1. 目の上のたるみ・くぼみはなぜ生じるのか?三つの主な原因
一言で「たるみ」といっても、その症状の現れ方(皮膚の余剰、くぼみ、厚ぼったさ)によって、原因は複合的であることがほとんどです。原因1:皮膚のたるみ(皮膚余剰)
最も広く認識されているのが、加齢による皮膚の伸びです。40代、50代以上になってくると、まぶたの皮膚も伸びて垂れ下がり、視野に入って重たい感じがしたり、二重の線にかぶさってきたりします。特に、外側が垂れ下がるケースが多いため、多くの方が眉尻の外側のもたつきを気にされます。原因2:眼瞼下垂(目の開きの筋肉の弱り)
目の奥からまぶたの端にかけて走る眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉が、年齢とともに伸びて緩んでくることで、目が十分に開ききらない「半開き」のような状態になります。これが眼瞼下垂です。 眼瞼下垂が原因の場合、単に皮膚が垂れ下がって見えるだけでなく、目の開きが弱いため、目の上がくぼんで見えたり(三健/三重)、二重が多重になったりします。40代以上の方であれば、大なり小なり眼瞼下垂を抱えていることが多く、「目が重たいように感じる」たるみ感の原因になっていることがあります。 (上眼瞼下垂手術:眼瞼の皮膚を切除し下層にある筋肉(挙筋)を前転することにより、上まぶたのたるみ・下垂を改善する手術です。 料金:352,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:乱視、再発、左右差等)原因3:脂肪組織の厚み(ルーフ、眼窩脂肪)
若くしてまぶたが厚ぼったい、あるいはたるみが気になる方は、元々ここのお肉が多いこと(眼窩脂肪)や、皮膚自体の厚み、そしてルーフ(ROOF)と呼ばれる眼輪筋と眼窩隔膜の間の脂肪が原因であることがあります。ルーフや分厚い眼輪筋の処理は、まぶたをすっきりさせる上で非常に重要です。 (ROOF・眼窩脂肪切除 オプション+66,000円~※料金は変更となる可能性がございます)2. たるみ治療の二大切開術:眉下切開 vs 二重ライン切開
皮膚のたるみに対する外科的アプローチとして、主に「眉下切開」と「二重のラインでの皮膚切除」が用いられます。どちらを選択するかは、たるみの程度、部位、そして患者様の希望する仕上がりによって異なります。A. 眉下切開(眉下リフト)の優位性と適応
眉下切開は、眉毛のすぐ下のラインで皮膚を切除し、縫い合わせることで、上まぶたのたるみを引き上げる方法です。 ・適応となる方: たるみが気になる方の大部分は、真ん中から外側にかけてのたるみを気にされるケースが多いため、眉下切開の適応となる方が幅広いです。特に、目の印象を変えずにたるみだけを改善したい方に適しています。 ・メリット: ①切除量の多さ: 眉下切開は比較的多くの皮膚を切除できるため、しっかりとたるみを解消できます。 ②目の印象の変化が少ない: 二重のラインを大きく変えることなく、上まぶたをすっきりさせることができます。 ③傷跡の目立たなさ: 傷跡は眉毛の下のラインに一致するため、傷がほとんど目立たないのが大きなメリットです。目を開けている状態では基本的にわからず、時間とともに綺麗に治癒します。B. 二重のラインでの皮膚切除の限界と適応
二重のラインに沿って切開し、皮膚を切除する方法です。 ・メリット: 手術の傷跡が二重の線に一致するため、傷が目立たないという点では優れています。 ・デメリットと適応の限界: ①切除量の限界: 皮膚切除できる量はそんなに多くありません。人間のたるみは外側が進行しやすいですが、二重のラインは外側まで長くないため、外側の皮膚を多く取ることは難しいです。 ②厚い皮膚が降りる問題: まつ毛に近い皮膚は薄く、眉毛に近い皮膚は分厚いという構造上の問題があります。二重のラインでたくさん皮膚を切除すると、分厚い皮膚が下の方に降りてきてしまい、まぶたが分厚く見えたり、「変な目」に見えたりするリスクがあります。 ・適応: 二重のラインからまつ毛までの距離が伸びてきている方や、二重の幅を少し狭くしたい、あるいは三重・四重になってしまう方の微妙な調節をしたい場合に検討されます。皮膚の量が多くない若い人で、わずかな皮膚の余剰を改善したい場合に適しています。 (眉下切開:眉毛の下で皮膚を切除することにより、上まぶたのたるみを改善する手術です。 料金:275,000円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:出血、腫れ、糸の露出、感染、後戻り 等)3. 眼瞼下垂と脂肪組織の処理:根本的な解決のために
