目次
こんにちは!お茶の水美容形成クリニックでございます。
当院では、患者様のおかげで豊胸手術の症例が非常に多く、主に「脂肪豊胸」「シリコン豊胸」「ハイブリッド豊胸」という3つの術式を行っています。これらは広く普及し、学会でも安全性が認められている一般的な豊胸術です。しかし、世の中には様々なネーミングの豊胸術が存在し、結果的に深刻なトラブルを引き起こすものが少なくありません。
一時的には良く見えても、遅れて感染が発生したり、胸が硬くなってしこりができたり、予想以上に胸が大きく膨らみ続けるなど、取り返しのつかない事態になるケースも見られます。最悪の場合、修正手術すら非常に困難になり、大きな傷跡が残ったり、乳房切除に至る可能性もゼロではありません。
そこで今回は「やってはいけない豊胸術」について、具体的な術式とその危険性を、当院統括医師の吉井健吾医師が詳しく解説していきます。後悔しないために、ぜひ最後までお読みください。
この記事のポイント
- 当院が行っている豊胸術は「脂肪豊胸」「シリコン豊胸」「ハイブリッド豊胸」
- 注意が必要な豊胸術として「アクアフィリング」「ヒアルロン酸豊胸」「〇〇再生豊胸術」「血液豊胸術」の4つを解説
- 「ダウンタイムなし」「手軽」をうたう豊胸術ほど、感染・しこり・修正の難しさといった長期的なリスクを確認することが大切
注意が必要な4つの豊胸術(この記事のまとめ)
| 豊胸術 | うたわれている内容 | 主なリスク | 当院の考え方 |
|---|---|---|---|
| アクアフィリング豊胸術 | 注入するだけ/30分程度で終わる/ダウンタイムが少ない | 注入剤の体内移動、遅れて起こる感染(妊娠中の乳腺炎など)、取り除くことが極めて難しい | 手を出してはいけない(学会も注意喚起) |
| ヒアルロン酸豊胸術 | 30分程度で終わる/ダウンタイムが少ない | 後の豊胸術で感染・出血・硬さが出やすくなる、被膜ができて溶けにくくなる、徐々に吸収される | 「お試し」程度に1回だけなら。本格的な豊胸には推奨しない |
| 〇〇再生豊胸術 | 「再生医療」の最先端/手軽に大きくできる | 未認可の薬剤、FGFによる胸の肥大化が止まらない・しこり、修正が極めて困難 | 避けるべき |
| 血液豊胸術 | 採血した血液で豊胸する | FGFを含むことが多く、肥大化・しこり・修正困難 | 手を出さないことが賢明 |
※各豊胸術の詳しい内容は、以下の見出しで解説しています
1. 過去の流行、そして現在も問題を残す「アクアフィリング豊胸術」
「アクアフィリング」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。一時的に爆発的に流行した豊胸術ですが、最近では行うクリニックもだいぶ減ってきました。学会も注意喚起をしており、現在ではほとんど行われていない術式です。
なぜ流行したのか?
アクアフィリング豊胸術が流行した最大の理由は、その手軽さにありました。
- 簡単な手術:注入剤を乳腺の真下に注入するだけで、胸を大きくすることができました。
- 短時間で完了:手術時間はわずか30分程度で終わり、ダウンタイムも少ないとされていました。
- 自然な仕上がり:注入直後はある程度柔らかく、自然な感触が得られると謳われていました。
当初、「水で溶ける注入剤」と説明されていましたが、実際には水では溶けません。この誤解が後の大きなトラブルにつながります。
アクアフィリングの深刻なリスク
流行が落ち着いてから、アクアフィリングの実態が明らかになってきました。
- 注入剤の体内移動:アクアフィリングの注入剤は、時間の経過とともに体内を移動する性質があります。数年後にはお腹や腕の方にまで流れ出してしまっていたという事例がMRI検査で判明しています。
- 遅発性感染症:最も厄介なのが、遅れて感染症を引き起こすリスクです。特に、妊娠して胸が発達した際に乳腺炎を併発する頻度が高いことがわかっています。妊娠中に感染を起こした場合、お腹に赤ちゃんがいる状態で強力な抗生物質を使用したり、感染がひどい場合は緊急で切開して膿を排出する手術が必要になったりするため、非常に危険です。当院の山田淳生医師は、虎の門病院に勤務されていた頃、アクアフィリング後の乳腺炎で緊急搬送されてくる患者さんを多く診ており、その感染症や後遺症に関して豊富な経験を持っています。
- 修正の困難さ:一度注入されたアクアフィリングは、体内を移動したり感染を起こしたりすると、完全に取り除くことが極めて困難になります。
このように、一見手軽で魅力的に思えるアクアフィリング豊胸術ですが、長期的に見ると非常に深刻なリスクを伴うため、決して手を出してはいけません。
-
アクアミド・アクアフィリング除去術について詳しく
2. 手軽さの裏に潜む落とし穴「ヒアルロン酸豊胸術」
ヒアルロン酸豊胸術も、アクアフィリングと同様に「簡単にできてダウンタイムが少ない」という理由で一時期流行しました。
なぜ流行したのか?
