こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
今回は、顔の輪郭を整えたり、しわやへこみを改善したりする際に非常に効果的な治療法、「脂肪注入」について詳しく解説していきます。目の下のクマ治療でよく用いられる脂肪注入ですが、それ以外にも多岐にわたる美容の悩みに対応できる、優れた治療法です。
様々な注入剤がある中で、なぜヒアルロン酸やベビーコラーゲンよりも脂肪注入が向いていると言えるのか。その特徴やメリット・デメリット、そして具体的にどのような部位に適しているのか、当院統括医師の吉井健吾医師が徹底的にご説明します。
脂肪注入とは?その基本的な特徴
脂肪注入とは、ご自身の太ももやお腹などから脂肪を吸引し、それを加工して、気になる部位に注入する治療法です。この治療の大きな特徴は、比較的まとまった量の脂肪を採取できる点にあります。ヒアルロン酸やベビーコラーゲンのような既製品の注入剤に比べ、脂肪注入では、より多くの量を一度に扱うことが可能です。
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お顔の脂肪注入:大腿または腹部等から脂肪を吸引し、お顔(顔面/目の下/ゴルゴライン/おでこ/こめかみ)にコンデンスリッチまたはナノリッチに加工した脂肪を注入する手術です。
料金:1部位の場合198,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:内出血、腫れ、感染、凸凹、しこり、拘縮、引きつれ、神経障害 等
料金:1部位の場合198,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:内出血、腫れ、感染、凸凹、しこり、拘縮、引きつれ、神経障害 等
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脂肪注入の素晴らしいメリット
脂肪注入には、患者様にとって魅力的な多くのメリットがあります。
コストパフォーマンスの高さ
特定の部位にまとまった量の注入が必要な場合や、顔全体のような広い範囲を治療したい場合、既製品の注入剤では数十万円、数百万円といった費用がかかることがあります。しかし、脂肪注入はご自身の脂肪を使用するため、このようなケースではコストを抑えられる傾向にあります。
自然な馴染みやすさ
脂肪注入は、文字通り「脂肪の中に脂肪を注入する」ため、自然に組織に馴染みやすいという特徴があります。異物感が少なく、顔の表情や動きに合わせて違和感なく溶け込みます。
半永久的な持続性
注入された脂肪が一度生着(定着)すれば、その部分はほぼ半永久的に残ります。ある程度の脂肪は体内に吸収されてしまいますが、定着した脂肪は長期にわたってその効果を維持するため、メンテナンスの手間が少ないのが魅力です。
複数の悩みを一度に解決
「おでこ」や「こめかみ」のように、比較的広い範囲でのボリュームアップが必要な箇所や、顔全体のバランスを整えたいという方には、脂肪注入が適しています。一度の手術で多くの部位をカバーできるため、効率的な治療が可能です。
脂肪注入のデメリットと注意点
良いことばかりではありません。脂肪注入は体に負担がかかる「外科手術」です。
ダウンタイムの存在
脂肪注入は点滴麻酔で眠っている間に行われる軽い手術ではありますが、脂肪を採取する部位(太ももやお腹など)には、術後1週間程度、筋肉痛のような痛みが続くことがあります。また、脂肪を注入する顔の部位にも麻酔や出血の影響でむくみや腫れといったダウンタイムが生じます。ヒアルロン酸やベビーコラーゲンがその場で注入してすぐに帰宅できるのと比較すると、患者様への負担はやや大きくなります。
脂肪の吸収について
注入した脂肪は、時間の経過とともに体内に吸収される部分があります。そのため、最終的に定着する量を考慮して、多めに注入する等の治療計画が立てられます。
定着率の個人差
