過去に豊胸目的で注入されたアクアミドやアクアフィリングが原因で、痛み、しこり、感染などのトラブルを抱え、不安を感じている方が少なくありません。
これらの注入剤はかつて「夢のような治療」として紹介されたこともありますが、現在では多くの問題が明らかになり、社会問題化しています。当院には、こうした異物によるトラブルでお困りの患者様が数多くご来院されており、その除去・修正手術に力を入れています。
本記事では、アクアミド・アクアフィリングの危険性と、当院での除去手術について詳しく解説します。
アクアミド・アクアフィリングとは?
アクアミドとアクアフィリングは、体内で吸収されないタイプの液体注入剤です。主成分は異なりますが、ともにポリアクリルアミド系のハイドロゲル製剤で、過去に豊胸目的で広く使用されていました。
かつて「夢のような治療」として紹介された背景
アクアミド・アクアフィリングが登場した背景には、当時の豊胸術の課題がありました。
- ヒアルロン酸豊胸:吸収されてしまうため持続性が短い
- シリコンインプラント:自然な形になりにくい場合がある
- 脂肪注入豊胸:大きくするには限界があり、痩せ型の方には不向き
これらに対し、アクアミド・アクアフィリングは「ヒアルロン酸より長持ち」「シリコンより自然」「痩せ型でも可能」「傷がつきにくい」といった触れ込みで、「夢のような治療」として登場しました。しかし、時間の経過とともに多くの問題が明らかになっていきました。
アクアミド・アクアフィリングによる主なトラブル
アクアミド・アクアフィリングが引き起こす主なトラブルは以下の通りです。
- 体内で吸収されず異物として残存
当初は生理食塩水に溶けて自然に消失するとされていましたが、実際には体内で吸収されることはほとんどありません。 - 異物の移動
体内で被膜(異物の周囲にできる膜)が形成されにくいため、注入された部位から広範囲に移動することがあります。これにより、除去が非常に困難になるケースも少なくありません。 - 感染症
注入後数年から10年以上経過してから、急に強い痛みや腫れを伴う感染症を起こすことがあります。特に妊娠・授乳期の女性は、乳腺の発達に伴い感染リスクが高まる傾向にあります。 - しこり・硬結
皮膚の表面に出てきてしこりとして触れたり、硬く感じたりすることもあります。 - 周囲組織の溶解
注入された異物が周囲の自身の脂肪細胞などを溶かし、組織量が減少する可能性もあります。
これらの安全性に対する懸念から、アメリカではそもそも承認されておらず、日本でも日本美容外科学会などが使用中止の共同声明を出しています。
当院のアクアミド・アクアフィリング除去手術について
当院では、アクアミド・アクアフィリングによるトラブルでお困りの患者様に対し、除去手術をご提案しています。
除去方法の選択肢
除去方法には、大きく分けて以下の2種類があります。患者様の状態や異物の位置、量によって方法を選択します。
- 吸引法
生理食塩水などを注入して異物を溶けやすくした後、脂肪吸引のように吸引して除去する方法です。 - 切開法
小さな切開を加え、異物を直接絞り出し、洗浄しながら肉眼で確認し、残存部分を取り除く方法です。組織内に入り込んだ異物を確実に取り除くために、この方法が選択されることが多いです。
アクアミドやアクアフィリングは粘性が高く、組織の様々な場所に浸潤しているため、単に吸引したり洗浄したりするだけでは完全に除去することが困難です。組織の中に入り込んでいる異物を直接摘まみ出し、ハサミなどを使って取り除く必要があります。
除去手術の流れ
安全かつ確実に異物を除去するためには、事前の詳細な検査が不可欠です。
- 診察・画像診断
ご来院後、まず患者様のお悩みを詳しく伺い、異物の範囲や位置を正確に確認するために、エコー、CT、MRIなどの画像検査を行います。
異物が皮膚の下にあるのか、筋肉の下なのか、あるいはより広範囲に及んでいるのかを正確に評価します。 - アプローチの検討
画像診断の結果に基づき、除去すべき範囲を考慮し、患者様に合った除去方法やアプローチを検討し、ご提案します。 - 除去手術
選択した方法で慎重に手術を行い、異物を可能な限り除去します。
除去後の状態と注意点
異物を除去すると、注入量よりも多くの物質が採取されることがあります。これは、注入された異物が自身の脂肪細胞を溶かしていることや、水分を吸収していることなどが考えられます。そのため、手術後は除去前よりも組織量が減少し、胸が小さくなったと感じる可能性もございます。
完全に異物を除去することは困難な場合もございます。異物が組織に深く入り込んでいる場合、100%の除去を目指すと乳房そのものを切除する必要が出てくる可能性も考えられるためです。しかし、可能な限り除去することで、感染のリスクを大幅に低減できます。
同時豊胸の可能性
異物除去と同時に豊胸術を希望される方もいらっしゃいます。過去に感染歴や現在の痛みがない場合など、患者様の状態によっては同時手術も選択肢の一つとなり得ます。
しかし、感染リスクなどを考慮すると、基本的にはまず異物除去のみを行い、安全が確認できてから改めて豊胸術を行う方がより安心です。同時豊胸をご希望の場合は、リスクとメリットを十分に理解し、担当医師と慎重に相談することが重要です。
アクアミド・アクアフィリングを放置することのリスク
アクアミドやアクアフィリングは、たとえ現時点で何の症状が出ていなくても、体内に残しておくことは望ましくありません。特に以下のようなリスクがあります。