アクアフィリングと同じく、手軽さが最大の魅力でした。
- 簡単な手術:寝ている間に30分程度で完了し、どんなドクターでも実施しやすいとされていました。
- 患者負担の少なさ:ダウンタイムが少なく、患者さんにとって手軽な選択肢でした。
大手クリニックでもヒアルロン酸豊胸を行っていた時期があり、使用されるヒアルロン酸の種類はクリニックによって様々でした。
ヒアルロン酸豊胸の潜在的なリスク
アクアフィリングに比べればまだマシとされるヒアルロン酸ですが、やはり問題点があります。
- 他の豊胸術への悪影響:ヒアルロン酸豊胸を行った後に、脂肪豊胸やハイブリッド豊胸といった一般的な豊胸術を受けようとすると、感染を起こしやすくなったり、出血しやすくなったり、硬くなりやすくなったりと、手術が困難になるケースがあります。
- 被膜形成と溶解困難:ヒアルロン酸を胸に注入する際、1箇所に集中して注入されると、その周囲に自己免疫反応で「被膜(ひまく)」が形成されることがあります。この被膜が硬くなると、ヒアルロン酸を溶かす薬を使っても溶けにくくなったり、将来的な再手術の際に障害となったりすることがあります。
- 一時的な効果:ヒアルロン酸はあくまで一時的なものであり、徐々に体内で吸収されてしまいます。
当院では、ヒアルロン酸豊胸は「お試し」程度に1回だけ注入する程度なら良い、と説明しています。何度も繰り返し注入したり、本格的な豊胸を考えている方には推奨できません。将来的な選択肢を狭め、トラブルの元になる可能性があるからです。
なお当院では、他院でヒアルロン酸豊胸を受けた方向けに、エコーでの診察やヒアルロン酸の溶解処置も行っています。
-
豊胸手術(豊胸術)
3. 「再生医療」の謳い文句に注意!「〇〇再生豊胸術」
近年、再生医療という言葉が注目される中で、「〇〇再生豊胸術」と銘打たれた豊胸術が登場しています。これはまさにトレンドに乗っかったネーミングであり、非常に注意が必要です。
なぜ「再生医療」を謳うのか?
