こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
クマ治療として人気が高まっている「裏ハムラ」ですが、その定義や実態は、国やクリニックによって大きく異なる可能性があります。特に韓国で広く行われている「眼窩脂肪移動術」という名称の治療は、日本で定義される裏ハムラ(裏側からハムラ法を行う手術)とは必ずしも同一ではありません。裏ハムラの詳細な定義と、再発のリスクを高める可能性のある実態について、情報源に基づき解説します。
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1.裏ハムラとは?日本における定義
裏ハムラは、正式には「経結膜的眼窩脂肪移動術」などと呼ばれ、目の下のクマやたるみを改善する治療法の一つです。日本で言うところの裏ハムラの定義は、やるべきことのハードルを上げてネーミングしていると言えます。
この手術の対象となるクマの原因は、主に以下の2点です。
1. 眼窩脂肪による膨らみ: 目の下にある眼窩脂肪が、眼窩隔膜という膜に包まれて前に押し出されている状態。
2. 靭帯による凹み(ティアトラフ): 骨の縁(頬骨など)のすぐ下に、皮膚のすぐ下から骨まで食い込むようについている頑強な靭帯があり、これがへこみの原因となっている状態。
日本で言う裏ハムラの一般的な手順は、以下の通り詳細に定義されています。
1. 結膜側から切開し、脂肪の調整を行う。
2.へこみの原因となっている靭帯を剥がす。
3. 眼窩隔膜(膜)を剥がす。
4. 膜と脂肪を一緒に引き込み、靭帯で食い込んでいた部分をならす(脂肪を移動させる)。
5. 膜ごと、あるいは脂肪ごと、固定を行う。
これにより、脂肪のせいで出ていた部分はへこみ、靭帯のせいでへこんでいた部分はならされることが期待されます。
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裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、 移動させて、凹みのある箇所に固定し直します。
料金:330,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ・取り残し、下斜筋の損傷等
2.韓国で主流の「眼窩脂肪移動術」が抱える問題
裏ハムラが流行した際、「韓国でも流行っている」「世界的に流行っている」といったセールストークが使われる経緯がありました。しかし、韓国でクマ治療に対して使われている主要なネーミングは「眼窩脂肪移動術」であり、「裏ハムラ」という言葉は使われていません。
この「眼窩脂肪移動術」というネーミングは、文字通り「眼窩の脂肪を移動してくる」という意味であり、ネーミング自体としては間違っていません。しかし、この言葉が指す治療の範囲は非常に広く、多様な実態を含んでいます。
韓国のクリニックのウェブサイトではほとんどのクマ治療が「眼窩脂肪移動術」と称されていますが、その実態は以下のように様々であると考察されています。
•日本でいう裏ハムラを行っているクリニックももちろん存在する。
•単なる脱脂(脂肪除去)のみの治療を指している場合。
• 脱脂に脂肪注入を加えた治療(クマ取り脂肪注入)を指している場合。
• 脱脂して取り出した脂肪を固定するという手法をとっている場合。
• 裏ハムラと称しながらも、脂肪の固定のみ、または膜の固定のみを行っている場合。
• 靭帯を剥がすという重要な工程(日本的な裏ハムラの定義に含まれる)を行っていない場合。
このように、眼窩脂肪移動術は広い意味で使われており、必ずしも日本の定義する裏ハムラとイコールではありません。実際、情報源では、日本でいう裏ハムラを正確に行っている韓国のクリニックはかなり少ないのではないか、と懸念されています。
治療の質と価格の懸念
裏ハムラのような複雑な手術は、基本的に数十万円といった価格帯でなければ実施が難しいと考えられています。情報源では、韓国では非常に安価に眼窩脂肪移動術が提供されているケースがあり、その価格では本来の裏ハムラのような複雑な手術はできないのではないか、と推測されています。
手術方法が多岐にわたり、中身がブラックボックスになっているため、安価な価格競争が起こりやすく、その結果、裏ハムラという言葉を使いながらも実際には脱脂や簡易的な固定に留まっているケースが存在する可能性が指摘されています。
3.日本の美容医療業界への懸念と患者様へのアドバイス
現在、韓国で見られるような「価格競争」とそれに伴う治療内容の曖昧化が、今後日本でも起きてくる可能性が懸念されています。
価格破壊をしてくるクリニックが現れ、「裏ハムラ」というネーミングを使用しながら、実際には韓国の眼窩脂肪移動術のような簡易的な手法(脱脂のみ、脂肪しか固定しない、靭帯処置をしないなど)を行うケースが出てくるかもしれないという警戒が促されています。
このような状況において、患者様が手術の中身を見分けることは非常に困難です。
症例写真の重要性
患者様としては、どんな方法であれ、結果としてクマが改善し、満足できることが一番重要です。しかし、情報源では、真面目に裏ハムラを実施しても、へこみが残ったり、再発したりするケースがあり、満足に至らない患者様もいらっしゃると指摘されています。
そのため、ご自身が希望する治療を受けるにあたり、クリニックを選ぶ際の唯一確実な指標の一つとして、「仕上がりがきれい、好みの症例写真が多いクリニック」を選ぶことが推奨されています。
裏ハムラは、脂肪吸引や脱脂のように傷跡や摘出した脂肪を見せることで「詐欺ではない」と証明できる術式と異なり、術式の中身がブラックボックス化しやすいため、いくらでも虚偽ができてしまう懸念があるのです。
まとめ
• 韓国の「眼窩脂肪移動術」は、日本の詳細に定義された「裏ハムラ」とは異なり、脱脂や脂肪注入、簡易的な固定など非常に広い範囲の手術を指す可能性があります。
• 日本での裏ハムラのネーミングは、裏からハムラ法を行うという定義を明確にしており、より真面目なネーミングセンスであると言えます。
• 「眼窩脂肪移動術」という名称は、脂肪を動かせば成立してしまうため、施術内容の言い訳がしやすく、患者にとって実態を把握しにくいネーミングです。
• 今後、日本で裏ハムラの価格競争が進むと、簡易的な手術が裏ハムラと称される現象が起こる可能性が懸念されています。
• クリニック選びにおいては、手術の中身がブラックボックスになりがちであるため、提示されている症例写真の結果を最低限確認し、満足度の高い結果が得られているかを見極めることが重要です。
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当院裏ハムラ症例

くま治療について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kuma.html