脂肪の定着率には個人差があります。例えば、ご高齢の方や喫煙習慣のある方、あるいは注入部位を頻繁にこすったり触ったりする癖のある方は、脂肪が定着しにくい傾向にあります。しかし、たとえ1回目の定着率が低かったとしても、1〜2回の再注入を行うことで、かなりの部分が定着し、非常に美しい仕上がりになるケースも多いです。
脂肪注入が特に効果的な部位
では、具体的にどのような部位に脂肪注入を行うと良いのでしょうか。
目の下のクマ治療
目の下のクマ治療では、頬骨の前面に注入することが多いです。頬骨がこけている方には特に有効です。ヒアルロン酸のように1点に集中して注入するのではなく、広範囲にわたって均一に注入することで、滑らかで自然な仕上がりを目指します。
頬のこけ(側面)
頬の側面がこけている方にとって、脂肪注入は非常に有効です。この部位は脂肪が定着しやすいため、ヒアルロン酸よりも脂肪注入の方が適している可能性が高いと言えます。
おでこ・こめかみ
特に女性の場合、加齢によっておでこが頭蓋骨に沿うようにへこんでくると、「男性的」に見えたり「疲れて見える」と感じる方が多くいらっしゃいます。おでこに注入する際は、不自然に盛り上がらないよう、こめかみにも同時に注入することで、自然で滑らかな輪郭を形成することが推奨されます。この部位は、顔全体の印象を大きく左右するため、人気のある治療部位です。
目のすぐ下の小じわ・青クマ対策
目のすぐ下の皮膚に少量注入することで、主に以下の3つの効果が期待できます。
1. 目の下と頬の境界線を滑らかにする。
2. 特に40代以上の方で、クマ取り手術後に小じわが目立つ場合、皮膚の直下に脂肪を注入することでハリを出し、小じわを目立たなくする。
3. 青クマの改善:目の下の皮膚のすぐ下には眼輪筋という筋肉があり、これが透けて青く見えることがあります。この筋肉と皮膚の間に黄色い脂肪を注入することで、筋肉の赤い色を遮断し、肌色に近い状態に見せる効果が期待できます。
ほうれい線
ほうれい線への注入も行われますが、口元は常に動かす部位であるため、注入された脂肪が吸収されやすい傾向があります。そのため、おでこやクマ治療など、他の部位の脂肪注入と同時に行う「ついでに」という形で治療を提案されることが多いです。
脂肪注入があまり推奨されない部位(と代替案)
全ての部位に脂肪注入が最適というわけではありません。
マリオネットラインや顎
これらの部位は、皮膚がタイトすぎて脂肪が定着しにくかったり、逆に顔の下方であるため脂肪が移動しやすかったりすることがあります。当院では、患者様のお顔の状態によってはヒアルロン酸注入の方が適していると判断し、そちらを推奨することもあります。
鼻
鼻は皮膚の張りが非常に強く、脂肪が定着しにくい部位です。また、脂肪が不自然に移動してしまい、別の凹凸が生じるリスクも考慮されます。この場合も、ヒアルロン酸注入が推奨されることが多いです。
涙袋
涙袋の皮膚は非常に個人差が大きく、タイトな方から非常に柔らかい方まで様々です。そのため、脂肪注入の定着や形状のコントロールが難しい傾向にあり、患者様のお目元の状態によってはヒアルロン酸注入を推奨することもあります。
脂肪注入の最終的な評価とメッセージ
脂肪注入は、大学病院などでも顔面麻痺や顔面変形などの治療に古くから用いられてきた歴史ある治療法であり、保険診療でも普及している技術です。
確かに、脂肪の定着率には個人差があり、高齢の方や喫煙者、注入部位を触る癖がある方などは、脂肪が吸収されやすい傾向があります。しかし、脂肪注入は、一度しっかり定着すれば非常に美しい結果をもたらし、半永久的な持続性が期待できる、優れた治療法です。
もし一度で十分に定着しなかったとしても、再注入を重ねることで、より多くの脂肪が定着し、理想に近い状態に近づけることが可能です。
ご自身の脂肪を使った自然で長期的な若返りや、顔のバランスを整えたいとお考えの方は、ぜひ一度、脂肪注入をご検討ください。経験豊富な当院の医師に、ぜひご相談にお越しいただけますと幸いです。
脂肪注入について、詳しくはこちらをご覧ください:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/liposuction.html