「再生医療」という言葉を使うことで、以下のような印象を与えようとしています。
- 最先端:再生医療の技術を応用した最先端の治療であるかのような印象。
- 手軽さ:アクアフィリングやヒアルロン酸と同様に、ダウンタイムが少なく、侵襲度が低く、手軽に胸を大きくできる。
しかし、その実態は非常に危険なものであることが多いのです。
〇〇再生豊胸術の重大なリスク
この種の豊胸術には、深刻な問題点が数多く潜んでいます。
- 未認可薬剤の使用:ほとんどの場合、認可されていない薬剤を使用しています。中には、体内で使用することを想定されていない薬剤や、本来体内に注入してはいけない成分が含まれていることがあります。
- FGF(線維芽細胞増殖因子)の含有:「〇〇再生豊胸術」で特に問題視されているのが、FGF(線維芽細胞増殖因子)が含まれている点です。FGFの作用で、胸がどんどん大きくなり続けたり、しこりを形成したりすることがあります。
- 胸の異常な肥大化:実際に当院にも、「ある特定のクリニックで『〇〇再生豊胸』を受けたら、胸がどんどん大きくなって止まらない。どうすれば良いか?」と相談に来院される患者様がいらっしゃいます。元々はEカップやFカップだった方が、Iカップにまで肥大してしまい、困り果てているケースもあります。
- 修正が極めて困難:FGFによって肥大した胸は、エコーで見ても異物が入っているというよりも、元々の組織と同化して大きくなっている状態です。そのため、異物だけを取り除くということができず、修正手術が非常に困難になります。場合によっては、乳房縮小手術として胸自体を大きく切除して小さくしたり、最悪の場合には乳房切除という選択肢すら出てくる可能性があります。大きく傷が残るだけでなく、元の状態に戻すことすらできないという、非常に厄介な事態になるのです。
- 他院での対応が困難:さらに問題なのは、このような未認可の製剤や、本来体内に入れることを想定されていない薬剤を使っている術式で副作用が出た場合、どこのクリニックに行っても対処が困難になることが多いという点です。
PRPを使った脂肪豊胸との違い
ここで一つ補足しておきたいのは、患者様からすると分かりにくいのですが、「再生医療と絡めた脂肪豊胸」と「〇〇再生豊胸術」は別物であるということです。脂肪注入を行う際に、ご自身の血液を採取してPRP(多血小板血漿)だけを分離して脂肪と混ぜて注入する術式があります。PRPには抗炎症作用があり、脂肪注入後のダウンタイムを軽減したり、脂肪の生着率を向上させたりする効果が期待できるため、これは「オプションメニュー」として有効な場合があります。
PRPを使った脂肪豊胸と「〇〇再生豊胸術」の違い
| PRPを使った脂肪豊胸 | 〇〇再生豊胸術・血液豊胸術 | |
|---|---|---|
| 注入するもの | ご自身の脂肪+ご自身の血液から分離したPRP(多血小板血漿) | 製剤(FGFなどの成長因子を含むことが多い) |
| 位置づけ | 脂肪豊胸のオプション | 単独の豊胸術としてうたわれる |
| 主なリスク | 脂肪豊胸と同じ(しこり・石灰化など) | 胸の肥大化が止まらない・しこり・修正が極めて困難 |
しかし、PRPだけでなくFGFも一緒に入れている「〇〇再生豊胸術」のようなものは、上記のリスクがあるため、避けるべきです。
-
脂肪注入による豊胸
4. 要注意!!「血液豊胸術」
「血液豊胸術」というものも存在しますが、まともなクリニックであればこのような手術は行っていません。
血液豊胸術のリスク
採血した血液を使って豊胸をするという、その構造自体が不明瞭な術式ですが、これもFGFが含有されているケースがほとんどです。そのため、「〇〇再生豊胸術」と同様に、胸の異常な肥大化やしこり、修正困難といった深刻なリスクを伴います。この術式に関しては、詳細が不明な点も多く、手を出さないことが賢明です。
まとめ
今回は「やってはいけない豊胸術」として、アクアフィリング、ヒアルロン酸豊胸、〇〇再生豊胸、血液豊胸の4つを挙げ、その危険性について詳しく解説しました。
当院が推奨する「脂肪豊胸」「シリコン豊胸」「ハイブリッド豊胸」といった、広く普及し学会でも安全性が認められている豊胸術は、胸を大きくするためにそれなりの手術やダウンタイムが必要になります。例えば、脂肪豊胸であれば複数回の注入が必要になることもあります。しかし、これらの術式は、長年の臨床実績と科学的根拠に基づいて安全性が確立されています。
