定着しなかった場合は、期間を置いて再注入を検討するというアプローチが推奨されます。
定着率が低い部位であっても、再注入を繰り返すことで、最終的にはより多くの脂肪が定着し、改善が見込めることが多いです。
医師のスキルと治療法の選択
一部では「クマ取りに脂肪注入を推す医師はスキルがない」といった意見も見られますが、これは誤解です。クマ取り治療においても、脂肪注入においても、それぞれに高度なスキルが求められます。例えば、脂肪注入の場合、目元のような定着しにくい場所で良い結果を出すには、繊細な注入技術が不可欠です。また、クマ取り単独の施術でも、取りすぎによるへこみや再発を防ぐための技術が必要です。
特定の治療法を専門としている医師がいるとすれば、それはその医師がその治療法において高いスキルを持ち、良い結果を出しているからこそ、その治療法を積極的に選択している場合も多いのです。
当院では、裏ハムラ法、クマ取り単独、クマ取り+脂肪注入といった全てのクマ治療法に対応しており、患者様一人ひとりのクマの状態やへこみ、皮膚の状態、ライフスタイルなどを総合的に判断し、最適な治療法をご提案できる体制を整えています。
まとめ
目の下のクマ取り治療において、脂肪注入は、へこみの改善や青クマの色調改善、そしてより滑らかな仕上がりを実現するために非常に有効な手段です。形成外科領域での長年の実績がある治療法であり、その効果と安全性は確立されています。
脂肪注入に対する否定的な意見には、誤解や情報の不足によるものも多く含まれていることをご理解いただけたでしょうか。重要なのは、個々の患者様の状態に合わせた適切な治療法を選択すること、そして高度な注入技術を持つ医師を選ぶことです。
ご自身の目の下のクマについてお悩みの方は、ぜひ専門医にご相談ください。丁寧なカウンセリングを通じて、ご自身のクマの状態を正確に診断し、最適な治療法を見つけることが、理想の目元を手に入れる第一歩となるでしょう。
経結膜脱脂:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。
料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
クマ取り&脂肪注入:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。大腿内側または腹部から脂肪を採取し、目の下/ゴルゴラインに注入しハリを出しシワの改善を行います。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させ、凹みのある個所に固定し直します。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
【治療に関する注意点】
• 費用: 治療内容によって費用が異なります。
• リスク・副作用: 脂肪注入には、内出血、腫れ、感染、しこり、定着率のばらつき、左右差などのリスクや副作用が考えられます。また、裏ハムラ法などの他の治療法にも、合併症のリスクが存在します。
• 経過: 治療後の経過には個人差があります。ダウンタイムや回復期間についても、医師から十分な説明を受けてください。
クマ治療について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html