たるみが皮膚余剰だけでなく、目の開き(眼瞼下垂)や脂肪の厚さに起因する場合は、複合的な治療が必要です。1. 眼瞼下垂手術(挙筋前転法)
目の上がくぼんでいる、三重・四重になっている、重たい感じがする、といった症状の原因が眼瞼下垂であれば、緩んだ眼瞼挙筋を短くして引き上げる手術(挙筋前転法)が根本的な解決になります。 眼瞼下垂の手術は、目の開きを良くするだけでなく、たるみだけでなくくぼみにも効果があることが多いです。40代以上の方は少なからず下垂があるため、「目の上の集まったさというよりは、本当にちょっと重たい」と感じるたるみ感は、眼瞼下垂手術によって改善する可能性があります。2. 脂肪組織(ルーフ)の処理
まぶたが厚い患者様や、若くして厚ぼったさが気になる方は、ルーフ(眼輪筋と隔膜の間の脂肪)や眼窩脂肪の処理が必要です。 切開手術を行う際には、まぶたをすっきりさせる目的で、これらの脂肪組織を適切に除去します。まぶたが分厚い方の場合、眼輪筋の厚みがある部分を薄くして切り取る処置も行われます。3. 非切開治療(ハイフ、埋没法)の限界
たるみが非常に軽度な若い方であれば、ハイフ(HIFU)や高周波(RF)を定期的に繰り返すことで、予防的な効果や軽度の改善が期待できます。 ただし、二重の埋没法でたるみを解決しようとする場合、一時的に幅広い二重を作ることで皮膚が被るのを防げますが、皮膚の長さ自体が変わらないため、しばらくすると皮膚が伸びて戻ってきやすいという限界があります。特にたるみが進んだ年配の方には、効果が長続きしない可能性があります。 (ハイフ:超音波の熱を、お肌表面にダメージを与えることなく、狙った組織に集中照射して効果を得る治療です。たるみ治療や浅い層へのアプローチにより肌質改善に効果的です。 料金:18,700円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:発赤、浮腫、熱傷、内出血、異常感覚等) (デンシティ:RF(高周波)治療を照射してお肌の表層部や深部の脂肪組織に熱を与えることで、ハリ感を持たせ、たるみを予防・治療します。 料金:36,300円~※料金は変更となる可能性がございます リスク・副作用:内出血・腫れ・疼痛・ひきつれ・ツッパリ感・熱傷・神経障害など)4. 複合的な治療と原因の見極めの重要性
美容医療の治療は、一つの箇所だけを独立して考えるのではなく、顔全体のバランスを見て行うことが非常に重要です。 1. 目の上下の同時治療: 目の下のたるみ治療をされる方は非常に多いですが、下のたるみだけを治療し、上がたるんだ状態のままでは不自然な印象を与えます。特に50代、60代以上でたるみが進行している場合、上下のバランスを整えるために、眉下切開など切る治療を同時に検討することが合理的です。 2. ダウンタイムの集約: 他の切開手術を検討している場合、「せっかく切るならダウンタイムをまとめよう」という理由で、眉下切開や目の下のたるみ治療を同時に行うケースが多いです。切る治療は、非切開治療よりも実感できる効果が大きいため、複合的に行うことで満足度も高くなります。 結論として、 目の上のたるみやくぼみへのアプローチの成功は、皮膚のたるみ、眼瞼下垂、脂肪組織の厚みなど、何が原因かをドクターがしっかり見極め、顔全体のバランスと本人の優先順位を考慮した上で、最適な治療法を選択することにかかっています。安易な治療に走らず、専門性の高いドクターに相談することが、後悔のない結果へと繋がるでしょう。 詳しくはこちら 上眼瞼下垂手術:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/kasui.html 眉下切開:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/eyebrow_lift.html ハイフ:https://www.ochanomizubiyou.com/beauty/ultraforma.html デンシティ:https://www.ochanomizubiyou.com/beauty/density.htmlご予約や当院ホームページから
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