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こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
40代、50代という年齢に差し掛かると、たるみ治療について真剣に考え始める方が多くなります。有名なハイフ(HIFU)やウルセラ、ウルトラフォーマー、ウルトラセルといった超音波治療や、糸リフト(スレッドリフト)などの非切開治療を既に試している方も多いでしょう。
しかし、「お金をかけたのに、思ったほど効果が出ないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。そして、そういった方々の頭をよぎるのが、「そろそろ切開が必要なのだろうか」という問いです。
たるみ治療において、最も効果が期待できるのは、やはり「切る」フェイスリフト、すなわち切開フェイスリフトです。それにもかかわらず、「切る」という行為に対しては、多くの人が身構えてしまい、ハードルが高いと感じています。顔が動かなくなったらどうしよう、ダウンタイムが非常に長くなるのではないか、といった心配から、本当に切るフェイスリフトが必要なのかと疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、たるみの根本原因から、切開フェイスリフトの適用となるケース、そして切らない方法で十分な効果が期待できるケースについて、詳しく解説していきます。
(ハイフ:超音波の熱を、お肌表面にダメージを与えることなく、狙った組織に集中照射して効果を得る治療です。たるみ治療や浅い層へのアプローチにより肌質改善に効果的です。
料金:18,700円~※料金は変更となる可能がございます
リスク・副作用:発赤、浮腫、熱傷、内出血、異常感覚等)
(糸リフト:メスを使うことなく、吸収性の糸をこめかみ辺りなどから挿入することで、お顔のたるみ改善・予防、全体的な引き締めが期待できます。
料金:33,000円~※料金は変更となる可能がございます
リスク・副作用:内出血、腫れ、疼痛、ひきつれ、ツッパリ感、感染、左右差、凸凹等)
たるみの根本的な原因は「やつれ」にある
ご自身のたるみタイプを把握するためには、まずたるみの根本原因を知ることが重要です。
加齢に伴うたるみの最大の原因は、「やつれ」にあると考えられています。
年を取ると、皮膚は慢性的な乾燥や経年劣化によって伸びてきます。その一方で、その下にある脂肪組織や、土台となる骨のボリュームが萎縮(やつれてくる)のです。結果として、一番表層の伸びた皮膚が、土台のボリュームロスによって余り、たるんで見えるようになるのです。これが、加齢に伴って生じるたるみの主な原因です。
治療の方向性はたるみの種類によって変わる
たるみ治療の方針は、この「やつれ」の程度や、たるみの種類によって大きく異なります。
1. ボリュームが「多い」ことによる、たるみ
20代や30代でたるみが気になる方、あるいは40代・50代であっても20代・30代の頃から顔にお肉がついていて、それがたるみとなって見える方々も中にはいます。このタイプのたるみは、お肉が余っている、つまり脂肪が溜まっていることが原因です。
この場合、治療の方向性は「引き算」になります。
- ・フェイスラインの脂肪吸引
- ・糸リフトやハイフなどで引き締めていく治療
これらの治療は、お肉が余っている方にとっては効果的で、脂肪吸引などは一発で効果が出やすい傾向があります。
2. ボリュームの「やつれ」によるたるみ
40代・50代以降に多く見られる、加齢による「やつれ」が原因のたるみの場合、治療の方向性はさらに細かく分かれます。
- ・軽度のやつれの場合
- 注入治療 :やつれの程度が軽い段階であれば、切開リフトまで進む必要はありません。この場合、土台のボリュームロスを補う「足し算」の治療、すなわち注入治療が有効です。 例えば、お腹や太ももから脂肪を吸引して、おでこやこめかみ、頬などに注入する脂肪注入。脂肪注入は長期間効果が持続するため、コストパフォーマンスが良いとされます。軽いコケ具合であれば、手軽なヒアルロン酸の注入も選択肢になります。
- ・中等度以上のやつれ、皮膚の余りが大きい場合
- 切開フェイスリフト:注入治療をしても、たるみに追いつかないほどの皮膚の余りが出てきてしまった場合、いよいよ切開フェイスリフトの適用になってきます。特に、マリオネットラインや口元のたるみが目立ち、皮膚がここに溜まってブルドッグのような線状のたるみができている方、そして注入治療では十分な改善が見込めない方は、切開リフトを検討すべき段階です。
切開フェイスリフトの適用となるケースと最適な時期
切開フェイスリフトは、たるみ治療の中で最も強力な治療法です。
どんな人に切開リフトは必要か?
皮膚の余りが大きくなればなるほど、切開フェイスリフトが必要になります。
また、例外的に、若い頃に骨切り手術をされた方や、骨切りに加えて脂肪吸引もされた方は、比較的早い段階(30代後半や40代)から皮膚のたるみ(マリオネットラインなど)が気になることがあり、フェイスリフトの適用となる場合があります。
(フェイスリフト:皮膚を切開し、余分な筋膜や皮膚を切除することでお顔のたるみが改善されます。
料金:495,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:出血、腫れ、感染、傷跡、瘢痕、顔面の知覚鈍麻、たるみの後戻り等)
最も効果を実感できる年齢層
切開フェイスリフトは、一般的に40代から60代ぐらいまでが「やり頃」と言われています。
当院では70代、80代の方にもフェイスリフトを行っていますが、加齢により皮膚の強度が低下しているため、最も強いたるみ治療である切開リフトであっても、70代、80代では後戻りの程度が少し強くなる傾向があります。そのため、最も効果を実感できる最適な時期は40代から60代であるとされています。
1. 40代前後(骨切り手術歴あり)の症例
- 患者:40歳前後の女性で、過去に骨切り手術をされており、マリオネットラインのシワが特に気になっていました。
- 術式:ミドルフェイスリフト。
- 結果:術後1ヶ月の時点で、特に食い込みが強かった左側のマリオネットラインはかなり浅くなり、フェイスラインはシュッと改善されました。術後3ヶ月が経過しても、手術によるむくみが完全に改善され、効果は持続しています。

