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凍結脂肪注入は「悪」か?リスク、注意点、そして患者さんが知るべき判断基準

こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
近年、美容医療の分野、特にたるみ治療における脂肪注入や豊胸術(脂肪豊胸)において、「凍結脂肪の注入」という概念がSNS上でも大きな話題となっています
本日は凍結脂肪の注入について、当院統括医師の吉井健吾医師が詳しく解説していきます。

凍結脂肪の注入とは?


脂肪注入は、採取した脂肪細胞を気になる部位に注入することで、ボリュームアップや若返りを図る手法です
。しかし、注入した脂肪は必ずしも全てが生着するわけではなく、ある程度の脂肪は体内で消失してしまうというリスクがあります

もし、注入した脂肪が大幅になくなってしまった場合、再度注入が必要となりますが、その際に理想的とされるのは、もう一度脂肪吸引を行い、新鮮な脂肪を注入することです
ここで問題となるのが、患者さんの負担です。脂肪吸引は通常、太ももやお腹などの部位から行われますが、再度の吸引は、その部位に再び傷を作り、痛みを伴います。この再度の負担を避けたいというニーズから生まれたのが、「凍結脂肪」の考え方です。※当院では、凍結脂肪は行っておりません。

患者さんにとっての凍結脂肪の魅力

凍結脂肪注入では、1回目の脂肪吸引・注入の際に、将来的な再注入を見越して多めに脂肪を採取し、その一部を冷凍保存しておきます。これにより、注入部位以外の脂肪吸引による傷は1回で済み、患者さんの身体的な負担を軽減できるという大きなメリットがあるように見えます

凍結脂肪を巡る議論:生着率の低下としこりの懸念

しかし、この凍結脂肪の考え方については、多くの美容外科医の間で賛否両論があり、SNS上でも活発な議論が交わされています
議論の中心は、「脂肪を一度凍らせると、脂肪細胞がほとんど死んでしまうのではないか?」という懸念です
1. 脂肪細胞のダメージと生着率
凍結した脂肪は、採取してそのまま注入する新鮮な脂肪に比べて、圧倒的に生着率が落ちると考えられています。どんな方法で凍結させたとしても、脂肪はある程度傷んでしまうのは避けられません
具体的な定着率の例として、もし2回注入するために合計600ccの脂肪を採取し、300ccを初回に注入し、残りの300ccを凍結・解凍・遠心分離にかけた場合、凍結した300ccのうち約150cc程度が使用できなくなる(ダメになる)と想定されます。その場合、都度新鮮な脂肪を300ccずつ採取して注入する方が、より多くの生きた脂肪細胞を注入できることになります
2. しこり(硬結)やオイルシストのリスク
最近SNSで話題になった事例として、凍結脂肪を使って豊胸術を受けた後に、エコー検査でゴリゴリとしたオイルシスト(油の塊)やしこりが様々な部位に見つかり、困っているという患者さんの投稿がありました
生きている脂肪細胞がなくなってしまったり、脂肪細胞自体が傷ついてしまっていると、このようなしこりができやすくなるのではないかという懸念が指摘されています。極端な意見として、「凍結脂肪は全て死んだ細胞であり、非常に危険である」と患者さんの不安を煽るような発言をするドクターもいますが、全ての細胞が死滅するという可能性は低いものの、細胞が傷んでいる部分は多いと考えられます
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多くのドクターの基本的なスタンスとしては、脂肪豊胸であれ、たるみ治療であれ、できる限りその都度(都度)脂肪を吸引し、注入する方が良いと考えています。特に、顔回りや目の下といった、少ない注入量を繊細に扱う必要がある部位では、都度採取した脂肪の利用が推奨されます
しかし、凍結脂肪を否定的に捉える意見に対し、中には「凍結の方法次第で脂肪細胞は保護できる」と主張するドクターもいます

凍結の質が重要であるという主張

脂肪細胞や幹細胞を適切に保存するための高度な凍結技術を用いることで、細胞が死ぬのを防ぐことができるという考え方です
この「きちんとした凍結の仕方」には、以下のような手間のかかる段階が必須となります
1. 凍結保護剤の添加:脂肪に凍結保護剤を添加する
2. 段階的な冷却:毎分1~2度ずつといった速度で、徐々に時間をかけて冷やしていく
3. 二段階凍結:-80°Cで一旦凍結した後、さらに-200°C程度で再凍結し、長期保存する
4. 急速解凍:解凍時には38°Cの湯煎で急速に解凍を行う
このような段階を経ることで、脂肪細胞は保護され、生きた状態を保てるとする報告もあります

患者さんが知るべき現実と、安全のための選択

「きちんとやればできる」という話は、確かにその通りかもしれませんが、患者さん目線で考えると、大きな壁があります

クリニック間の技術格差

上記の二段階凍結や精密な温度管理といった、手間のかかる適切な凍結・解凍の方法を実行するには、特別な設備やノウハウが必要です。しかし、日本のほとんどのクリニックは、基本的な-80°Cの冷凍庫しか保有していないのが現状です
「適切な凍結ができるクリニック」と「できないクリニック」が存在する中で、患者さんがその見分けをつけるのは非常に困難です

患者さんへの推奨

現時点では、高度な凍結技術がどのクリニックでも簡単に、確実に行えるような方法が確立されていないため、患者さんとしては一歩引いて、様子を見ておくのが賢明であると考えます
もちろん、今後、どんなクリニックでも簡便な方法で脂肪細胞を生かしたまま凍結・解凍できる技術が確立されれば、凍結脂肪の注入は広く普及していくでしょう
しかし、現時点において、最も安全で確実な手術のやり方として推奨されるのは、吸引部位に負担がかかることを受け入れて、毎回、新鮮な脂肪を吸引し、注入していただくことです。これにより、ダウンタイムや痛みは増えますが、生着率の高い、確実な治療を受けることができます
凍結脂肪注入を検討される際は、そのメリット(再吸引の負担軽減)と、現在の技術的な限界やリスク(生着率の低下、しこりの可能性)を総合的に理解した上で、慎重に判断することが重要です。

ご参考

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お顔の脂肪吸引2部位(頬・顎下)
施術内容:頬/顎下/ジョール/メーラー/バッカルから脂肪吸引を行う手術です。
料金:2部位の場合297,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:左右差、凹凸、拘縮、引きつれ、感染、血管損傷、血管塞栓 等
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お顔の脂肪注入:大腿または腹部等から脂肪を吸引し、お顔(顔面/目の下/ゴルゴライン/おでこ/こめかみ)にコンデンスリッチまたはナノリッチに加工した脂肪を注入する手術です。
料金:1部位の場合198,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:内出血、腫れ、感染、凸凹、しこり、拘縮、引きつれ、神経障害 等
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脂肪豊胸:ご自身の脂肪を採取し、その脂肪細胞を胸部に注入します。豊胸と部分痩せが同時に可能な手術。
料金:275,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:出血、腫れ、感染、石灰化、左右差、乳房の知覚低下、過敏 等
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脂肪吸引・脂肪注入について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/liposuction.html
脂肪豊胸について詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/breast.html
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日付: 2025年10月3日   カテゴリ:形成外科手術

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