- 将来的な感染症のリスク
注入から何年も経過して、突然感染症を発症するケースが非常に多く報告されています。 - 妊娠・授乳期における深刻な問題
妊娠中や授乳期は、乳腺の発達に伴い感染を起こしやすくなります。この時期に感染してしまうと、胎児への影響を考慮して使用できる薬剤や受けられる検査が限られてしまい、治療が非常に困難になることがあります。実際に、感染が原因で妊娠を継続できなかったという悲しいケースも存在します。
現在症状がない方も、将来的なリスクを避けるためにも、異物除去を真剣に検討されることを強く推奨します。
まとめ
アクアミド・アクアフィリングによるトラブルは、注入から時間が経過してから発症することも多く、患者様を精神的にも肉体的にも深く傷つけることがあります。お茶の水美容形成クリニックでは、多くの経験と知識が蓄積されており、患者様一人ひとりの状態に合わせた除去方法のご提案と、丁寧なカウンセリングを行っています。
「もしかして?」と感じたら、まずは当院にご相談ください。患者様の抱える不安に寄り添い、安全な未来のために全力でサポートいたします。
料金
表示価格に含まれる費用:局所麻酔代、お薬代
※診察料、静脈麻酔代は別途かかります。
※吉井健吾医師の執刀をご希望の場合は、執刀代(77,000円)が別途かかります。
| 異物除去外来 | 通常 | モニター |
|---|---|---|
| 胸(20㎝以下) | 440,000円 | 220,000円 |
施術内容:過去に美容目的で注入された異物に対し、形成外科専門医が安全に除去を行います。
主なリスク・副作用:へこみ、内出血、腫れ、アレルギーなど
※表示価格は税込です。最新・詳細の料金は下記の料金ページをご確認ください。
外科・手術の料金
※本記事の施術は自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があり、
すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
リスク・副作用や費用の詳細は、医師の診察時に必ずご確認ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 現在特に症状がありませんが、アクアミドやアクアフィリングの除去手術は必要ですか?
A. 現在症状がなくても、アクアミドやアクアフィリングは体内に残しておくことは望ましくありません。注入から何年も経過してから突然感染症を発症するケースが多く報告されており、特に妊娠中や授乳期には乳腺の発達に伴い感染を起こしやすくなり、治療が非常に困難になることがあります。将来的なリスクを避けるためにも、異物除去を真剣にご検討されることを推奨いたします。
Q. 注入された異物を完全に除去することはできますか?
A. アクアミドやアクアフィリングは粘性が高く、組織に深く浸潤している場合があるため、完全に異物を除去することは困難な場合もございます。100%の除去を目指すと乳房そのものを切除する必要が出てくる可能性も考えられます。しかし、可能な限り除去することで、感染のリスクを大幅に低減することが期待できます。
Q. どのような方法で除去手術を行いますか?
A. 患者様のお体の状態や異物の位置、量によって、除去方法を選択します。主な方法としては、「吸引法」と「切開法」があります。
- 吸引法:生理食塩水などを注入して異物を溶けやすくした後、脂肪吸引のように吸引して除去する方法です。
- 切開法:小さな切開を加え、異物を直接絞り出し、洗浄しながら肉眼で確認し、残存部分を取り除く方法です。組織内に入り込んだ異物を確実に取り除くために、この方法が選択されることが多いです。
当院では、事前の詳細な画像診断に基づき、患者様に合った除去方法をご提案いたします。
Q. 除去手術をすると胸の形はどうなりますか?小さくなりますか?
A. 注入された異物がご自身の脂肪細胞などを溶かしている可能性や、水分を吸収していることなどが考えられるため、異物を除去すると、手術後は除去前よりも組織量が減少し、胸が小さくなったと感じる可能性もございます。術後の状態については、診察時に詳しくご説明いたします。
Q. 異物除去と同時に豊胸手術を受けることはできますか?
A. 過去に感染歴がなく、現在も痛みなどの症状がない場合など、患者様のお体の状態によっては同時手術も選択肢の一つとなり得ます。しかし、感染リスクなどを考慮すると、基本的にはまず異物除去のみを行い、安全が確認できてから改めて豊胸術を行う方が、より安心できる選択肢と考えられます。同時豊胸をご希望の場合は、リスクとメリットを十分に理解し、担当医師と慎重にご相談いただくことが重要です。
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担当医
山田 淳生(院長)/日本形成外科学会 専門医 日本美容外科学会(JSAPS)正会員 頭蓋額顔面外科学会 正会員 オンコプラスティックサージャリー学会 正会員
東京大学卒業後、形成外科の道に進み、豊富な臨床経験を積んだのち、お茶の水美容形成クリニックに入職いたしました。主に外科的治療に従事し、特に豊胸や目元の形成を得意としています。丁寧なカウンセリングと確かな技術で、理想の美しさを叶えるお手伝いをいたします。