2. 60歳前後の症例(長期経過)
- 患者:60歳前後の女性で、過去にフェイスラインの手術歴はありませんでした。
- 術式:ミドルフェイスリフト。
- 結果:術後10ヶ月の時点でも、下顔面のマリオネットライン周辺のもたつきが大幅に改善しました。さらに術後1年半の長期経過でも、フェイスラインの違いがはっきりと確認でき、後戻りは限定的で、効果がしっかり維持されていました。

3. 60代後半以上の症例(後戻りや適用範囲)
60代後半以降は、皮膚の余りが大きくなるため、フルフェイスリフトが適用になることが増えますが、皮膚の強度が低下しているため、後戻りの程度が少し強くなる傾向があります。
- 70歳前後の女性(フルフェイスリフト適用):術後半年でフェイスラインがシュッとし、マリオネットラインは完全に消えはしないものの浅くなっていることが確認されました。

- 70代前半の女性(ミドルフェイスリフト希望):本来はフルフェイスリフトが適応でしたが、抵抗がありミドルフェイスリフトを実施しました。本ケースでは、術後1ヶ月でマリオネットラインの浅さや周囲のシワの改善が見られました。しかし、術後3ヶ月では少し後戻りが出ましたが、術前よりは改善した状態が維持されていました。

- 80代前後の女性(フルフェイスリフト):下まぶたの手術(表ハムラ)とフルフェイスリフトを同時に行った結果、術後1ヶ月でマリオネットラインとフェイスラインがくっきりと出ています。

もちろん、糸リフトやハイフも、顔の下の脂肪組織を引き締め、これ以上たるみを進行させないという意味では意味のある治療です。しかし、美容医療においてはご自身の満足度も重要であるため、しっかり一気に改善したいという方には切開リフトが適しています。
切開リフトに抵抗がある方へ:「MACSリフト」という選択肢
切開リフトに興味はあるものの、ダウンタイムが長くなることや、顔面神経を傷つけて顔が動きにくくなるのではないかというリスクを懸念して、なかなか踏み出せない方も多いでしょう。
そういった方々のために、最近注目を集めているのが「MACSリフト(マックスリフト)」という切開リフトの方法です。
MACSリフトは、顔を切る治療ではありますが、切開範囲が小範囲で済むのが特徴です。切開はもみあげから耳の前ぐらいまでにとどまります。
従来の本格的なフェイスリフトは、皮膚だけでなく、その下にあるSMAS(スマス)と呼ばれる脂肪組織の土台まで引き上げるため、ダウンタイムが長く、顔面神経を傷つけるリスクがありました。
MACSリフトは、このSMASを傷つけないように配慮しつつ、軽いフェイスリフト(皮膚の引き上げ)と、糸リフトによる土台(SMAS近辺)の引き上げを組み合わせるという方法を採用しています。
MACSリフトのメリット
- ①効果の持続と期待: 皮膚を直接切り取って引き上げるため、糸リフト単体よりも持ちや効果が期待できます。
- ②少ないダウンタイム: SMASに触れないため、従来のフェイスリフトに比べてダウンタイムが少なくなります。
- ③リスクの低減: 顔面神経を傷つけるリスクが極めて低くなります。
- ④とっつきやすい: 傷の幅も、よく行われる眉下切開の傷の幅と同程度であるため、心理的な抵抗感が少ないと考えられます。
MACSリフトは、本格的な切開リフトに躊躇している方にとって、非常に取っつきやすいフェイスリフトの選択肢となるでしょう。
まとめ
40代、50代のたるみ治療において、非切開治療で十分な効果を実感できるか、それとも切開リフトが必要な段階にあるのかは、たるみの根本原因(脂肪の多さ vs. やつれ)と皮膚の余り具合によって決まります。
もし、これまでに非切開治療(ハイフや糸リフト)に費用をかけたものの、満足できる効果が得られなかった場合は、マリオネットラインがブルドッグ状に深く刻まれているなど、皮膚の余りが顕著になっているサインと捉え、切開フェイスリフト(またはMAXリフト)を真剣に検討する時期に来ているかもしれません。
ご自身の心理的なハードルや生活環境も考慮しつつ、適切な治療法を選択することが、一生後悔しないための鍵となります。
詳しくはこちら:https://www.ochanomizubiyou.com/surgery/facelift.html
