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今回は、アラガン社のヒアルロン酸製剤「ジュビダームシリーズ」に関する重要なニュースについて解説します。アメリカでジュビダームの遅発性肉芽腫(遅発性結節)のリスクを巡る集団訴訟が報じられ、大きな話題となっています。この件について、ヒアルロン酸注入における一般的なリスクと、当院が患者様の安全のために行っている対策を詳しく解説いたします。
ジュビダームにおける遅発性肉芽腫(遅発性結節)の集団訴訟について
今回報道されたのは、主に米国でアラガン社が製造・販売するジュビダームシリーズによる遅発性肉芽腫(遅発性結節)発症のリスクを巡る集団訴訟に関する記事です。
訴訟の対象となった製品とその内容
この訴訟の対象製品は、主にジュビダームのウルトラとウルトラプラス、またはそれらのリドカイン(麻酔成分)含有バージョンです。これらは当院で主に採用しているバイクロスシリーズ(ボルベラ、ボリューマ、ボリフト、ボラックスなど)よりも古い世代の製剤となります。
原告側は、製薬会社がヒアルロン酸注入から数ヶ月から数年後に肉芽腫が生じうるというリスクを、添付文書や患者向け情報広告などで十分に警告していなかったと主張しています。元々、注入後1ヶ月程度で炎症が起こる可能性については軽度の合併症として報告されていましたが、実際には数ヶ月から数年後に重篤な状態に陥ったケースがあるというのが主な争点です。また、製薬会社が遅発性の炎症反応に関する医学的文献を把握していながら、そのリスクを十分に目立つ形で表示していなかったとも主張されています。
原告の一人であるクリスティーナ・ガルシア氏は、薬剤師という立場から製品の警告を慎重に確認しており、遅発性肉芽腫のリスクを事前に知っていれば治療を受けなかったと述べています。
訴訟の現状
現在、全米およびカリフォルニア州のジュビダーム購入者を対象とする集団訴訟としての認定を求めている段階です。しかし、まだ集団訴訟として認定されたわけではなく、裁判所が事実認定したわけでもない状態であり、原告の主張が完全に事実と確認されているわけではありません。
ジュビダームは多くの実績を持つヒアルロン酸製剤であるため、この訴訟は美容医療業界で大きな注目を集めています。
遅発性肉芽腫(遅発性結節)とは?ヒアルロン酸注入における一般的なリスク
今回の訴訟はアラガン社の製品に関するものですが、遅発性肉芽腫(遅発性結節)自体は、アラガン製品に限らず、他のヒアルロン酸製剤でも起こりうるリスクです。ヒアルロン酸は体にとって「異物」であるため、以下のような状況で炎症反応やしこりを引き起こすことがあります。
- 感染症:風邪、扁桃炎、腎盂腎炎などの全身性の感染症や、歯科治療などヒアルロン酸注入部位に近い箇所の感染が、血流に乗って注入部位に影響を及ぼし、炎症を引き起こすことがあります。ヒアルロン酸は細菌の「餌」になりやすいため、このような反応が起こりえます。
- 炎症性の刺激:感染以外にも、歯科治療などの局所的な刺激が、近くに注入されたヒアルロン酸に炎症を誘発することがあります。
- 異物肉芽腫:異物を体内に注入する限り、免疫反応として異物肉芽腫というしこりを形成する反応が起こる可能性があります。
※遅発性肉芽腫(遅発性結節)とは:ヒアルロン酸注入後、数ヶ月から数年経ってから発症するしこりや腫れを指します。
発生率とボルベラの関連性
注入後の遅発性反応の平均発生率は約1.13%と報告されています。特に、ジュビダーム・バイクロスシリーズの「ボルベラ」で3.8%と比較的高い発生率が示されていますが、これは注入部位の特性(目の下など皮膚の薄いデリケートな部位に注入されることが多い)や、製剤の柔らかさが影響している可能性も考えられます。
多くの場合、遅発性の反応はアレルギーというよりも、感染や炎症性の刺激が引き金となって起こると考えられています。
当院におけるヒアルロン酸注入の安全対策
お茶の水美容形成クリニックでは、ヒアルロン酸注入におけるリスクを十分に理解し、患者様に安心して施術を受けていただけるよう、以下の対策を徹底しています。
- 少量ずつ段階的な注入:一度に大量のヒアルロン酸を注入することは避け、少量ずつ段階的に注入し、経過を観察しながら注入量を調整しています。これにより、リスクを軽減しつつ、求める仕上がりを目指します。
- 定期的なヒアルロン酸溶解注射によるリセット:ヒアルロン酸は徐々に吸収されますが、ご自身では気づかないうちにわずかに残存し、長期的に不自然な印象を与えることがあります。数回注入を重ねた後は、ヒアルロン酸溶解注射で一度リセットし、再度注入することで、より自然な仕上がりを維持し、トラブルのリスク軽減に努めています。
- 迅速な対応体制:万が一、注入後に腫れやしこり、赤みなどの症状が現れた場合は、ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)で速やかに対応できる体制を整えています。症状が軽いうちに早めに溶かすことが、より効果的な結果につながります。
- 代替製剤の準備:万が一の事態に備え、アラガン社製以外のヒアルロン酸製剤、例えばレスチレンなどもご用意し、患者様の状況やご希望に応じた選択肢をご提供できるよう準備しています。
- 丁寧なカウンセリング:ヒアルロン酸注入のメリットだけでなく、起こりうるリスクについても、患者様にご理解いただけるよう丁寧に説明いたします。
※バイクロスシリーズ:アラガン社が開発したヒアルロン酸製剤の一種で、異なるヒアルロン酸分子を結合させることで、より持続性や自然な仕上がりを目指した技術です。
※ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ):ヒアルロン酸を分解する酵素を主成分とする薬剤で、注入されたヒアルロン酸を溶かす効果があります。
※架橋:ヒアルロン酸分子同士を人工的に結合させ、製剤の粘度や持続性を高める処理です。
症状の現れ方や、溶解注射への反応には個人差があります。心配な症状が見られる際は、早めにご相談ください。
ヒアルロン酸注入は、正しく用いれば非常に満足度の高い美容医療です。当院では、常に最新の医学情報にアンテナを張り、患者様が安心して施術を受けられるよう、リスク管理と丁寧な対応を徹底しております。何かご不安な点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
料金
記事でご紹介した施術の、1回あたりの料金です。
| 施術内容 | 料金(1回・税込) |
|---|---|
| ヒアルロン酸 1cc(アラガン社:ボルベラ・ボリフト・ボリューマ・ボラックス) | 77,000円 |
| ヒアルロン酸 0.1cc(アラガン社:ボルベラ)※涙袋・目の下・リップ | 11,000円 |
| ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸溶解注射)1ml | 22,000円 |
※表示価格は税込です。回数セットや、上記以外の部位・薬剤の料金は下記の料金ページをご確認ください。
美容皮膚科・各種施術の料金
リスク・副作用
- ヒアルロン酸:痛み、腫れ、赤み、感染、アレルギー、皮膚の血行障害、視力障害など
- ヒアルロニダーゼ:痛み、腫れ、赤み、内出血、アレルギー反応、熱感、むくみ、一時的な皮膚の凹凸、周囲に影響する組織のボリューム低下など
※本記事の施術は自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があり、
すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
リスク・副作用や費用の詳細は、医師の診察時に必ずご確認ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q. ジュビダームの遅発性肉芽腫(遅発性結節)は、当院で受ける施術でも起こる可能性がありますか?また、当院ではどのジュビダーム製品を使用していますか?
A. 遅発性肉芽腫は、今回訴訟対象となっているアラガン社の旧世代ジュビダーム製剤だけでなく、他のヒアルロン酸製剤でも起こりうるリスクとされています。発生率は比較的低いと報告されており、多くの場合、感染症や炎症性の刺激が引き金となって起こると考えられています。当院ではこのリスクを十分に理解し、安全対策を徹底しております。
当院で主に採用しているのは、今回訴訟対象となっているジュビダームのウルトラやウルトラプラスといった古い世代の製剤とは異なる、ジュビダーム・バイクロスシリーズ(ボルベラ、ボリューマ、ボリフト、ボラックスなど)です。
Q. 遅発性肉芽腫(遅発性結節)が万が一発生した場合、どのような対応をしてもらえますか?
A. 当院では、注入後に腫れやしこり、赤みなどの症状が現れた場合、速やかに対応できるよう体制を整えています。ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)を用いて、注入されたヒアルロン酸を分解することで症状の改善を目指します。症状が軽いうちに早めにご相談いただくことが、より効果的な結果につながります。
Q. 当院でのヒアルロン酸注入における安全対策について教えてください。
A. 当院では、患者様に安心して施術を受けていただけるよう、以下の安全対策を徹底しています。
- 一度に大量のヒアルロン酸を注入せず、少量ずつ段階的に注入し、経過を観察しながら注入量を調整します。
- 数回注入を重ねた後は、ヒアルロン酸溶解注射で一度リセットし、再度注入することで、より自然な仕上がりを維持し、トラブルのリスク軽減に努めています。
- 万が一、注入後に症状が現れた場合は、ヒアルロン酸溶解注射で速やかに対応できる体制を整えています。
- アラガン社製以外のヒアルロン酸製剤、例えばレスチレンなどもご用意し、患者様の状況やご希望に応じた選択肢をご提供できるよう準備しています。
- ヒアルロン酸注入のメリットだけでなく、起こりうるリスクについても、患者様にご理解いただけるよう丁寧なカウンセリングで詳しくご説明いたします。
Q. ヒアルロン酸注入のメリットとリスクについて、事前に詳しく知ることはできますか?
A. はい、可能です。当院では、ヒアルロン酸注入のメリットだけでなく、今回話題になっている遅発性肉芽腫を含め、起こりうるリスクや注意点についても、患者様にご理解いただけるよう丁寧なカウンセリングで詳しくご説明いたします。ご不明な点やご不安なことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
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監修医
吉井 健吾(統括医師)/日本形成外科学会 会員 頭蓋顎顔面外科学会 会員 マイクロサージャリー学会 会員
東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院形成外科に入局。特に目の下のクマ治療については全国有数の症例数を誇り、年間平均600件執刀しています。その他、フェイスリフト、豊胸手術をはじめとした美容外科、注入やレーザー治療などの美容皮膚科も幅広く担当しています。
