こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
クマ治療は、疲れた印象や老けた印象を改善し、目元をすっきりとさせる効果が期待できる人気の美容医療です。しかし、どのような医療行為にも必ずリスクが伴います。
今回は、クマ治療を検討する際に知っておくべき、手術全般に共通する一般的なリスクから、まれに起こり得る重篤な合併症、そして特定の施術特有のリスクまで、徹底的に解説します。クマ治療には、シンプルな経結膜脱脂術(クマ取り)、脱脂+脂肪注入、裏ハムラ、表ハムラといった多様な方法がありますが、治療を受ける前に、これらのリスクについて十分な理解を持つことが大切です。
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1. クマ治療全般に共通する主なリスク
クマ治療全般において、程度に差はあれど、共通して起こり得るリスクとして、再発とへこみが挙げられます。
再発(脂肪の取り残し)
クマ取り(経結膜脱脂術)などで眼窩脂肪を取り除く際、へこみすぎないようにと少量しか脂肪を取らないと、クマの原因となる脂肪が潜在的に残っている状態になり、比較的早い段階で再発することがあります。
一方で、5年や10年といった長い期間を経て再発する場合は、加齢に伴う顔の変化(例:頬が痩せてくること)によって、脂肪が出ていなくても出っ張って見えるようになるなど、やむを得ない要因による場合もあります。
へこみ(脂肪の取り過ぎ)
へこみは、クマの原因となっている目の下の脂肪(眼窩脂肪)を取り過ぎたことによって、目元がへこんだ状態になってしまうことです。
修正方法
• 再発の修正: 脂肪が残っている場合、再度脱脂術を行うか、ハムラ(脂肪を移動させる手術)を行うことになります。
• へこみの修正: へこみの修正方法としては、一般的に脂肪注入が用いられます。これによりへこみを浅くしていきますが、注入しすぎると、かえって目元が膨らんでのぺっとした印象になるリスクがあるため、ほどほどに留めておくことが重要です。
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2. 出血、腫れ、および色味に関するリスク
出血や腫れは、あらゆるクマ治療で起こり得るダウンタイムの一部です。
ダウンタイムと血腫
自然に良くなる程度の出血や腫れであれば、ダウンタイムの範疇であり、軽いクマ取りであれば1週間程度、表ハムラでも2週間程度で治まることが多いです。
しかし、治らない出血として、血腫が挙げられます。これはこぶのように大きく膨れ上がった状態を指します。多くの場合、血腫は自然に吸収されなくなりますが、1ヶ月以上かかるなど時間がかかることがあります。この場合、再度切開して血種を除去する処置が必要となることがあります。
ヘモジデリン沈着(色素沈着)
これは稀な状態ですが、再出血した血液中の鉄分だけが皮膚の表層に染み込んで残ってしまう状態をヘモジデリン沈着と呼びます。
もしヘモジデリン沈着が起きてしまった場合、対処法としては何もせず待つのが一番良いとされています。下手にレーザーを照射したり、ピーリングをしたりといった処置を加えない方が、回復が早まる傾向があります。基本的には3ヶ月から半年程度で徐々に薄くなり、最終的には元に戻ります。
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3. 見え方や目の動きに関するリスク
見え方の違和感も、あらゆるクマ治療において、滅多に起こりませんが、起こり得るリスクの一つです。
眼位のわずかな変化
脂肪を抜いた後に目の下の空洞化が生じ、微妙に眼位(目の位置)が下がり、左右差が生じることで、見え方に違和感が出る場合があります。これは、ボクサーなどが負傷する眼窩底骨折(目玉の位置がと下がる)と近い状態ですが、もちろん程度は軽微です。このような場合、ほとんどは目が慣れてくるため、待てば治ることが多いとされています。
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4. 極めて重大で稀なリスク(失明・眼球損傷)
クマ治療において最も重篤なリスクとして失明が考えられますが、これはまずないと考えてもよいほどの、極めて稀な合併症です。
失明のメカニズムと眼球損傷
失明のリスクは、出血によってできた血の塊が大きくなりすぎ、視神経を圧迫してしまうことで、視力が失われるというメカニズムによります。また、非常に稀ですが、手術中に誤って眼球を損傷する(眼球ほじくり、という形で巷で呼ばれることがある)といった話も出回っています。
クリニックの管理体制の重要性
これらの重篤な事態を避けるため、そして万が一発生した場合に適切な対処を行うためには、クリニック側の緊急時の管理体制が非常に大切になってきます。異常な腫れや血腫が出た場合に、クリニックがどのような対応策をとるか、教育体制が整っているかなどが重要な要素となります。
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5. 施術ごとの特有のリスク
脂肪注入(脱脂+脂肪注入)特有のリスク
クマ取りに脂肪注入を組み合わせた場合、注入した脂肪の定着率の問題や、しこりのリスクが特有のものとして挙げられます。
• 定着率: 注入した脂肪の定着率が低い場合、再度脂肪を注入する再注入で対応が可能です。
• しこり: 脂肪注入によってしこりができてしまった場合、ステロイドの注射でしこりを徐々に小さくしていくか、再度傷を開けてしこりの部分を取り除く処置が必要になる場合があります。
表ハムラ特有のリスク:下まぶたの外反
表ハムラ術は、皮膚を切ってシワを引き上げる手術であるため、目尻のところに強いテンションがかかり、下まぶたの外反になるリスクがあります。
多くの場合、外反は一時的であり、1ヶ月から3ヶ月程度で自然に元の状態に戻り、違和感はなくなります。しかし、半年経っても外反が残ってしまう場合は修正が必要になります。修正処置は、下まぶたの瞼板(まぶたの裏にある硬い板)に糸や筋膜(側頭部や太ももなどから採取)をかけて、目尻を釣り目気味に吊り上げて外反の状態を直すといった、やや大がかりな処置になることがあります。
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まとめ
クマ治療は、経結膜脱脂術からハムラ法まで多岐にわたり、それぞれが効果を発揮しますが、再発、へこみ、出血、そして極めて稀な失明といった多様なリスクが潜在的に存在します。施術を受ける際は、これらのリスクと修正方法について十分に理解し、万が一の際のクリニックの対応体制についても確認した上で、慎重に判断することが重要です。
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経結膜脱脂:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。
料金:154,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
クマ取り&脂肪注入:下まぶたをめくり、あっかんべをした状態で結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を切除します。大腿内側または腹部から脂肪を採取し、目の下/ゴルゴラインに注入しハリを出しシワの改善を行います。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
表ハムラ:睫毛下を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させて、凹みのある個所に固定し直します。シワの原因となっている余剰皮膚も切除することで、シワの改善にも効果が期待できます。
料金:506,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
裏ハムラ:睫毛下または結膜を切開し、たるみの原因となっている脂肪を部分切除、移動させ、凹みのある個所に固定し直します。
料金:396,000円~※料金は変更となる可能性がございます
リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、下眼瞼の外反、眼窩脂肪の取りすぎ、眼窩脂肪の取り残し、下斜筋の損傷 等
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