一方で、今回ご紹介した「やってはいけない豊胸術」は、「ダウンタイムなく楽に」「サクッとできる」「傷跡なし」「自然な仕上がり」といった、患者様が求める「手軽さ」や「楽さ」を謳い文句にしています。しかし、その裏には、感染、異常な肥大化、しこり形成、そして修正が困難になるといった、非常に厄介で取り返しのつかないリスクが潜んでいます。トラブルが発生した場合、どこのクリニックに行っても対処が難しいという最悪の状況に陥る可能性もあります。
豊胸手術は、ご自身の体に関わる大切な選択です。安易な選択が取り返しのつかない後悔に繋がらないよう、術式を選ぶ際には、その安全性や長期的なリスクについて、十分に検討し、信頼できる医師と相談することが何よりも重要です。
もし、ご自身の胸に関して不安なことや相談したいことがあれば、いつでもお気軽に当院にご相談ください。
当院で行っている豊胸術の詳細は、こちらをご覧ください。
- 豊胸手術(豊胸術)の詳細・料金
- シリコンインプラントによる豊胸
- 脂肪注入による豊胸
- シリコンインプラントと脂肪注入による豊胸(ハイブリッド豊胸)
-
シリコンインプラントと脂肪注入による豊胸(ハイブリッド豊胸)
-
脂肪注入による豊胸
-
シリコン豊胸
-
豊胸手術(豊胸術)の詳細・料金
症例紹介
他院での注入物・脂肪豊胸のあとに、当院で除去・修正を行った症例です。写真とあわせて施術内容・費用・リスクを記載しています。
-
30代 / 女性
- 施術内容
- アクアフィリング後の腹部の脂肪吸引で、アクアフィリングが腹部に流出した症例。わきの下および臍から切開してアクアフィリング除去後にシリコン豊胸を行った。
シリコン豊胸:
乳腺と脂肪組織の代わりに豊胸インプラント(バッグ)を挿入することでバストを大きくする手術です。
異物除去:
過去に美容目的で注入された異物に対し、形成外科専門医が安全に除去を行います。 - 費用目安
- シリコン豊胸:
451,000円~770,000円
異物除去:
165,000円~440,000円 - リスク・副作用
- シリコン豊胸:
出血、腫れ、感染、拘縮・ひきつれ、左右差、瘢痕・色素沈着、乳房の知覚低下・過敏、インプラントの破損、喫煙による合併症リスクの上昇等
異物除去:
へこみ、内出血、腫れ、アレルギー等
もっと見る閉じる -
30代 / 女性
- 施術内容
- 他院修正(脂肪豊胸後のしこり除去)MINI250 アンダーバスト切開
シリコン豊胸:
乳腺と脂肪組織の代わりに豊胸インプラント(バッグ)を挿入することでバストを大きくする手術です。
異物除去:
過去に美容目的で注入された異物に対し、形成外科専門医が安全に除去を行います。
- 費用目安
- シリコン豊胸:
451,000円~770,000円
他院修正:
+200,000円~
異物除去:
165,000円~440,000円
- リスク・副作用
- シリコン豊胸:
出血、腫れ、感染、拘縮・ひきつれ、左右差、瘢痕・色素沈着、乳房の知覚低下・過敏、インプラントの破損、喫煙による合併症リスクの上昇等
異物除去:
へこみ、内出血、腫れ、アレルギー等
もっと見る閉じる -
50代 / 女性
- 施術内容
- ヒアルロン酸豊胸400cc をヒアルロニダーゼ処置し、シリコン豊胸 MINI235 アンダーバスト切開
シリコン豊胸:
乳腺と脂肪組織の代わりに豊胸インプラント(バッグ)を挿入することでバストを大きくする手術です。 - 費用目安
- シリコン豊胸:
451,000円~770,000円
他院修正:
+200,000円~ - リスク・副作用
- シリコン豊胸:
出血、腫れ、感染、拘縮・ひきつれ、左右差、瘢痕・色素沈着、乳房の知覚低下・過敏、インプラントの破損、喫煙による合併症リスクの上昇等
もっと見る閉じる -
20代 / 女性
- 施術内容
- 他院での脂肪豊胸230cc後のシリコン豊胸
シリコン豊胸:
乳腺と脂肪組織の代わりに豊胸インプラント(バッグ)を挿入することでバストを大きくする手術です。 - 費用目安
- シリコン豊胸:
451,000円~770,000円
他院修正:
+200,000円~ - リスク・副作用
- シリコン豊胸:
出血、腫れ、感染、拘縮・ひきつれ、左右差、瘢痕・色素沈着、乳房の知覚低下・過敏、インプラントの破損、喫煙による合併症リスクの上昇等
もっと見る閉じる
豊胸の症例をもっと見るMORE
すべての症例写真を見るMORE
